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ライオンとウサギ 12

ウサギ

 本当に…抱かれる…?
 さっきの風呂上りのバスローブの下にあった獅王くんの身体を目にして体が疼いた。
 細身かと思っていたのに結構いい身体だった。
 いや、電車の中でも肩幅も広かったし、雪兎の体がすっぽりと腕の中に入るような感じなのは分かっていたけれど。

 ドキドキと期待と緊張に胸が高まってくる。
 こんなに緊張するのは初めてかもしれない。それに初めての年下相手というのもあるかも。
 でも獅王くんは年下でもどこか大人の余裕みたいな所を感じる。…というか人を気遣える、のだろうか?
 自分の欲求というよりも雪兎の欲求を受け入れられて、の方が多い気がする。
 それに見た目は軽そうだけど確かに言動にも軽いところは一つもない。

 あとは…髪が…。
 いつも金茶の髪をまるで鬣の様に立てていたけれどシャワーの後はさらりと垂れていて…それが物凄くカッコよかった。湿った髪質もどれも雪兎の欲を刺激するようだった。
 外見はかなり好きらしい…と改めて確認してしまった。

 勿論外見だけで付き合ったって合わなければ続くことはないけれど、かっこいいにこした事はないと思う。
 あんなカッコイイ子とセックスできるならかなりラッキーなのかも…。
 白いバスローブ姿でさえモデルの撮影のようにかっこよかった。つい何度も何度も見てしまうくらい。
 獅王くんは気づかなかったのか、それとも気づいても大人の対応で知らんふりしたのか。

 念入りに身体を洗ってシャワーを止める。
 ドキドキとさらに胸が高鳴ってきた。
 果たして獅王くんはちゃんと自分の身体に反応するだろうか?男の体に萎えないだろうか…?
 そこがかなり不安だが…。
 そんな事をうだうだと考えても先延ばしになるだけなので意を決して自分もバスローブを羽織ると雪兎は風呂場を出た。

 獅王くんはリビングのソファに座ったままで、バスローブを羽織って出た雪兎をじっと視線で追ってきた。
 その視線を避けるように冷蔵庫に行きピールの缶を取り出した。
 ワインはほとんどを獅王くんが飲んで、本当に酒には強いらしく顔色の変化もなかった。雪兎は一杯のワインでも密かに身体が火照っていたのに。
 いやワインだけのせいでもないのかもしれないが…。

 「獅王くんも…ビールいる?」 
 「いえ」
 プルトップを開け、くぴりとビールを嚥下しながら問うと獅王くんは小さく首を横に振った。
 「雪兎さんの飲み残しでいです。ワインも一杯だけでも多いようだったし、500mlも缶多いでしょ?」
 「…まぁ…」
 見栄を張って500の缶を開けたけど確かにワインも少し飲んだ後では多い。

 未成年のはずの彼にそんな事を言われるのが少しばかりばつが悪い気もするが本当の事なので缶を持ったままソファに近づきそれを獅王くんに渡した。
 「もういいの?」
 「…いい。一口だけでいいから…」
 ビールよりも別なものが欲しい。

 獅王くんの視線はじっと雪兎に注がれていたが雪兎の差し出したビールを獅王くんは受け取ると一気に飲み干す。
 雪兎もじっとそんな彼に視線を注いだ。
 見た目からでも未成年に見えないし大人びている。くいと手の甲で口を拭う仕草が雪兎の欲望を刺激してくる位にセクシャルに見えた。

 欲しいと思ってくれているだろうか…?
 降りた前髪の奥から獅王くんのはしばみ色の瞳が熱を孕んで雪兎を見ていた。
 「雪兎さん…いいの…?」
 飲み終えた缶をローテーブルに置き、獅王くんの前に立っていた雪兎の手をそっと獅王くんが握った。
 どきりと大きく心臓が跳ねる。

 獅王くんの下ろされた前髪の奥から目が欲情を見せ、声にも滲ませているのが分かり、雪兎の身体も期待に熱を帯びてくる。
 いつもは柔らかな雰囲気で貴公子然としている獅王くんが今は野性味を帯びている。そう、獲物を狙うライオンの様に。
 狙われているのはウサギの自分か。
 「いいよ…」
 小さく頷きながら答えるとぐいと獅王くんが雪兎の腕を引っ張った。

 「あ…っ」
 声を小さくあげたと思ったらもう獅王くんの腕の中に閉じ込められていた。
 そして雪兎の湿った髪の頭を大きな手で押さえられたと思ったらキスで唇を塞がれた。
 「んっ」
 すぐに舌が雪兎の舌を捕える。
 本当に食べられそうだ…と思う位の貪られるようなキスだ。
 口腔を獅王くんの舌が舐って味わうように舐めまわされる。

 「んっんっ」
 余裕のないようなキスにじわりと雪兎の体の芯に熱が籠もった。
 
 
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