いいんだ…。
何されてもいいのは尾崎だけなんだから…。
どうしてここまで思ってしまえるのか本当に自分でも分からない。初めて好きになったから何もかもが熱病に冒されているかのようにそう思えてしまうんだろうか…?
でもきっともうこんな風に尾崎以外に感じる事はないとも思う。
これから先の事など自分だって知らないけれど、今まで生きてきて初めて満たされる感覚だった。
唯くんと出会えた事で仲間意識は持てた。けれどそれとも全然違うのだから。
ぎしぎしとベッドが揺れる位に激しく身体を揺すられる。尾崎は本能が求めるままといった感じで克巳を穿っていた。
隠されるよりずっといい。
「ゆ…すけ…」
声がたどたどしくなってしまう。
「痛い…?」
「いい…」
丁寧にしてくれた前と違って荒々しい行為だがこれが尾崎の本質なのだろう。ずっとひた隠しにしていた…。
克巳が首を小さく横に振りながら尾崎の背中にしがみついた。
爪を立て痛みと苦しさにに耐える。そしてその奥から官能がじわりと這い上がってくるんだ。
どこもかしこも愛おしい。
尾崎はこんな剥き出しの自分を見せたくはないのかもしれない。だからこそ胡散臭い仮面を被っていたんだと思う。
馬鹿だな…と克巳は苦しさから眦から涙が零れた。
「克巳…」
心配そうな尾崎の声に苦笑した。
「大丈夫…そんなヤワじゃない」
「しかし…」
「いい…もっと…」
じわじわと快感の渦が痛みと苦しさを包んで無くしていこうとしている。
「…本当に…煽られて…困る」
「いい。本当のアンタの方がずっと野生的でいいよ」
目に獲物を狙う獣のような色が見えている。
「…またそんな事を…」
「あ、あああっ」
克巳の腰を大きな手が捕まえ深く克巳の中を抉ってくれば克巳は喉を曝け出して大きく声を漏らしてしまう。
野生の獣のような目だ。綺麗だ、と思う。
いつもは銀縁の眼鏡で隠されて飼われて従順なフリをしているのに一度牙を剥けばこんな男だったのか…。
克巳は笑ってしまいそうだった。この男がこんなに単純に自分を欲しているんだ。
「祐介…」
名前を呼べば短く声をあげますますヒートしていくように腰を突き上げてくる。
荒い息を漏らしながら噛み付くようにキスして唾液を交わらせ克巳もそれを享受する。
舌を絡ませ貪られ、口端から処理しきれなくなった唾液を滴らせ、獣に身体を預けて自分も快楽に溺れる。
「はや…くっ…」
もっといっぱい見せろ。
隠した部分なんて些細な事だ。こんな事位で離してなんかやらない。
額から汗を垂らし、いつもはセットされた髪までもが野生にかえったように乱れている。
筋肉に覆われた身体からは熱が蒸発していく様が見えそうなくらいに熱くなっている。克巳の中を穿つ尾崎の楔も熱い。
克巳の身体全部に尾崎の熱が伝わってきて、それが克巳の身体にまで伝わってきて克巳をも熱くしていくようだ。
尾崎は腰を打ちつけ深く激しい抽挿を繰り返した。
痛みでじんじんしていた場所は麻痺したみたいに別の快感を訴え、克巳の前が素直に反応している尾崎は克巳の反応に勿論とっくに気づいて律動を繰り返している。電気が走るかのように特に感じる場所を分かってそこを執拗な位に穿てられればもう身体は蕩けてしまいそうだ。
「いい…んだ…?」
「んっ…いい、から…はや、く…イき……たいっ…」
「ああ…克巳」
尾崎がキスを繰り返してくれる。その尾崎に瞳には熱情と激しい恋情と安寧が交じったような不思議な複雑な色が浮かんでいるように見えた。
ただの獣のようにではない愛情が確かに存在している。そうじゃなかったら克巳だって勿論受け入れるはずはない。全てが尾崎だから受け入れられるんだ。
自分が恋に盲目になるなんて…。
ぎゅうっと尾崎の背中にしがみついた。
「ば…っか…締め……んっ」
尾崎が短い声を上げる。その官能にまみれた声と額に汗を浮べた男のイき顔と自分の奥に熱い迸りを感じて克巳も欲望の証を弾けさせた。
「んんあぁっ…」
尾崎に爪をたてしがみつきぶるりと震える。
荒い息を漏らしながら尾崎がキスを何度も繰り返し、そしてふぅと深く溜息を吐き出すと克巳の上で力を抜いて覆いかぶさって来た。
「……重いよ」
「……参った」
くっと肩を揺らしている。どうやら笑っているらしい。
「克巳…俺の事嫌いになってない…?」
「ないけど?」
ぎゅうっと尾崎が克巳の身体を力いっぱい抱きしめてきた。
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