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2014.05.03(土)
なんか暖かい固い物が体を覆ってる?…なんだろう…?でも温かい…。
はっとして日和が目を覚ますと目の前に何かいた。
……これ…瑛貴くんだ!
そうだ、昨日瑛貴くんちにきて…泊まったんだ…。
瑛貴くんの腕が日和の背中に回されていて日和の体は瑛貴くんの腕の中だ…。
うわぁ…とこの状況に照れくさくなってきた。……けど、一緒にベッドに入った記憶はない…。
…もしかしてテレビ見てるうちに寝ちゃってた?勿体無い!
折角の瑛貴くんとの時間だったのに!
…………温かい。
瑛貴くんの温かい体温が日和を包んでくれてるのに心の中まで温かくなってくる。
ちょっと顔を上げると瑛貴くんの寝顔が目の前だ。
いつもはかっこいいなのに……寝顔が無防備でちょっと可愛い。
じっと瑛貴くんの寝顔に見入ってしまう。
……一緒にいられるって幸せだ…。
こんな風にいつもとは違う知らない瑛貴くんが見られるのにどきどきしてしまう。小さい頃は好きと言っても今みたいに苦しいようなどきどきはなかった。ただ好きだけだったけど、今は違う。それ位成長してるのかな?と思いながらも好き、が変わらない思いのままなので成長していないのかもとも思ってしまう。
「ん…」
瑛貴くんの眉間に皺が寄った。…起きるのかな?
瑛貴くんの目が開くとちょっと驚いたようにして日和の顔を見た。
「ん…?ひよ?…起きてたのか?」
「ちょっと前に」
ふふ、と思わず笑ってしまう。そして瑛貴くんの声が近いのがくすぐったい。
「瑛貴くんの寝顔見てた」
「………俺の顔見たって面白くないだろ」
「面白いって…かっこいい…よ…」
「そりゃよかった。お前の目にそう見えりゃ問題ないな」
「そ、そ、…う?」
「ああ」
瑛貴くんの腕が日和から離れて瑛貴くんが欠伸しながら起き出したのに日和もベッドから起き上がった。
新鮮でどきどきする。
小さい頃…瑛貴くんと結婚する!って言ってたけど…今、朝も一緒って事はそんな感じ?
照れくさくて嬉しくてこそばゆくて恥かしくて…。
でも幸せ…。
幸せ、なんてもうずっと感じた事なかったんだけど…。
「ひよ?どうした?」
「ううん!なんでもない」
立ったままぼうっとして幸福感に浸ってたら瑛貴くんが不思議そうな顔をして日和は慌てて首を振った。
「着替えておいで」
「…うん」
日和が狭いウォークインクローゼットで着替えをしている間に瑛貴くんもさっさと着替え、そして朝ごはんの用意を始めるらしくカチャカチャと音がしてきた。
日和もささっと着替えてすぐにキッチンに行く。
「僕も手伝うよ」
「じゃ皿出して」
「うん」
瑛貴くんと並んで用意っていうのもまた…。
…とにかくもう何でもいいみたい。何もかも瑛貴くんが隣に、傍にいてくれれば嬉しいし幸せな感じだ。
日和は嬉しいけど…瑛貴くんは…?
ふ、っと瑛貴くんの顔を見上げると瑛貴くんも日和を見ていた。
そしてくすと口端を上げて日和の頭を撫でてくれる。
「…大きくなったけど…まだまだ細っこいな。ちゃんと食ってるか?」
「食べてます!」
「男子なのにな…ま、ひよはそれで可愛いからいいけど」
「………小さいの遺伝だもん」
「…だな」
ぷっと瑛貴くんが笑った。
「ひよの家族かわいいもんな…」
……嬉しいような嬉しくないような。
「買い物はちょっと遠くに行こうか。ここの辺りじゃ学校近いし誰いるかわかんねぇからな」
「…うん」
一緒に買い物してるとこ見られたらはまずいよね…。
「…僕、留守番でもいいよ?」
「なんで?せっかくひよが一緒いるのに」
「………ん」
もちろん日和だって一緒の方がいいに決まってる。
「別に堂々としてれば誰もわかんねぇよ」
堂々と…って日和には難しい。だって周囲を気にしてしまうに決まってる。
「ひよは気にしなくていいから、な?」
「気にするよ…。もし誰かに見られて変って思われたら…」
日和はいいけど、困るのは瑛貴くんの方だ。
「そん時は正直に小さい頃から面倒見ててって言えばいいだろ。ひよんちのお母さんだって否定するわけないし」
それは当然だ。
「いちいちそれ説明してさらに特定の生徒と…とか言われるのがめんどくせぇし、だから言ってないだけだ。…まぁ、ちょっとは疚しいとこもあるけどな」
瑛貴くんが顔を近づけてきてちょんとキスする。
「こんな事もしちゃうし?」
「い、い、…いいもん」
かぁ、っと顔が赤くなる。
やっぱり朝から一緒ってすごくいい!