舌が絡まり熱が交わる。
風呂を出たあとそのまま凪の寝室に連れて行かれベッドの上で三塚の身体が凪の身体をすぐに組み敷いた。キスは止め処なく幾度も交わされ、唾液も交じり合ってしまっている。喘ぐ声は止まらず、そして凪も三塚を欲しいと欲が孕んでいた。
そう…欲しいんだ。
初めてそんな事を思った。誰かが欲しいなんて…。
「凪…」
三塚がキスを交わしながらうわ言の様に何度も凪を呼ぶ。それがまた凪の心に歓喜をもたらした。
こんなに自分を求めているのかと優越感が凪を包む。そしてまた官能を呼び起こすんだ。
身体が感じすぎておかしくなりそう。触れられている所から痺れが身体全部に回っていきそうだ。
「凪の…全部…もらっていいか?どこもかしこも…全部」
「いい……」
そう…もうきっとずっと前から三塚は特別だったんだと思う…。頑なになっていた自分がそれを認めていなかっただけで。そうじゃなきゃキスだって受け入れるはずないんだ。
…気持ちいいなんて思うはずないんだ…。
今日の立花 創英に触れられた事でそれがよく分かった。自分は三塚に触れてもらうのを待っていたんだと。
三塚に任せるようにしながら自分でも望んでいたんだ。だからおとなしく三塚にされるがままにしていたんだ。
卑怯だろう…。
でも三塚はずっと待ってくれたんだ。凪の心が固まるまで。
「みつ…づか……んぁ…」
三塚の唇が凪の首筋をつっと伝い、舐め、そしてきゅっと吸い上げてくる。
「凪…感じて…声出して…」
手が、声が、肌が、三塚の全部が凪を刺激する。三塚の甘く痺れるベルベットの艶やかな甘い声が響けば身体は震えてしまう。
「俺の声…好きでしょう?」
…好き、だ…。
ぞくぞくと鼓膜を擽る響く声だ。声だけでもうイきそうになってしまう位…。
「あ、っ…ぅんっ……」
「凪の身体はどこもかしこも綺麗だ…ここもピンクって…ベビーピンク…」
「んんっ!」
つんと立っている乳首を食まれて腰が跳ねる。…そんな所も感じるなんて…。
「どこもかしこも感じる…?」
そう…だ。声に包まれて…もう全部が感じすぎる位でもどかしい。
「みつづか…どう…にか…して……?……変になる…」
「なっていい…凪……俺はもうとっくに凪に狂ってますからね…嫉妬なんてみっともないことする位に…」
「嫉妬…?」
三塚が?
「ええ!今日のあの立花 創英でしたっけ?あれと凪が親密そうに見えた時にはかっとしましたよ!でもすぐに凪がそうじゃないのが分かってほっとしましたけど…あいつから逃げるようにしてきた凪に俺がどれだけ嬉しかったか…なんて知らないでしょう?」
「……知らない、よ…。…僕だって…あの時…三塚の声と姿にどれだけ安心したか…」
「凪…っ」
三塚が何回もキスを繰り返すのがくすぐったい。
「あ、ぅ…」
キスしながらも三塚の手は凪の身体のあちこちを弄ってきて声と身体は反応してしまう。
「好きです…凪」
「…え、と…僕も……多分…」
「多分~~~~!?」
三塚が抗議の声をあげた。
「多分なんて……」
がっくりとした三塚の声。
「だ、だって……」
「まぁ、いいや……。俺の声は好きですもんね?」
「……ん…」
「俺の作るケーキも好きですよね?」
こくりと頷く。
「…………好かれてるの…それだけ…か?」
凪の上で三塚が首を傾げた。
「かっこいい……し、…優しい……」
「………そう?」
そう、と凪が頷く。
「凪は綺麗で可愛くて……今日のバスからのバイバイも…俺は鼻血出るかと思いましたよ」
「お、大袈裟だ!」
「いや、マジで。…だって大人の男がバスからバイバイって…可愛すぎでしょ!」
かぁっと凪が顔を赤くすればそれを見て三塚がくすりと笑う。
「ほんと…どうしようかって思う位に…こんなに…凪…」
そしてまたキス。キスしながら三塚の手が凪の身体を弄(まさぐ)ってくる。背中を伝って後ろに…。
つんとさっき風呂場でも弄られた後ろを突かれた。
三塚のキスも手も熱も全部凪を欲しているのが分かる。凪も三塚の首に腕を回して抱きついた。自分からこうして抱きつく位に凪だってやっぱり三塚を感じたいと思っているんだ。
…好きなんだ。素直にそれをはっきりと言うのはまだ恥かしいけど…。
でも、そうなんだ。
「いい、よ…?」
「いや、まだです。凪をぐちゃぐちゃに溶かしてからじゃないと…ね」
三塚がくすりと笑い、そして凪の腕を外すと凪の身体に唇を這わせていった。
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