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追憶の彼方には戻らない 156

 身体がイきすぎて気を失いそうだ…。
 何度も何度も航さんが追い討ちをかけるように唯の身体を余す所なくキスして痕を残して追い立てた。
 「も…無理…出ない…」
 航さんがまだ一回も出してないのに唯はもう何度も達して、それでなくとも体力ないのも自覚してるのにへろへろだ。

 「仕方ないな…さすがに俺もかなりキツイから…」
 さんざん弄られた後ろはローションを塗った航さんをするりとなんなく受け入れる。
 「あ、あああぁっ…」
 指とは全然違う質感と充溢感に唯の背中が仰け反った。
 「…いいんだ?」
 「んっ!…いい……航さんが…いい…」

 やっぱり航さんと繋がっていると満たされる感の包まれる。
 身体も心も全部が航さんと繋がって一つに溶け合っているかんじだ。
 「唯…動くぞ」
 航さんは今まで我慢していた分だろうか、性急に腰を突き動かして来た。
 「あ、ぁ…ん…はぁ…」

 さんざん航さんの好きにさせられた身体はもうすっかり航さんを受け入れるのが当然の様になっていて、苦しさもなく快感だけが包む。
 「今日はもう中もとろとろだな…長い時間弄ってたからか…?全然苦しそうでもないし…絡み付いて…すぐイかされそうだな」
 航さんが苦笑しながら唯の中を激しく衝いてきた。

 「いい…早く…」
 航さんもイって…と唯がきゅっと後ろを締めると航さんが中でびくんと大きくなったと思ったらどくりと迸りを放った。
 どくどくと注ぎ込まれるのを感じると航さんが荒い息と一緒にはぁと大きく溜息を吐き出した。
 「マジか…」
 「ん、ん…?」
 「イかされた…この…」
 イったばかりの航さんがそのままゆっくりとまた律動を始める。

 「航さん…イったのに…大きいよ…?」
 「唯の中が良すぎるからだろ」
 だろ、って言われても…。
 身体を大きく揺さぶられながら航さんが唯の中を穿つ。
 もうすっかりあっという間に航さんは元通りに力を取り戻していた。

 「唯…」
 航さんの声がセクシーだ。大人の男の色気ってこんななんだ、と唯はぞくりと肌が戦慄く。
 汗と体液にまみれた身体がまだ官能を訴えてくる。
 あっという間にイってしまった航さんが今度は唯の中のいい所を衝いてさらに唯を追い立てる。
 唯はさっき出した時もほんの少しで薄くなったものになっていて絶対もう出ないと思うのに身体はまだ快感に支配されたいらしい。

 「も…無理だよ…航さん…」
 声も絶え絶えというように力がない。
 堕ちそう…と思いながらもまだかろうじて意識を保っている。
 かろうじて、だ。
 「こ、うさん…」
 うわ言の様に航さんを呼び、航さんが唯の感じる場所を衝けば反射的に身体が震える。

 「あ、ぁ…」
 もう身体が蕩けそうだ…ううん、溶けてるかも…。
 重くなってくる身体とは裏腹に航さんの屹立に中を擦られればもう快感だけの感覚が唯を包んでいく。
 「や…なんか……」
 大きな波が唯を包みそうだった。

 「航さぁん…ああぁ…」
 「唯…?イきそう…?」
 「ん……なんか…はぁ…ぅんんっ…」
 航さんの首に重く感じる腕を巻きつけてしがみついた。
 「唯…」
 航さんが汗を滴らせながら唯の中を衝く。大きく腰を揺らし打ちつけながら唯も渦の中に巻き込まれそうだ。

 「こ……さん…やぁ……」
 さらに強い大きい快感が押し寄せてくる。
 「唯…」
 航さんがキスしながら激しく抽挿を繰り返し唯の奥深くをぐりと抉るように押し付けると航さんの熱い飛沫を身体の奥に感じ、そして唯にも今までにないような快感が襲った。

 「あ、ぁ……っ!」
 びくびくと身体を痙攣させるように震わせぎっしりと航さんの首にしがみ付き長く感じる快感を息を止めながら受け止めた。
 「ん、はぁっ…」
 それが過ぎ去ると大きく息を吐き出し、足りなくなった空気を取り込むように荒く息を繰り返した。

 「…唯?…いった…?」
 「ん…や…なんか……すご…かった……」
 「…出てないよな…?…ドライオーガズムか…?」
 ナニソレ?
 そんな事よりもう無理…。身体はもう動かないし、腕も動かせそうにない。

 「…寝ちゃう…」
 「いいよ寝て。ちゃんと綺麗にしとくから」
 航さんがくすりと笑いながらキスしてくれて、それを感じながら唯は意識を手放した。
 
 
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