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追憶の彼方には戻らない 154

 こんな事してるなんて自分でもホント信じられないと思う。

 誰かと付き合うとか考えた事もなかった。…というかそんなの恐怖でしかなった。
 だって肌を合わせたら考えが流れ込んでくるのは必須なわけで、そんなの絶対無理、と思っていた。
 勿論自分が子供で、自分がする事なんか考えた事もなかったけど…。
 それが男の人相手でこんな事になるなんて。

 でも航さんからは何も聞こえないし、肌を合わせるのは気持ちいいから好きだ。
 快感だけでなく合わさった素肌の体温を感じるのが安心する。
 「あ、あぁ、んっ」
 航さんのものを舐めて手で刺激してたのに、航さんが唯の小さく主張するモノに手を添え、後ろを舌で舐められれば唯は上手く動けなくなる。

 「だ、めぇ…」
 「だめじゃない」
 「だ、って…」
 航さんにしたいのに自分がされちゃったら自分の快感の方を追ってしまう。
 「や…ぁう……」
 後ろが舐められているのが分かる。ぐちゅぐちゅとやらしい音を出して、ひくついているのも分かった。

 「…よさそうだな…。唯のここがぱくぱくしてる…」
 「あ、あぁっ」
 航さんが指でつついたと思ったらゆっくり指を唯の中に侵入させてきた。
 「唯?さっきから手も口も止まってるぞ?」
 自分の身体を弄られる方に神経がいって航さんのものには唯はただ手を添えるだけになっていた。
 口を開けて航さんを含もうとすれば航さんが唯の中に入れた指を動かしはじめて中を擦ってくる。

 「やぁん…そんな…されたら…で、きない…よぉ…」
 「なんだ…だらしないな…」
 くっと航さんが笑っているのが聞こえる。
 唯にしたらこんな格好だけでも恥ずかしいのに!
 「唯の中も柔らかくなってるな…」
 きゅっと足の付け根あたりに痺れが走る。

 「ああ、んっ」
 キス…?
 航さんの手は片方が唯の前を、もう片方が後ろを弄り、唇と舌があちこち舐めたりキスしたりしてる。
 「や……」
 もう自分が航さんのを舐める所じゃなくて身体から力が抜けそうだ。
 航さんの手や口が動く度にびくびくと身体が反応して腰が揺れてしまう。

 「もう力抜けそうだな…」
 くすりと航さんが笑って起き上がり、唯の体を掴んだと思ったら組み敷かれて、恥ずかしい格好から開放された。
 それはいいんだけど、結局唯は何も出来てない。
 こんなんで航さんは満足なのだろうか…?いっつも唯ばっかり気持ちよくなってるような気がするんだけど。

 「航さん…足りない…?」
 「ん?何が?」
 「だ、って…気持ちいいの僕ばっかり…だし…」
 「ばか…いいんだよ。俺がしたいんだから。それに俺は唯の中で出したいからそれでいいんだ。お前ばっかりってことはない。唯が拙いながらしてくれるのは嬉しいんだが…それされるとすぐに出そうになるからわざとさせないようにしてるだけだ」

 「そ…なの?」
 「そ」
 航さんがくっと笑って軽く唯にキスした。
 「だからいいんだ。唯が気持ちよけりゃ」
 「う…ん」
 何度もキスを交わしてそれだけでもぼうっとしてくるのはいつもの事だ。身体中どこもかしこも気持ちよくなってきてしまう。

 航さんのキスが首や鎖骨辺りでもきゅっと強くなる。
 痕をいっぱいつけると航さんが言っていたようにあちこちにつけていくらしい。
 そして航さんの顔が移動していって胸の突起を口に食まれる。

 甘く噛まれ、舌で転がされ…、今までは飾り物でしかなかったそこから甘い痺れが身体に走るようになったのは航さんが弄るようになってからだ。航さんの舌先が飴を舐めるようにおいしそうに転がし、そしてちゅっと吸われるとぷくりと立ち上がりさらに過敏に感じてくる。

 身体が疼く…。
 もっと直接的な刺激が欲しくて腰をくねらせれば航さんがくっと意地悪な笑みを見せた。
 「焦れったいか?」
 「ん…そ、んな…」
 うっすらと目を開けると航さんが舌を突き出して唯の乳首を美味そうに舐めているのが目に入った。紅い舌が目に官能を刺激してくる。

 「あ、んんっ」
 航さんの手が唯の前に触れた。
 「…随分感じてたらしいな…たらたらと零して…」
 唯の零した透明な雫が擦られるとぬちりと音がした。

 「ほら…やらしい音がする」
 「いい、から…言わないで…」
 どうして航さんは恥ずかしい事ばっかり言うんだろう。もう何も分からない位にぐちゃぐちゃにしてくれればいいのに航さんはわざとゆっくりしていちいち唯に確認するように言葉を発してくるんだから…。
 
 
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