「う、んっ」
航さんが唯の舌を舐り、嚥下しきれない唾液を口端を伝っても気づかない位にキスに夢中になる。
拙いだろうと思いながらも自分も欲しいのだと、唯は自分からもキスを積極的に求めた。
それだけでも気持ちいいと思う。
でもそれだけで済まず、感じすぎる位に敏感になっている身体は航さんの手が唯の肌を撫でるだけでびくびくと反応してしまう。
「あ…だ、め…」
下半身で主張している唯の屹立はもうそこに直接触れられなくとも開放を求めていた。
「…もう出そう…?まだ触ってないのに…?」
だって…自分でだってそんなにするわけでもないのにこんな刺激的な状況だけでもう唯の許容範囲は悠に超えてる。
「いいよ…何度でも」
「何度も…って…無理っ」
「確かに…体力なさそうだな、唯は」
くすりと航さんは余裕の笑みを漏らしそしてそっと唯のものを手に包んだ。
「あ!やっ…だめってっ……っ!」
そこをほんの少し航さんの手で擦られ、キスされただけであっけなく唯は航さんの手の中に白濁を零した。
「も……だから…だめっ、って…言ったのに…」
あまりにもあっけなく放出させられて恥ずかしすぎて唯は息も整わないまま顔を手で隠すように覆った。
「いいって言っただろう?まだまだだぞ?」
「まだまだ…?」
航さんが唯の手にキスしてきてぱっと手を顔から退けた。
「そう…」
「え?…あ…!」
航さんの手がそっと唯の後ろに伸びて後孔に触れる。
「ここに…光流から聞いたんだろう?」
「聞いた、けど…ホントに…?」
「嘘言ってどうするんだよ。…けどついこの間まで知らなかったのにな…。…な?悪い大人だろう?」
航さんが自嘲するように笑った。そんな顔を見たくなくて唯は恥ずかしいながらも航さんの首に自分から腕を巻きつけてキスした。
「…いいって言ってる」
「……ほんとに唯には負けるよ」
「あのね…僕がダメとか…嫌って言ってもやめないでね…?本当にそう思ってるんじゃないから…。恥ずかしいだけ…だから…」
恥かしくて顔が見えないように航さんの耳元に囁くとはぁと航さんが大きな溜息を吐き出した。
「…分かった。しかし…ほんっと唯にはいい意味で期待を裏切られるよ…」
航さんが優しく唯の頬を撫でた。
「…そうなの…?」
「ああ…さっきの、な…」
航さんが唯の体を抱きしめてきて航さんの顔が唯の肩口に埋められた。
さっきの?ってなんの事だろう?
「俺が俺ってやつ…唯にはそうなんだって…嬉しかった」
「?」
航さんは航さんだって言った事だろうか?それが嬉しいってどうしてかな…?
聞きたい気もするけれど航さんがどこか不安定に思えて唯は左手は航さんの背中に回し、そして右手は航さんの頭を撫でた。
「航さん…好き」
なんかドキドキだけでなくて大人なのにどこか唯に縋っているような感じに見える航さんに心が苦しくなる。そして気持ちが溢れそうな感じになってくる。
「唯…」
航さんが唯の背中に回した腕がぎゅっと締め付けてきた。
ちょっと苦しい。でも航さんが…大人なのに唯にこんなにどこか弱っているような所を見せてくれるのが嬉しくてひたすら航さんの髪を撫で、航さんの頭を抱えるようにして航さんの耳元にキスする。何度も。
「…俺より唯のほうがずっと大人だ」
くすくすと航さんが笑い出し、そして唯を苦しいと思えるまで抱きしめていた腕を緩めた。
「唯…」
航さんが顔を上げるとゆっくりもう一度キスするために顔を近づけてきた。
好きだ、が溢れてくる。
キスも…それだけで体が熱くなってきてしまう。航さんの舌と唯の舌が絡んでちゅくちゅくと音が漏れるけど、恥ずかしいなんて思ってる暇もなく航さんに与えられる気持ちよさに酔ってしまっているのか夢中で航さんの舌を追った。
さっき出したばかりなのにもう体の芯は熱くなってきている。航さんのもずっと熱く硬いままで腰を押し付けられるようにされれば早く欲しいと訴えられているようだ。
キスでいっぱいいっぱいだけど、でも足りないとも思う。余裕なんてどこにもないのに足りないと頭のどこかで訴えている。
「は…ぁ……こ、うさん……もっと…ほし…い…」
「唯は欲張りでもあったんだ?」
航さんが唇を離した隙間から唯が訴えれば航さんが嬉しそうに、そして肉欲を浮べた瞳で楽しそうに笑った。
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