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追憶の彼方には戻らない 113

 こんな風になるなんて…。
 そんな事を頭の片隅で思うけれど、もう冷静さなんてどこにもない。
 快感に翻弄されながら、与えられるそれに従順に唯は身を委ねる。
 全部を満たしてくれるのは航さんだけなんだ。
 安心も甘えも快感も、全部。
 唯が今まで足りなかったものを全部航さんが埋めて溢れる位に満たしてくれる。

 「ぜ、んぶ…航さん…だけ…あ、ぅん…」
 「ん?」
 「僕の…全部…航さんじゃないと…だめ」
 「俺も唯じゃないとダメだな…。こんなに我慢が利かないのも唯だからだ」
 「う、れし……」

 「ああっ!…っとに!唯…明日はまたおとなしくしてろよ?今日も止まりそうにない」
 「ああ、ん!」
 航さんが激しく後ろから律動を繰り返し唯の中を穿ってくる。
 ぐちゅぐちゅとヤラシイ音も激しさを増して、さらに唯の感じるところを刺激してくる。
 航さんの大きな怒張したもので中を擦られ、奥を衝かれればびくびくと唯の身体が跳ねる。

 「や、ぁっ」
 「いやじゃなくていい、だ。唯」
 「い、い……すごく…っ…」
 「っく……ホントに困った子だな…まさか清純で何も知らないような顔してこんなにエロ可愛くなるなんて…」
 「い、いっ!…こ、うさんっ……もっと、ぉ……」

 航さんの言葉がもう唯には聞こえない。快感が全身を包んで早くイきたいと自らも腰を揺らす。
 「だから煽るなと言ってるのにッ」
 ぎゅっと航さんが唯の腹に手を回してきつく抱きしめながらさらに唯の奥深くまで穿ってくる。
 「は、や…くぅ……んん、ぁっ…」
 自分でももう何を言っているのか分からない。でも欲しい。もっと、もっと。

 こんなに貪欲だなんて自分でも知らなかった。
 「っく…唯っ」
 航さんの切羽詰った声に唯もまた感じて後ろを締め付けるとぐっと唯の奥深くまで航さんが腰を押し付け、中にどくどくと飛沫を浴びせられるのを感じ、その熱い飛沫に唯も精を放った。
 「あ、ああ…」
 息を詰め、身体を震わせながら達すれば身体が弛緩して航さんに背中を凭れた。

 「唯…」
 航さんの胸に凭れた唯の顎に航さんが手でそっと触れ、掬われると荒い息を吐きながら唇を重ねた。
 「あ!やだ!」
 唯は自分が吐き出した白濁でソファとその下の敷かれた絨毯を汚したのに気づいて慌てた。
 「いいって」

 「んん!」
 航さんが中から抜けるのにもぶるりと身体が揺れてしまう。
 「ん?まだ足らないようだな?拭くだけだからちょっと待ってろ」
 くっと航さんが笑うと唯を離してソファに横たえた。
 「ち、ちが…」
 …くもないけど…。

 航さんがティッシュで唯が汚した場所を拭っているのがいたたまれない。
 やっぱりソファはちょっと…落ち着かない…。
 自分が汚してしまったのが恥かしくて、これから掃除とかするたびに思い出しそうだと唯は顔を覆って一人で焦ってしまう。
 航さんが拭き終わったと思ったら唯を抱き上げた。

 「こ、うさん…?」
 「身体綺麗にしてやるよ」
 にっと航さんが笑った。
 さっき…お風呂場で、とも言ってたけど…。
 「風呂場なら汚れても平気だろう?」
 すたすたと航さんが唯を抱いて風呂場に向かっていく。

 「…軽いな…。細いし…。ちゃんと食ってるのにな」
 航さんが抱き上げた唯をじっと見て不思議そうに言った。
 確かに航さんと同じ位食べてるのに体型が違いすぎる。

 「いや、俺が高校生の頃はもっと食ったか…。光流と比べれば確かに食べる量は少ないもんな」
 「…あんなに食べられない」
 光流の家にいた時、光流は驚く位確かに食べていた。
 「唯は唯だからいいけどな。でもエロいのは嬉しい誤算だった」
 くっくっと航さんが楽しそうに笑っている。そんな航さんだってすごくエロいと思うけど…。

 「僕、初心者なのに…」
 「初心者は後ろだけでイけないと思うが…ま、エロくて悪い事はないからな。さて風呂場で2ラウンド開始だ」
 唯の体を風呂場で下ろして航さんが風呂場のドアをパタンと閉めた。

 中に出された航さんの精液を指でかき出され、そのまままた航さんに貫かれかき出されてを繰り返し、風呂場で唯はすっかりのぼせてぐったりとしたころやっと開放されベッドに連れて行かれた。
 その時はもう意識がほとんど飛びかけていた位だった。
 
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