さっき尾崎は女のほうが、って言ってた。男の自分のこんな声なんか聞きたくないんじゃ…?…と克巳は自分の口を押さえる。
「克巳?」
今更遅い気もするけど、少しでも尾崎が萎えないように、と声を我慢する。
「…………何してる?」
広げられた脚の間にいた尾崎が顔を上げると顔を克巳の上半身に戻してきて、後ろを弄っていない手が克巳の口を塞いだ手を外した。
「だ、って…声」
「?」
尾崎が不思議そうな顔で克巳を見て頭を捻った。
「おざ…祐介…は女のほうが、って…」
「…は?」
「さっき言っただろッ」
「言ったけど…」
はぁと尾崎が溜息を吐き出し、そして軽く克巳にキスした。
「あのね…好きなのはキミなんだから関係ないでしょ?ただ抱くのと訳が違うんだから」
…何が違うのか?
分からないという顔を克巳がすると尾崎が自嘲の表情を浮べる。
「好きな子がよがってる声がダメなはずないでしょう?…まったく…何を言うのかと思えば…」
そう…か?
「声…嫌にならない?」
「なるわけないです。もっと感じて声出して、ねだって?いくらでもね」
「……そ、れは…」
ねだる、は無理な気がする…。
「この間ちゃんと言ってたでしょう?入れてって、動いてって」
「し、しら…ない…」
「ちゃんと言ってましたよ?ああ…半分は言わせてた…かな?正確には」
かぁっと克巳が記憶にない事を言われて動揺する。
「とても可愛かった。無意識に誘って腰を押し付けてもっととねだられて…」
やめろ!と克巳はぎゅっとめを閉じて耳を塞ぐ。
「…そんな恥かしがるとこも可愛いけど」
くっと尾崎が笑いながら克巳の耳にキスして、さらに指は克巳の中を蠢いている。
「あ、ぅんっ」
指の圧迫感がさらに増えた。
「痛くない?早く克巳の中に入りたくて…」
「…たく…ない。いい…から…」
そんなに気遣わなくていい。尾崎が欲しいと思ってくれるなら。
「よくない。克巳を傷つけたいわけじゃないですからね」
丁寧に尾崎の指は克巳の中をほぐしていく。さらにキスしながら首筋にキスして、舐めてを繰り返し、さらにぷくりと尖った胸の先を食んだ。
「ここも立ってる。可愛くね」
そんなとこ弄っても…と思うのにじんと身体がしびれてくる。どこもかしこも身体中尾崎に触れられている所がおかしくなりそうだ。
なんでこんな身体になってしまったのか。
もういいからこのもどかしい、恥ずかしいのを通り越して何もかも分からなくなる位にぐちゃぐちゃにして欲しい。その方が恥かしくない気がしてしまう。
「いいからっ…ゆ…すけの…」
「…欲しい?」
「んッ」
指を引き抜かれ熱いものを後ろに押し当てられた。
ゆっくりと尾崎の大きくそそり立ったものが克巳の中に入ってくる。
「あ、ああぁっ」
「…力抜いて…」
尾崎も苦しそうに声を絞る。
「深呼吸して…そう…」
克巳の呼吸に合わせてゆっくりと尾崎の屹立が克巳の中に埋まっていく。苦しいのに、それでも好きな男が自分を欲しいと中に入ってくる感覚に満足感を覚えてしまう。
「克巳…可愛い」
尾崎の手が克巳の髪を撫でながら軽いキスを繰り返す。何度も。
克巳も自分から尾崎の広い背に手を回してしがみついた。克巳の細い体がすっぽりと包まれる位に尾崎が広い胸だ。
いくら細いといっても男なのに…それでも尾崎は欲しいと克巳の中に納まっている滾ったものが訴えている。
「んんぁっ」
ゆっくり入ってきた尾崎が腰を動かし始める。
「ああ…本当はもっとゆっくりしたいんだけど…我慢きかない…」
「いい…っ」
尾崎が克巳の顔や首やあちこちにキスしながら腰を穿ってきた。
「克巳も感じてるんだ?前触ってないのに勃ってる…」
尾崎の声が嬉しそうに弾んでるのは錯覚じゃないはず。
「克巳も感じて」
感じている。これ以上ない位に。身体中のどこもかしこも尾崎でいっぱいなんだから感じないはずはない。
「お、ざき…も…いい…?」
「名前って言ってる…でしょ」
荒い息と一緒に尾崎が苦笑を漏らす。
「イイに決まってる…もう…イきそう」
「いい…っ…は、やく…」
さっきだって自分だけがイかせられたんだから。
「…一回じゃ済まない、しね」
尾崎は汗を滲ませ熱い息を漏らしながら克巳の身体を激しく揺り動かし抽挿を繰り返す。
「余裕…ないな…」
くっと笑いながら漏らす尾崎に克巳は後ろを締め上げた。
「コラ」
「あっんん!」
どくりと尾崎が克巳の中で弾けた。
「……はぁ…どこでそんなの覚えてくるんですか…」
荒い息で尾崎が呆れたような声を漏らす。
「ったく…」
尾崎の頭が克巳の額をにつんと頭突きしてきた。
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