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トロイメライ 124

 「…ぁ……」
 「……目覚めた…?すみません……無理させた……」
 部屋が暗くなっている。それに…腕はもうネクタイが外されそして三塚の腕が凪の身体を抱きしめていた。
 すり…と三塚に擦り寄る。
 「……平気」

 自分が悪いのは分かっている。三塚の気持ちも分かる。気をつけろ、心配だと家に入れるなと何度も口を酸っぱくして言われていた事だ。
 三塚の事を言われて中に入れてしまったけど、三塚が怒るのも分かる。
 「三塚…」
 自由になる腕で三塚の首を抱きしめまたキスを求めた。自分から舌を突き出し舌を絡める。

 「意識飛ばしたのに…まだ足りない…?」
 「足りない…」
 「凪のえっち。……怒ってない?嫌じゃなかった…?」
 「僕が怒る?どうして?」

 三塚の腕が優しく凪の身体を撫でてくれる。パジャマは着てなくてマッパのままらしいがぐちゃぐちゃだったはずの身体はすっきりとしていた。意識を飛ばした凪の身体を三塚が綺麗にしてくれたのだろう。
 「僕が怒るところなんてないし、嫌だなんて思うとこもないけど?」
 唇を離さないまま囁く。

 「話もしないで…あんな風に…すみません」
 「謝ることもない」
 「ここも…」
 三塚が凪の左手を取って手首を撫でた。
 「ちょっと痕が…」

 「別に気にしなくていい。…僕が悪かったんだ」
 「いいえ…。凪が立花 創英を好きじゃないのはわかっているんですけど…こんなに自分に抑えが利かないなんて…知らなかった」
 それだけ凪の事を思ってるんだと思えばなんてことない。
 「……僕の父親…立花 初だったらしい」

 「え!?」
 ちゃんと話そう。
 「月曜日には…初氏と創英と二人で来たんだ…」
 「月曜日に!だからどこか凪の様子おかしかったんだ!?」
 「ちょっとはね。でも一番は三塚がいなかったからだ」
 「…寂しいも本当だった?」
 「……ああ…こうして…いてくれないと…」
 でも離れなきゃないんだ。…三塚を守る為。

 「来週から…」
 凪は三塚の身体の上に跨って乗り、そして抱きついた。細い凪の胸とは違う広い胸板だ。
 「立花の家に行く」
 「立花 創英とは半分兄弟?」
 「いや。違うらしい。初氏は知らないみたいだが…」

 「どういう事です?それに立花の家に行くって…?」
 「僕にもわからないけど…」
 「分からないって…いったいどういう……凪…?」
 三塚に乗ったまま三塚の物に手をそえて扱いていく。
 「何…して…?」 
 「入れるんだ…」

 いっぱい三塚を感じておかないと…。身体中にちらばる三塚のつけたキスマークも目に入り凪はうっすらと笑みを浮べた。
 「もっと…つけて?……来週…多分その先もかな…分からないけど…僕はここにいない」
 「でも生徒さんいるでしょ」
 「全員引き払うように言われた」

 「なんですか、それは!?初氏に?」
 「いや、創英の方」
 「どうしていう事を聞かなきゃないんです?」
 「…どうしてだろうな…?……だから三塚もわざわざここまで帰ってこなくてもいい。安いビジネスホテルにでも…」
 「でもっ!凪……どういうつもりなんです…?」

 「ん?…僕には三塚だけだよ…ずっと…ただ一人だ…ん、んぅ…上手く入らない…」
 凪が擦って大きくなった三塚のものを身体に埋めようとするがうまくいかない。
 三塚が凪の腰を持ち腰を押し当ててくると少しずつ凪の中に入り込んでくる。
 「いっぱい…して…」

 忘れられない位に…。
 三塚は分かっているのかいないのか…無言でそれでも下から腰を衝いて来た。
 「やらしい凪のここはすぐに呑み込んでぎゅうぎゅうに締め付けてくる…。それなのに…?」
 …分かっている…?
 きゅっと首も吸われた。鎖骨にも…あちこちに。

 「もっと…痛くして…っ」
 「凪も…つけて」
 そう言われて
凪も噛み付くように三塚の身体に口をつけた。下から衝かれる度に声をあげ身体が官能に震えていう事をきかない。それでも三塚の身体のあちこちにうっすらと痕を残していった。

 「僕の……なのに……」
 いやだ、離れたくない。ちょっと離れただけでも寂しいと思う位なのに…。
 「…凪は俺に助けを求めないんだ?」
 「何の…事……?」
 「一人で勝手に決めて」
 「ああぅ…っ」
 下から突き上げられ深く穿たれる。

 だって…三塚を守らないと…いけなんだ。自分なんかのために仕事を始めたばかりの三塚に迷惑をかけちゃいけない。
 「僕は…絋士だ、け…っ…はぁ……うぅん…」
 自分からも腰を振り、凪はただ夢中で三塚を貪った。
  
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