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熱吐息 fuoco~熱烈~3

 「宗は…俺…でいいの…?」
 「瑞希しかいらないけど?」
 「……え?」
 「もういいから…瑞希…」
 宗が瑞希の唇を啄ばみ、首に唇を這わせた。
 「ぁっ!…」
 きゅっと強く吸われて声が上がる。
 「そ、宗…っ」
 「ん…?」
 「こ、怖い……」
 「は…?何が?」
 宗が止まった。 
 「だって、…俺、もう…宗、いないの、やだ…一人…やだ…」
 ずっと一人だったのに。
 でももうだめだ。
 精神的に宗に頼りすぎているのだ。
 「俺、お金いらない…」
 瑞希が宗の首に手を回してぎゅっと抱きつくと宗は瑞希を力いれて抱き返してくれた。
 「瑞希……ずっといるから。絶対離さない…。俺は瑞希に甘えて欲しいんだ…何も気にしないで、笑っていて欲しいと思ってる」
 そんな事言われた事なんてない。
 せいぜい普通の人がしてくれるのは同情位で、瑞希の事を考えてくれる人なんていなかった。


 全部、どうにかした。
 熱出て動けない時だって自然によくなるのを待った。
 施設にいた時のほうが幸せだった。 
 誰かはいたから。
 出てからは一人だった。それでも施設の院長はなにかと瑞希を気にかけてくれていた。でも瑞希が出て間もなく亡くなってしまって。
 自分から中に入れる事もしなかった瑞希は施設でも仲のいい奴もいなかった。
 だいたいがやさぐれているのも多くて瑞希とは合わなかった。
 瑞希はそんな事をしても誰も助けてくれない事は気付いていた。
 言われる言葉は薄っぺら。
 酷かったね、辛いでしょう。
 そんな事を言ってあとは近づいて来ない。
 小学生だった時だって友達だと思ってたらある日突然親から遊んじゃだめって言われたと何度言われた事か。
 そんなの慣れっこだ。
 そう言いながらもうそれを味わいたくなかったのだ。
 だから一人の方が楽だったのだ。
 それなのに、急に瑞希の中に入ってきた宗はあっという間に瑞希の中で膨らんで大きくなってしまった。


 「瑞希、どう言ったらいい…?俺がお前を買うって言ったのはおまえを雁字搦めにして離したくなかったからだ。そうしたら瑞希は絶対離れないだろう?あの金、貰ってくれないか?そうしたら俺は安心出来るんだ。お前は俺の手の中にあることに」
 「そ、う……ただ、買う、んじゃなくて…?」
 「違う。瑞希を閉じ込めておきたい。俺だけのものにな」
 「俺、あれ持ってればずっと…宗の傍、にいて、いい…?」
 「ああ。お前、不安だろ?言葉だけでも。勿論使ったって何したっていい。むしろ使ってくれたほうが俺から離れないだろうからその方が俺は嬉しい。……そうじゃないとお前はさっきみたいに俺に突きつけて去っていってしまうかもしれないから……」
 「…俺、ない…よ。だって宗と、いたい…」
 「さっき投げつけただろうが」
 「だって…」
 宗が身代わりにしてると思って、苦しくて…。
 「お前だけだ…」
 本当だろうか…?
 長い長い夢を見ているのではないだろうか?
 全部、全部。
 「宗…コレ、夢…?」
 「は?…まったく、何言うんだか」
 くっと宗が笑って瑞希の下を一気に脱がせた。
 「そ、宗も…脱いで…」
 今まで宗は脱いでなかった。いつも瑞希ばっかりだった。
 「ああ」
 宗がばっと上から脱いだ。
 どうしよう、やっぱり夢かもしれない。
 でも瑞希に触る肌は温かい。
 「後ろしばらく触ってなかったな…硬くなったか…?」
 「し、らない、よ…」
 「よくしてやる、な。瑞希、名前呼んで?」
 「宗…ずっと…呼びたかった…んだ…」
 「お前に呼ばれるの好きだ。ほら」
 瑞希の手を自分のものに触らせた。
 「お、っきい、よ…?」
 かっと瑞希の顔が赤くなる。
 「当たり前だ。したくて仕方なかったのに。お前がどこか変で我慢してたんだから。飽きたとか、身代わりとか、そんなとんでもない事考えてるなんで思ってもなかった」
 宗が熱くて恥かしくて瑞希は手をぱっと離した。
 「だってっ…」
 「いいから。俺、年は下だけど守ってやる」
 「宗っ…俺、そんな事、言われた事ない…んだ…」 
 「これからいくらでも言ってやる。好きだ、瑞希」
 「宗…宗……俺、もう…だめ……」
 「まだまだだ…」
 宗の指が唇が瑞希の体中を這った。
 
 
 

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