はのんのBL部屋

　「凪から欲しいって言われて我慢なんか出来ませんからね」
　凪の寝室のエアコンのスイッチを入れ、三塚がすらりと着ていたTシャツを脱いだ。
　「凪も脱いで？」
　自分から欲しいとか言っといてなんだが…恥かしいと思う。男なのに…男が欲しいとか……。そうじゃなくて、三塚が欲しいだけなんだけど、でも同じ事だろうか…？

　まだ夕方で日が暮れているわけでもないのにこんな事をする…というのも恥かしいが…どうしても女性といた三塚が過ぎってしまって確かめずにいられないんだ。
　スーツの上着を脱ぎハンガーにかける。そしてネクタイを外しワイシャツのボタンを外しながら女性といた事を思い出してしまい。凪は顔を顰めて三塚に抱きつく。

　「凪？……いや？」
　違う。
　小さく凪は首を振ると三塚の手が凪の途中になっていたワイシャツのボタンを外し始める。
　キスをかわしながら脱がされていく。ベルトも外され一気に全部を降ろされるとベッドに誘われ、そして三塚が凪を組み敷いた。

　ドキドキとまだ慣れなくてどうしていいかわからなくなる。それでも自分から早く、とねだるような事は出来るようになったのだろうか…？
　だって…他の女のところになんていって欲しくない…。
　「三塚…」
　いやだ、と三塚の首に抱きついた。

　自分だけにしてほしい…凪はもう誰も要らない。三塚もそうだといいのに…今ここでこうして三塚がすぐ傍にいるのに何故こんなに不安ばかりが募っていくのだろう？いつか三塚が去ってしまうんじゃないかと思った事もないような事まで思ってきてしまう。

　三塚はかっこいいし…分かる。凪みたいに人と付き合った事がないわけでもないし、女性とも普通に付き合ってきたんだろうし、話によれば結構奔放にしてきたらしい。そんな人が凪なんかで満足するのだろうか…。
　凪は自分で三塚に何もしてやれることもなくてしてもらっているばかりだ。そのくせ一人前に独占欲があるなんて。
　「三塚…」

　「何？……凪から積極的に…嬉しいです。俺にされるの…いい？」
　「ん……僕が、自分から……欲しいと思うのは三塚だけなんだ…」
　「俺もですよ」
　凪はきっと自分から求めるのもしてもらえるのももう三塚だけだけど、三塚はきっと女の人だって欲しいと思うはず…。男の自分でさえ欲しいと思うんだから…。そうしたら三塚は拒まないかもしれない。…そんなのは嫌だけど…。

　でも…。
　嫌だなんて言って三塚が離れるのはもっと嫌なんだ。
　ぎゅっと凪はしがみつくように抱きつき自分からキスを求めた。
　「…凪…」

　三塚の色気を孕んで掠れた低い声を聞くだけでもう凪の身体は痺れてしまうのに。こんな身体にしたのは三塚なのに。満足するのももう全部が三塚だけなんだ。
　責任取れよ…と思いながら自分から腰を三塚に押し付けた。
　「もう…欲しいの？そんなに腰揺らして…ピアノで褒められて興奮した？」

　本当は三塚を女に取られたくないから…なんだけど、そういう事にしといていい、と凪は顔を赤くしながら小さく頷いた。
　「ああ！もう…ほんっと可愛くてエロいのなんてタチワルすぎ！だからいっつも俺余裕なくなるんですから…」
　「んんっ！」
　三塚がチェストからローションを取り出してすぐに凪の後ろに指を入れてきた。
　「昨日もしてるから…すぐ入りそうだけど…痛くない？大丈夫…？」

　「いい…大丈夫だ…そのまま…早く…」
　余裕なんかなくなってしまえばいいんだ！
　三塚が焦燥感を浮かべながら性急に凪の中に入ってくる。
　「ああ…凪の中がすいついてくるようです…いい…」

　ぐちゃぐちゃにかき回されてそして全部吸い取ってしまいたい…。他の人になんかいかないように！
　こんな事思ってるなんて知られたくもないけど…。
　「みつづか…っ」
　「違うでしょ？」
　三塚が汗を浮かべ律動を加えながら凪の耳元に囁く。

　「絋士…っ……うんっ…ぁ……もっと…いっぱい…」
　「凪……ホントやばいって…イきそ…」
　「いい！…いっぱい…して……？」
　「くそ……やばいでしょ…凪…俺だけにしといてくださいよ！そんなエロくなって…俺だけで足りないとか…言わないでくださいよ！」

　三塚が激しく凪を突き上げてくる。
　中がかき混ぜられぐちぐちとヤラシイ音を出しながら三塚が抽送を繰り返す。
　「言わない…欲しいのは…絋士だ、け…んぁああ……っ」

　あっという間に敏感になっている身体はよくを放出してしまう。　
　そしてそれは三塚も一緒だ。
　何度も何度も、まだ夜にもなっていないのに、帰ってきたばかりなのに…それでも恥かしいよりも三塚を放したくなかったんだ。

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