ライオン
赤く色づいた唇にビールで濡れた唇が扇情的に目に映るともう我慢なんて無理だった。
貪るように舌を絡め吸うと雪兎さんの煽るような官能の声が獅王をさらに攻め立てていくようだった。
雪兎さんとの初キスはビール味…。
なんとなくそこが微妙な気もするけれど、ファーストキスでもないのだからいいか、とも思う。
湿った艶やかな黒髪を撫でながら細い体を抱けば、もう雪兎さんを捕らえるだけだ。
「んんっ…ここで…じゃなく…て」
雪兎さんが声を出してはっとした。ついがっついてソファに押し倒していたのだ。
「…すみません。寝室は?」
本当にいただいてしまってもいいのだろうか、と思いながら問えば雪兎さんはほほをピンクに染めてあっち、と指で指し示した。
「抱っこしていい?」
細い雪兎さんの体なら軽々と抱けるはず。聞くと雪兎さんは驚いた顔を見せながらも次の瞬間には耳まで赤くして小さく頷いた。
そっと抱き上げると獅王の首に雪兎さんが腕を回してきて、その瞬間にバスローブの肌蹴た前から薄いピンク色の乳首が見えれば一気に下半身に熱が集中してきたのを感じた。
興奮してる。
…しかもかなり。
力任せに滅茶苦茶にしてしまいそうで怖くなるがもう我慢なんて出来そうもない。
そんな事考えながらも雪兎さんの指示どうりに廊下に出るとくすくすと雪兎さんが楽しそうに笑い出した。
「お姫様抱っこなんて初めて」
「…そう?」
楽しそうにしながらさらにぎゅっと獅王に抱きついてきて獅王も腕にさらに力を込めた。
「重い?」
「そうでもないですけど?部屋移動位ならね。このままでずっと駅まで歩けとか言われたらキツいです」
「そんな事言わないけど!」
さらにくすくすと笑い出す雪兎さんが可愛い。お姫様抱っこが気に入ったらしい様子に獅王の激しい性の衝動が少しばかり治まってくる。
遊びでもと言ってたし、待つのが嫌だとも言っていた雪兎さんはあまり甘い付き合いはしてなかったのだろうか…?
でもこんな抱っこだけで喜んでいるらしい様子を見れば嫌いじゃないらしいし、寂しいのも嫌だと言っていたし甘いのは嫌いではないのでは…?
ぐっと雪兎さんを抱き寄せながら軽く耳にちゅっと音を鳴らしながらキスするとぶわっと雪兎さんが真っ赤になった。
「な、何してっ…」
「キス」
…なんか物凄く可愛い反応だ。
耳や頬にわざと音を立てながら軽くキスするとやめろ、と恥かしそうに手で顔を覆っている。
…ヤバい…マジで可愛すぎる…。
「そこの部屋!」
「開けて?」
獅王の腕は雪兎を抱いているし、とそうねだると雪兎さんが手を伸ばしてドアを開けた。
「電気もつけて?」
「……生意気だな」
そんな事言いながらも雪兎さんは抱っこされたまま部屋に入るとスイッチに手を伸ばして電気をつける。
「……ベッド大きめですね」
部屋にはどんとダブルサイズのベッドが置かれていた。だれかとここで過ごしたのだろうか?と一瞬穿った思いが過ぎるが余計な事は考えるな、と自分に言い聞かせた。
リビングもそうだが寝室も全体的に物自体は少ない。あるのは本が多い。
図書館で働いている位だから当然の事ながら本が好きなのだろう。
そっと大きなベッドに雪兎さんの体を下ろした。
帰って来た時にしたのか、毎日してるのか知らないけれど、ベッドは綺麗にメーキングされている。
「…本当に…いい…?」
ベッドに横たわった雪兎さんにゆっくりと圧し掛かりながら聞くと雪兎さんが仄かに頬をピンク色に上気させたまま顔を横に背けた。
「獅王くんのほうこそ…男の体で本当に欲情する…?」
「…してますけど?」
もう獅王の前はすでに反応していた。豊満な胸でもなく、真っ平らな胸なのに、そこに飾りの様にある乳首を見ただけでしっかりと欲を主張している。
下も早く目にしたい位だ。
すんなりと伸びた足も雪兎さんの足は男であるのを忘れているように綺麗だ。
「…なんですね毛とかないの?」
「なんでって言われても!」
かっと雪兎さんがまた真っ赤になっている。
「髭もないよ!悪かったね!」
「いえ、全然悪くないですけど」
くすくすとつい笑ってしまった。
「どこもかしこも…綺麗」
うっとりとした様な声が出てしまうと雪兎さんはさらに照れたように身体を捩ってそっぽを向いてしまった。
そんな所も可愛くて、軽いキスをまた繰り返してしまう。
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