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熱吐息 ancora~もう一度~6

 「宗……」
 ずっと持っていた宗から渡されたお金。
 保険の様に瑞希の着替えの部屋に押し込められていたお金を出してきた。
 「返す…」
 もう必要ない、と思える。
 宗は外で不用意に瑞希との仲を吹聴して回る事はしないけれど、宗の大事な身の回りの人は皆瑞希との事を知っている。
 「……なんで?」
 宗が隣に来い、と手で瑞希の腕を掴んでソファに座らせられた。
 「…もう、いらない……それともやっぱり宗は俺、買った方がいい?」
 「……いいわけない。買えないし」
 宗が瑞希の唇を啄ばんだ。
 もう数え切れないほど身体を重ねた。
 「宗…飽きない…?」
 「は?お前にか?……残念だけど飽きないな。最近ますますいいし。俺のがもたなくて大変なくらいだ。……お前の方こそ物足りないんじゃないか?」
 「そ、そんな事、ないっ」
 瑞希の頬がかっと熱くなる。
 「宗……俺で、いいの…?だって俺の方年上だし……」
 「別にそこ気にするとこと違うだろ。実際は年上だけど、瑞希可愛いから問題ない」
 「……可愛い、はないと思うけど」
 宗の手が瑞希の服を剥いでいく。
 「そ、宗……?」
 「ん?何?……瑞希は金なくたって俺のものだろ?」
 「当たり前、でしょ。でもまだ午前中……」
 「いいだろ。誰も来ない…瑞希の全部…見せて、よこせ」
 「……もう知ってる…でしょ」
 宗の唇が瑞希の喉を吸い上げるともう従順な瑞希の身体は官能が走ってしまう。
 「ぁ……」
 だめだと思ってもすぐに宗にされれば身体は宗が欲しくなってしまう。
 「宗……」
 「ん?…欲しいんだろ?」
 「……ん……欲しい……」
 「お前一番始めっから欲しい、だもんな…」
 「だって……宗、かっこいいし……」
 「そういう俺も男なんて絶対抱けるかと思ってたのにな…。お前に入れたくて仕方なかった」
 宗の手が裸にした瑞希の身体を辿っていく。
 「あ、あぁ……」
 宗の手が動く度、唇が動く度一段と瑞希の身体に熱が籠もっていく。
 「すぐ反応する…」
 宗がくっと笑って瑞希の起ちあがったものを手で包み、そして口で覆う。
 「やぁっ…」
 「や、じゃないだろ?」
 「ん……いいっ…宗……っ」
 宗の舌が瑞希をさらに追い立ててくれば全身快感で蕩けてしまいそうになる。
 「や、だめ……っ!……宗っ……一人、やだ……」
 「いいから。イくとこ見せて?」
 「や、ぁっ……」
 宗の手の動きが早くなってくればもうすぐに瑞希は出したくて仕方なくなってしまう。
 こんなにやらしくなるなんて思ってもみなかった。
 いつも瑞希から宗をねだってしまう。
 今だってもう宗が欲しい。
 早く、宗が感じたくて腰がくねってくる。
 「欲しい…?」
 「ほし……。宗、じゃなきゃ……やだ…」
 「当たり前だ。瑞希、指舐めて」
 宗が瑞希の口に自分の中指を突き出してくるのを瑞希は丁寧にそれを舐めた。
 唾液を絡ませ舌を動かして丹念に舐める。
 「瑞希、やらしい…」
 くすくすと宗が笑う。
 「わざとでしょ?」
 そんな事ない、けど…。
 その間も宗の片手は瑞希を捕まえている。
 「や、だめ……早く…」
 宗が瑞希の口から指を抜き取り舌を絡めてきて、瑞希の舐めた指が後孔に入ってくる。
 もう柔らかくなってるそこはすぐに宗の指を飲み込んで内壁を擦られれば快感が広がっていく。
 「…足らないみたいだね?締め付けてくるし」
 「足んない……宗…来てっ」
 「仕方ないな…本当はもっとイタズラしてたいのに…」
 指が抜かれて宗の大きく怒張したものが宛がわれればもう身体は次にくる快感に震えそうになる。
 「ほんと、いつも瑞希の言いなりになるしかないよな…」
 「あ、ああぁっ」
 宗が入ってくる。
 いつも宗が中にいると安心する。
 「宗っ」
 ぎゅっと宗の首に腕を巻きつけて抱きついた。
 肌が気持ちいい。他人の肌なんて宗しか知らない。
 抱いてくれるのも宗だけ。
 何でも、全部与えてくれるのは宗だけ。
 家族も愛情も肌の温かさも全部だ。
 「宗っ……好き…」
 「ああ。俺も好きだ。…全部受け止めてやるから」
 全部好き。全部…。
 
 
 
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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