「ちゃんと言いなさい」
「………恥ずかしいのに…」
こんな事してるのだって唯には恥ずかしいのに航さんは高度な事を求めてくる。
「恥かしがる唯が可愛いから意地悪したくなるんだ。俺が子供っぽいのは自覚してる。俺の方が唯よりずっとガキくせぇだろう?」
…そうかも、と小さく唯が頷くとこの!と航さんが笑って唯の鼻をかぷりとかぶついた。
「んっ!」
「で?どうして欲しい?」
「……触って…」
「どこを?」
「…いっぱい…全部…」
「……そうくるか…仕方ないなぁ」
航さんが苦笑してそして唯のシャツのボタンを外したけどまだ腕に引っかかってるまま首から鎖骨に唇を這わせた。
「んっんぅ…」
気持ちいい。
航さんの体温が熱い。でもそれが気持ちいいんだ。
肌の熱を感じられるのも唯は航さんだけ。
航さんの手が唯の制服のベルトを外して緩めるとそのまま手を後ろに伸ばし、尻を撫でながら指を後孔に当ててきた。
「ん……」
もう…?
「悪いな…我慢出来そうにないんだけど?」
「……いい、よ」
航さんにされるならなんでもいいんだ。
「…ったく。少しは抵抗しろよ。もっと気持ちよくしてからだろ、とか言っていいんだぞ?」
「…そんなの…だって……航さんにされるの…全部…気持ちいいし…」
「…はぁ……」
航さんが片手で頭を抱えて溜息を吐き出した。
「そういうコト言うから俺の理性がいっつもぶち切れるんだ」
「あ、ああんっ」
つぷりと航さんの指が唯の後ろに入ってきた。
だって本当の事だから…。航さんに弄られているそこもすでにもう気持ちよくなる場所だって分かってるから中で疼いてくる。触るだけでなくて航さんの大きいので衝いてほしいと腰が揺れてしまう。
「…航さん…」
「…分かってる。唯の中はすっかり準備OKらしい…」
「んっ!はぁ…ぅ…」
ぐっと航さんの指が中に入ってきたところであ!と唯が声を上げた。
「ま、ま、って!」
「うん?」
「お風呂…入ってない…」
唯が言うと航さんが目を大きく見開いて唯を凝視した。
一瞬置いて航さんが声を出して笑い出す。
「何を言うのかと思ったら!」
「だ、だって……」
「後でいい後で。終わったらちゃんと唯の体を綺麗に洗ったげるよ」
「で、で、で、も…」
「でも制服は汚しちゃいかんから脱ごうか」
航さんが手を一旦唯の中から抜くと唯をソファに倒してするりと下肢から下着ごと全部を剥ぎ取った。
それも航さんのジャケットの所にぽいと投げる。
そしてそのまま唯の上に被さってきた。
「あ、航さん…だって…や、だ…」
「いいって。唯はどこもかしこも綺麗だよ」
そんな事ない。心の中だって黒くなってるのに…。そして自分でそう思いながらもそれを口にする事は出来ない。航さんにいやなヤツと思われたくないからだ。
「唯……」
航さんが唯の名を呼びながらキスしてくれる。キスで口を塞いでいて欲しい。そうしたら余計な事を言わないで済む。
本当は全部言ってしまいたい。
亜矢加さんの事。
どうしてあんな人と付き合ってたの、とさえ問い詰めたくなりそうだ。
でもそれはただの嫉妬だ。
亜矢加さんから向けられたどす黒い嫉妬の渦が自分の中にもあるんだ。過去の事を言っても仕方ないし、航さんが唯を大事にしてくれるのは分かっても、亜矢加さんの中にまだ航さんがいるんだ。それさえも許せない。アイツなんて航さんを親しげに呼ばれるのも嫌だ。
どす黒い嫉妬…本当はそれを向けられて唯は気持ちよかったんだ。航さんは自分のだと優位に思ったんだ。その自分の心が気持ち悪かった。
「唯…言っていいんだぞ…?」
「………言わない」
航さんが唯の表情を見たのか今まで何も言わなかったのにそんな事を言い出した。
「言わない。…それより…航さん…早く…して…?」
自分からお風呂入ってない、とか言い出したくせにころりと意見を変えて航さんを求めた。
「ちょっとまて…この辺に…」
航さんがテーブルの下に手を伸ばして置いてあったベビーオイルを手に取り唯の腰を持ち上げるとそこにたらりと垂らした。
「いくらかましだろう…」
そして航さんの指が唯の中を犯し始めた。そうなると唯の思考はもう航さんを追うのでいっぱいになる。
だから、もっともっといっぱいぐちゃぐちゃにして欲しい。嫌な事を思わないように…。
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