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ライオンとウサギ 16

ウサギ

 「もういい…から…っ…早く」
 荒い息遣いで途切れ途切れに言葉を漏らしながらも先を自分から求めた。

 キスも愛撫も全部が感じすぎて自分がおかしくなりそうだった。こんなに感じるのは初めてと言ってもいい位だ。
 頭の片隅でそんな冷静な事を考えているのに出る声も身体もいう事をきかない。腰を揺らして早く中に欲しいとねだる。
 「いい、の?…本当に…大丈夫かな…」
 獅王の少しばかり躊躇する声が聞こえる。

 「いいからっ」
 前も後ろも獅王の指に翻弄されてもう早く達きたくて…。
 キスを交わす舌さえも甘く感じるなんて。
 「やばいなぁ…でも我慢が…俺ももう無理…」
 「んんっ!いい…から…」
 はやく、ともう一度促す。
 指じゃ足りなくて。

 「雪兎さん…好き」
 獅王が雪兎の耳元に囁きながら大きく怒張した屹立を押し当てて来た。
 「んん…ゆ…っくり…し、て……はぁ、んんぅ!」
 久しぶりのオスの受け入れにみしりと後ろが拡がっていくのが自分でもわかる。獅王はゆっくりゆっくりと少しずつ身体を進めてきた。

 よかった…。
 どうやら萎えなかったたらしい獅王の中心は萎えない所がさらにさっきよりも質感が増している気がする。
 「う……雪兎さん…大丈夫…?」
 気遣うような獅王くんの声。
 「へ、いき…」
 「…雪兎さんの中…す、っげ…いい……イきそう」
 獅王くんの上気して掠れている声が色っぽい。

 「いいよ…イって…」
 「よくない。ダメ…入れたばっかなのに…ぅ……締めちゃダメだって」
 きゅっと力を入れると獅王くんが呻いた。いっぱい感じて獅王くんが夢中になればいいのに。
 でも雪兎は自分がずるいという事は分かっている。好きと言ってくれた獅王くんに雪兎は言葉を何一つ返していないのだ。

 でも獅王くんはそれに対して何も求めてこない。何て思っているのだろう…?
 好き、なんて言葉は初めて付き合った高校生以来使った事などない。
 自分ばかりが夢中になっていたあの時以来。
 今まで雪兎の事を好きと言って付き合った相手にも誰一人にも言葉を返した事はなかった。
 自分は好きじゃない…。ただ付き合えればそれでいい。
 そのスタンスが一番自分が楽なんだ。

 「雪兎さん…」
 獅王くんがキスしながらゆっくりと奥まで入ってくる。
 「ふか…い…獅王の……お、っきい…あ、あぁ、んっ」
 どくんとまた雪兎の中の獅王くんが反応して質感が増す。
 「そんな事言っちゃダメだって…やばい…止まんないだけど…動いていい…?」
 「んっ…いっぱい…して…あ、はぁんっ!」

 ズッ、と獅王くんが腰を引くと内壁が擦れる。
 「あぁっ!そこ…っ…いいっ…」
 「ん…分かってます…ここだよね?ちゃんと届いてる?」
 「ん!ん!」
 がくがくと雪兎が頷くと獅王くんはさっき指で覚えた場所を屹立で突いて刺激してくる。

 「雪兎さんの中が収縮して絡んでくる…マジでもたないって…」
 「いい!から…早く…」
 「えっろ…」
 自分からも腰を振って獅王くんを促せば獅王くんは息を荒くしながら腰を打ちつけてきた。
 「く…」
 声を色っぽく漏らすのもいい。淡々とされたら自分の立つ瀬がないから。

 雪兎が声を出して腰を揺らせばそれだけで獅王くんは刺激されるらしく律動が激しくなってくる。もっと夢中になればいい。その間雪兎は寂しくないから…。
 でもきっとその内に飽きられてある日獅王くんははたと現実に戻るんだ。きっと。
 …男相手に何してるんだろうと気づいて去っていくんだ。
 今までの相手がそうだったように。
 今だけ、今だけだ…。

 「もっと…衝いてっ…奥…」
 嬌声を上げ獅王くんを煽る。
 「ん…雪兎さん」
 獅王くんの腕が雪兎の腰を抱きさらに激しく律動を繰り返し、肉のぶつかる音を響かせて打ち付けてくる。
 「あ、ああんっ」
 「いい?…雪兎さん…も」
 「いい!もっと…」

 貪欲に求めると獅王くんがもう達きそうと切羽詰った声を漏らす。
 「いって…出してっ!中に…」
 獅王くんの首にぎゅうっと抱きつきながらさらに求めると獅王くんは出口を求めて雪兎の奥を衝いてきた。
 激しく身体を揺さぶられ、雪兎もまたそれに合わせて腰を揺らす。

 「あ、ぁ…もう…」
 「雪兎さんもいく?」
 「いくっ…あ、ああぁ……!」
 ふるふると身体を震わせびくびくと白濁を解き放つと中で獅王くんのモノもどくどくと脈打つのが分かった。
 

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