デコレイトするといった三塚の顔は何かを企んでいる顔だった。
「凪、洋服にもチョコついてるから脱がないと」
「え?あ、うん」
三塚が手を伸ばしてきて凪から服を剥いでしまう。ヒーターはついているし寒いという事もないからいいけど。
「お風呂用意して…あ、でもその前に片付け…」
何しろ床も粉やココアパウダーも落ちてるしチョコも垂れている。
本当にどうしてこんなに汚れてしまったのか…。
「いいです。俺が後でしますから」
「でもっ」
散らかしたのは凪だ。
「ほら、凪こんな所にも」
「え?あっ!」
どうやったらそんなところまで…。
鎖骨の下あたりにもチョコがついている。
「凪についた分は全部俺が舐めてあげる」
「い、い、いいよっ」
もしかして…デコレイトって…ざっと凪の顔色が変わった。
「このチョコ使っていいんでしょう?」
「で、も!」
「全部綺麗にいただきますから。折角凪が用意してくれたんですから…勿体無い」
「全然勿体無くない!」
三塚の使うようなクーベルチュールのチョコなら分かるけど!市販の何百円かのチョコなのに!しかも失敗の。
「勿体無いですよ」
三塚がボウルに手を伸ばして突っ込み、そしてその指を凪の口に持ってくる。
「あ…垂れて…」
ぽたりと凪の肌に落ちる。
「零した分は俺が綺麗に舐めとりますから」
「…そ、そ…ういう…事…?」
「そういう事って?どういう事?」
三塚がにこやかだ。
だから…その…。
「あの…」
どう答えたらいいのか分からなくて凪の視線が彷徨ってしまう。
「あ、あれ…折角出来たの冷蔵庫にしまっておかないと!」
「あとで。出来上がったばかりでしょう?まだ荒熱取れてませんよ」
う…と凪が言葉に詰まってしまう。
「凪、逃げない」
だって…!
凪がもたもたとしながら三塚の手から逃れようとするけれど三塚のチョコに汚れた手がわざとだろう、凪の腕を掴む。
さっき凪の手を舐めた三塚の舌がエッチくさくてそれを思い出してしまえば凪はかぁっと顔が熱くなってくる。
「凪の後ろにも塗ってあげますね。それを舐めて綺麗にしてあげる」
「いいっ!」
「遠慮しない」
遠慮じゃなくて!そりゃここまでキッチンが汚れちゃったら今更チョコが飛び散ったってそう変わりはないだろうけど。
「凪が自分にチョコ塗って待っててくれれば勿論俺はとびつくのに。これから毎年それでいいですからね?」
「し!しない!」
「して?お手本見せてあげる?」
「あ、ぁっ!やぁん!」
また三塚がチョコを掬い凪の胸に垂らす。
べたべたとした感覚がぞくりとしてくる。
そして垂れ落ちそうになるそれを三塚が舐め、そしてそのまま乳首も食まれた。
「んんぅ…」
「さきっちょ尖ってる。ちょっと感じた?」
「だ、だって…」
体のあちこちにチョコがついて凪はどこにも触れる事が出来ない状態になっている。手にも体にも。
「三塚ぁ…」
「俺に掴まって」
「でもスーツ…」
「いいですそんなの。もう今更でしょう?」
すでに三塚のスーツにもあちこちついてるけど。
「でも一応脱いで…」
「ウォッシャブルなんで洗えば平気。気にしないで」
そうは言われても安心できなくて汚れないようにとなるべく気にしながら三塚のスーツの上着に手をかけると仕方ないと言わんばかりに三塚を上着を脱ぎ、ネクタイを外した。
「これでいい?」
ワイシャツならまだ…いいか、と凪は頷き力の抜けそうな体で三塚に抱きついた。
三塚はチョコを凪の身体に塗りつけながらそして舐め取っていく。
「んんっ」
どうしてこんな事に…!
三塚の片腕が凪の腰を支えているが、もう片方の手はチョコを凪に舐めさせたりと体につけたりとチョコ専用らしい。
「あま…い」
キスが全部チョコ味だ。
はぁと息を吐き出しながら囁くと三塚が凪の首筋をおいしそうに舐め、そしてきゅっと吸われる。
「んッ」
ぴりっとしたような感覚にキスマークをつけられたのだろう。それがさらにあちこちに広がっていく。
「凪…いつこんなの買ったの?」
「んん…?結構前…ちゃんと…できると思ったのに…三塚に内緒で…」
「可愛い事を!まさか凪から貰えるなんて思ってもいなかった。嬉しいです。しかも凪自身にチョコ飾りしていただけるとは!」
「そこは違うッ」
そんな事するつもりじゃなかったし!
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