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2014.05.16(金)
ひよの高校生活が終わった。
…もうひよ、なんて呼べないな…。
高校三年間で日和はさなぎから蝶になるように変わっていった。
一年生の時は本当にまだ子供っぽいところを残していたのに背も伸びていくと顔つきも大人のものになってきた。
いいんだ。それは…。
いいんだけど!
可愛いだった形容が綺麗になっていくのに瑛貴はハラハラだった。
背がいつの間にか瑛貴の鼻の辺りまで伸びていた。花が咲くように変わっていった。
一部女子は戸田とカップル扱いにしてるのに本気で腹を立てた。
当の日和はカモフラージュになるから丁度いいなんてのたまわるし!
…それも終わりだ。
分かっている。戸田はまだ日和の事を好きなんだとは思う。けれど今は一番の友人の方が勝っているらしいのでよしとする。
なんといっても日和が全然気付いてないで自分との事を戸田に暴露してるので戸田は諦めるしかないんだ。
当たり前だ。なんといっても年季が違うんだから!
それにしても匂うような色気も漂わせるようになってしまった日和が大学生って…やばくないか…?
そこだけは戸田が一緒でかなり安心できる。
「月村先生!飲んでないじゃないですか」
「飲んでますよ」
こんな飲み会なんかなかったら日和の所に行くのに!
やっとやっと長かった高校生が終わったのに。
いっぱい抱きしめてキスして抱くのに。
箍が外れたのは何度もあるがそれでもセーブしていた。
折角それがなくなったのに!
日和とも会えないんじゃ帰っても仕方ないがだからといって二次会に行く気にもならない。
それなら帰って電話で日和の声でも聞いていた方がずっといい。
さっそく明日来い、と言ってみるか?
いや、一応まだ在学している生徒になるんだから…いや、でももう今更だろう…。
………自分の中で色々回っている。それも仕方ない!3年だ。ほとんど3年!自由にならなくて3年。
はぁ、と溜息を吐き出した。
どうも日和の卒業が終わって自制心が消えかかっているらしい。
これは日和に会ったら欲望のまま滅茶苦茶にしてしまいそうな気がしないでもない。
「月村先生!」
「すみません、飲みすぎたようなので帰ります」
あんまり飲んじゃいないけど適当な事を言ってタクシーを捕まえて逃げた。
日和に電話しようか?いや、帰って全部終わってからゆっくりの方がいいか。
「あ、そこの道真っ直ぐ…で…その先ちょっとのとこ…」
タクシーの運転手に道を説明していたら…あれ?部屋の電気がついている?消し忘れ?いや…。
「ありがとう!つりはいいよ」
毎度~という運転手の声が終わらないうちに瑛貴はもうタクシーから離れていた。
日和が来ている。
ずっと持っていた鍵。
でも使った事のなかった鍵。
がちゃがちゃと慌ててドアを開けると玄関に日和が立っていた。
「お帰りなさい、瑛貴くん」
にこっと笑みを浮かべて…。
がばりと日和を抱きしめると日和もすぐに瑛貴の首に抱きついてきた。
そして日和の頬を撫でる。
小さかった、身長が低かった日和じゃなくちょっと顔を傾けるだけでよくなった大きくなった大人の日和だ。
「ん!」
待てない!
日和に唇を重ねた。
そしてそのまますぐに深く舌を絡める。
「んぅ…」
日和の頬がすぐに上気してきて、そして日和も必死に舌を絡めてきた。息が上がる。
「え、…きくん……して…?」
「日和」
背は伸びても細いのは相変わらずで、その日和の身体をキスしながら抱き上げた。
「…待ったぞ」
「うん…僕も…」
ベッドに日和を横にして確かめるように顔を撫でた。
「…って言っても何度か我慢できなかったけどな…。でもそれでも大分我慢してたんだ」
「…ん」
「日和……卒業おめでとう…」
「うん…」
じわりと日和の目が潤んでくる。
「瑛貴くん…瑛貴くん」
「日和をもらうぞ?」
「うん…もらって?」
「…日和の全部…過去も今も未来も身体も心も全部だ」
「うん…僕の全部は瑛貴くんのだもん」
「ほんと…煽ってくる。覚悟しろ」
日和のもう制服を脱いで風呂も入ってきたのだろう仄かなボディソープの香る首に唇を這わせながら服に手をかけ脱がせていく。
「瑛貴くん…」
日和の熱に浮かされたような声が瑛貴の名前を呼んだ。