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追憶の彼方から放されたい 116

 「まさかこんな積極的に克巳からされるなんて…」
 だって…本当に嫌だったんだ。
 触れられるのも見られるのも、尾崎にだったら自分が恥ずかしいだけで、嫌だなんて思わないのに…。
 「怪我もいいもんですね」
 尾崎がどこか楽しそうな口調でそんな事をいう。

 「ばか…そんな事言うな。怪我なんか嫌だ…」
 尾崎の勃ち上がったものに手を添え、口を離して注意する。尾崎の肩から血が流れているのが分かった時は本当に動揺したんだ。それに肩だったからよかったけどもし万が一頭や胸だったら…。
 「克巳を守るのは俺の仕事ですからね。大丈夫」

 何の確信を持って大丈夫なんて言うのか。
 この…と思いながら口腔の奥深くまで尾崎を咥える。
 「…そのまま頭を上下に動かして…ん…そう…」
 はぁ、と尾崎が克巳の後ろを弄りながら声を漏らしている。いいんだ?感じるんだ?と思えばだるくなりそうな顎でも頑張る。

 「…よすぎ…」
 「あ、んんっ!」
 尾崎の指が克巳の後ろに冷たいローションと一緒に中に入ってきたと思ったら中をかき混ぜてくる。
 「克巳がそんなに頑張ったら出ちゃいますよ」
 「いいッ」
 「よくない。…ああ…今日はゴム装着しないと…中を洗ってあげられないから…」

 尾崎は余裕があるのかそんな事をぶつぶつと呟いている。
 克巳はもういっぱいいっぱいになってるのに!
 「きもち…よく、ない?」
 「いえ、よすぎるから余計な事考えてるんです。なにしろ視覚的にもキますからね…。こんなとこ…誰にも見せた事ないでしょう?」
 ぐいと尾崎が指を増やして克巳の中に入れてくる。

 「んんっ…あるわけ…ないだ、ろ!」
 「俺にだけです。この先もずっと…ここは俺だけ知っていればいい」
 「尾崎だけで、いい…」
 「……可愛い事ばかり言うんだから…」
 「ん…なぁ?…もう…いい…?」
 早くぐちゃぐちゃにして欲しい。
 夢中になって嫌な事は全部忘れたい。

 「…自分で入れられる…?」
 「ん」
 尾崎が指を抜いたので克巳は身体の向きを変えると腰を移動させた。
 尾崎の中心を押さえながら字分の後ろに宛がい身体を沈めようとする。
 「んん…キツ…」 
 「ゆっくり…」
 尾崎の顔が心なしか緩んで見える。

 「なんで…笑ってるんだよ」
 「嬉しいから。克巳がこんなに求めてくれてたなんて…帰れって言って悪かったな、と反省中だったんです」
 「…嘘だ」
 「嘘じゃないですけどね」
 「ん、んぅ…」

 自分の体重の重みで少しずつ尾崎を呑み込んでいくのが如実に自分に伝わってくる。
 身体の中が満たされいっぱいになっていく。
 「帰れって…言われて…尾崎はもう…嫌になったんだ…って」
 「そんなわけないでしょ。そんな中途半端な思いだったらキミのお父さんに言ってませんけど?」
 あ、そういえば父親に知られてたんだ…と今更思い出すが今はどうでもいい。とにかく今は尾崎を感じたい。

 「ん、あっ」
 尾崎が手を伸ばして克巳の身体をさわりと撫でてきた。
 「触られたのはこの辺?」
 「ん!そ…う……もっと…触って…」
 おぞましく感じたのにそれが尾崎の手だと甘い痺れに変わる。
 「ここは?」
 「…ない」
 きゅっと乳首を摘まれて克巳は首を横に振った。

 「ん!」
 尾崎を咥えた後ろが広がっているのが自分でも分かる。そして尾崎の手は克巳の肌をゆっくりと触れ、克巳の感じたおぞけさを浄化させるように撫でている。
 さっき風呂場で克巳がなぞった場所を尾崎の手がゆっくりと移動していく。
 「しっかり感じてますね…」
 尾崎の手が克巳のしっかり勃ちあがっている中心に触れた。

 「だ、め…」
 「ダメじゃなくていいでしょう?自分から跨って感じてるなんて…。克巳…自分で動いて」
 尾崎が熱い息を漏らしながら囁く。目を開ければ尾崎の目には欲情している熱っぽさを感じさらに克巳は自分まで官能を感じてしまう。
 「んッ」
 克巳は尾崎の足に手をかけ腰をゆっくりと浮かすと尾崎の屹立が自分の内壁が擦れ、そしてまた自分で腰を沈める。

 「ん…く…」
 自分のタイミングで余計に尾崎を感じる気がしてしまう。
 「おざ、き…」
 でももどかしい。尾崎に力強く衝いて欲しい。でもそれ以上に尾崎にも気持ちよくなって欲しい。自分だって欲しいし与えたいのだ。
 克巳は積極的に腰を動かし始める。

 「尾崎…いい…?」
 「…勿論…克巳」
 尾崎が克巳に手を広げてきて、克巳は傷に触らないように上体を倒すとキスをしながら尾崎の腕が克巳の身体を抱きしめてくれた。
 
 
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