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2014.05.12(月)
日和が目を覚ますと目の前には瑛貴くんの顔。そして身体には瑛貴くんの腕。
一瞬昨日の事は夢かと思ったけれど、体に残る倦怠感と、ちょっと身体に力を入れただけでいつもは感じないような疼痛がありえないとこに走った事に夢じゃなかったんだ、と一人で赤面してしまう。
…だって…瑛貴くんはする気なんてなかったのに、日和が自分から求めたようなものだ。
そこはもう本当に穴があったら入ってしまいたい位に恥かしい。
でも…約束を…。新しい約束をもらった。小さい頃にもらった約束を果たしてくれてそして新しい約束をくれた。
すうすうと眠ってる瑛貴くんの顔を見ながらキスしたいなぁ…とかまた思っちゃう自分はどうかしてるのだろうか?
だって毎日会ってても毎日キスできるわけじゃないから…。
そういえば眠っている時に日和の事触ってたって…言ってた。
じゃあ、……してもいい?
そっと顔を近づけて微かに触れる位にキスする。
そして自分で照れてしまう。…だってやっぱり慣れなくて。
ぐっと瑛貴くんの腕が日和を抱きしめるのに力を入れてきた。
「なんだひよ…それだけ?誘ってきた位なんだからもっと濃ゆいのでもよくね?」
「え、え…いき…くん…起きてたの!?」
「起きてた。ひよがどうするのかなぁ?と思って」
「ず、ず、ずるい!」
「別にずるくはないだろ。…ひよ」
「ぁ…」
朝から瑛貴くんが日和の頭を抑えて濃厚なキスをしてくる。
「ん…はぁ…」
唇が離されると日和は息を吐き出し、瑛貴くんの胸の中に顔を埋めた。
なんか凄く恥ずかしい…。
だって昨日…色々な事イタシちゃってるし…。自分のした事とか、格好とか、声とか、…次々思い出されていたたまれなくなる。
昨日の夜は必死だったけど…なんか朝になって冷静になってくるとどうしたらいいのか分からなくなってくる。
…はじめて瑛貴くんとちゃんと…したんだ。…そして新たな約束をもらって。
瑛貴くんにしてみたら日和を相手にするということはリスクがありすぎるんだ。もし誰かに知られたら…?きっと瑛貴くんの全てがダメになってしまう。仕事も生活も何もかもだ。そうならないなように日和は瑛貴くんを守らなきゃいけない。何があっても絶対に。
今までは自分の事しか考えてなかった。
小さい頃の約束を瑛貴くんは守ってくれ、そして瑛貴くんが新しい約束をくれた。
「瑛貴くん…」
瑛貴くんは日和を守ってくれると言った。日和も瑛貴くんを守れる存在になりたい。
自分はまだまだ子供。背伸びしてもう子供じゃないなんて訴えたって子供なんだ。
それでも瑛貴くんはちゃんと日和を子ども扱いしないで考えてくれたんだ。
「…ひよ?」
「ん?なぁに?」
瑛貴くんが不思議そうな顔をして日和を見ていた。
「どうかしたか?」
「え?なにが?」
「だって…今。真っ赤になってたと思ったら…急に大人びた顔になった」
「…………ちょっとだけ大人に近づいたかも」
うん…。そうかも。今までは自分の事だけしか見えてなかったけど…。
「そりゃ…身体が…」
「そ!そういう事じゃなくてっ!精神的に!って事なの!」
えっちしたから大人になったじゃなくて!
「もう!何言うの!?」
「…そう…?そういう事かと思ったけど?」
「違う!」
口だけの約束…。でも二人にとってはそれだけじゃない。だからこそ瑛貴くんもわざわざ約束だ、なんて言ってくれたんだ。瑛貴くんも同じように思ってくれている事が分かる。
大事な大切な二人だけの秘密の約束…。
思っている事も思われている事も同じかな…?
そうだといいのに。
小さい頃は日和じゃ瑛貴くんの相手に全然足りなかっただろうけど、少しでも瑛貴くんと並べたらいいのに。きっと背の高さの違う分だけ離れているんだと思う。
昔から比べたら瑛貴くんとの身長の差は縮んでいる。
精神的にもこれ位差は縮んだだろうか?
それでもまだまだ瑛貴くんには追いつけない。でも、それでいいんだ。少しずつ少しずつ背伸びしないで追いつければ…。
昨日はちょっとかなり背伸びしちゃったけど。でもそれも日和には必要だった事なんだ。
「瑛貴くん…僕も瑛貴くんを守られるようになる」
「………約束か?」
「うん。そう」
くすと瑛貴くんが笑ってキスしてくれた。