亜矢加さんに会うのが嫌なんじゃなくて、自分の心に向き合うのが嫌なんだ。
こんなに自分が黒くて澱んでいるんだと分かるから。
「航さん…航さん…」
こんな気持ちが自分の中にあるのが怖い。
航さんの事を疑ってるわけでも信じてないわけでもないのに自分の心が止められないんだ。
「唯…どうした…?」
こんな醜い心を航さんに知られたくない。
これは亜矢加さんのあの黒い渦と一緒だ。
なんでもないと必死に唯は頭を横に振った。
「いいから…もう…航さんが欲しい…」
「しかし…」
「いいのっ…航さんの…挿れて…っ」
航さんだけが唯の気持ちを浄化してくれる。航さんが繋がってくれればそれだけで唯は満たされる気持ちになれるから…。
唯は自分から腰を押し付けて航さんを求めた。
そんな唯を航さんはどう思ったのか、それでも航さんは唯の我儘を聞き入れてくれて後ろに宛がってくれた。
「ゆっくりするからな…」
「う、ん…」
航さんの怒張したした大きなそれがゆっくりと唯の中に入ってくる。いつもよりも早い挿入はいつもよりも苦しく感じる。
「あ、ぁ…う…」
「唯…」
「いい、の…ひどくして…?」
「っく…」
どくりと航さんの屹立が脈打った。
「…どこでそんな台詞覚えてくるんだか…ホントに煽ってくるのは困った子だ。それ以上に我慢出来ない自分に嫌気が差すとこだが…」
みしみしと唯の後ろが拡がっていく。
「あ、ああ、…んんぅ…」
あまり慣らしてしなくともすでに何回も航さんを受け入れたそこは航さんの馴染むように拡がって航さんを受け入れていく。
航さんの質量も大きさももう唯のそこは覚えている。息を吐き出し航さんを迎えるのに楽なように体の力を抜けさせるのももう体が覚えている。
「唯…」
航さんの掠れた声が唯の耳を擽りそして航さんが耳朶を甘く噛んだ。
「んんっ」
ひくりと体が反応すると航さんが唯の奥までずっ、と入ってくる。
「いっぱい…して…?」
「…だから…煽るなというのに…」
航さんが苦笑しながらゆっくりと腰の律動を始めた。
「痛くないか?」
「…ないよ…」
航さんが唯の中を擦って刺激してくると甘い疼きが唯の体に広がっていく。圧迫感がいつもよりも強い。苦しいのも。
でもそれでいい…。
ぎゅっと航さんの背中に腕を回してしがみ付いた。
「航さん…好き」
「唯…」
航さんが唯の頬や唇にキスを落としてくれる。優しいキスも好きだ。
航さんの手が唯の背中を撫でていく。唇があちこちにキスを落としていく。繋がった部分からは航さんの熱を感じる。全部唯の体が航さんで埋まっていくのを感じれば唯の中にはどこにも黒い部分が溶けてなくなっていくようだった。
黒くなってしまうのも、それを溶かすのも航さんだけなんだ。
全部航さんと溶け合ってしまえばいいのに…。
そんな事を思ってしまう。
「唯…」
航さんが段々と抽挿を激しく早く深く衝いてくる。
「あ、ぅん…んはぁ……んっ…」
声が恥ずかしい。でももうそんな事を思っても止められなく甘い声は漏れてしまう。
体を揺すられて汗が交じり合う。
息も熱も全部が溶けて交じり合ってるみたいだ。
「航さん…も、う…」
航さんが唯の中で感じる所を衝いてくる。そこを衝かれる度に唯の体が跳ね、びくんと反応する。
「早いな…もうイきそうなのか…?」
「う、ん…もう……はや、く……」
いっぱい衝いて、中ではじけて欲しい。航さんのが…欲しい。
「中をぎゅうぎゅうに締めて…搾り取る気だな…悪い子だ」
航さんが息を弾ませながら意地悪を言う。いい子じゃなくて悪い子だと言われるのが嬉しいなんておかしいのだろうか…?
「悪い、…子でいい…航さん…んんぅ…」
航さんが貪るようなキスを繰り返し、唯の喘ぐ声が全部航さんの口に飲み込まれる。そしてさらに律動が激しくなりソファがぎしぎしと音を立て体も揺らされる。
「あ、ああん……っ」
ぐっと航さんが唯の奥深くに腰を押し付けると航さんのものが唯の中でびくびくしながら飛沫を迸らせ、その熱い飛沫を感じて唯もびゅくと白額を腹の上で飛び散らかせた。
そして荒い息のまま何度も航さんがキスを繰り返してくれる。
唯も腕を航さんに巻きつけたままキスを何度も受け取った。
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