ライオン
一緒にいるのは嫌ではないらしい。でも歓迎している風でもないのはどうしてなんだろう?
そこ等へんはちょっとちゃんと聞いてみてもいいかなぁ?
どこか遠慮したような所があるのはいただけない。
「レオ!聞いてる!?」
「あ、悪い。…聞いてなかった」
「あんたねぇ…」
姉の呆れた声にすみませんと謝った。
「いいよ、細かい事は信用してるし」
「一応はちゃんと聞きなさいよ。…それにしても急にやる気になったのはウサギさんっていう子のせい?」
「ああ?なんで…ってお袋に聞いたのか」
この間朝帰りした時にさらっと言ったのが姉まで筒抜けだったらしい。
バイトの説明に姉の会社まで来て説明を受けていたのに頭の中は雪兎さんでいっぱいになってしまってた。
「どんな子?」
「子…というか…年上でちゃんと社会人だし」
「あら!へぇ~。で?」
興味津々に聞いてくるその顔は噂好きのおばちゃんのようだ。
…そんな事言ったら殺されるから間違っても口にできないけれど。
「で…?…ああ、男だよ」
「はぁ!?マジ!?」
「マジです。綺麗で可愛くて…」
エロウサギ…とは雪兎さんの名誉の為に黙っておこう。
「あんたゲイじゃなかったよね?じゃバイ?」
「どうかな…?基本は女の子の方好きだと思うけど?雪兎さんは特別枠って感じ?」
「ユキト…ふぅん」
あ、名前言っちゃった。
「今度連れてらっしゃいよ!」
「あ、…服くれる?ユニセックスが売りだろ?雪兎さん似合うと思う」
「…綺麗で可愛いでユニセックス?」
「そう」
「モデルに…」
「あ、それはダメ。勿体無い」
「………」
姉が呆れ顔だ。別にどう思われてもいいけど。
「明日の撮影に連れてきなさいよ!」
「ダメ。明日は雪兎さんは仕事あるから無理です」
「サービス業なの?」
「うーん…どうなんだろう?公務員になるのかな…?よく分かんね。でもそのうちちゃんと紹介はするつもりだ」
「あ、本当に真面目に、なんだ?今まで付き合った子紹介とかされた記憶ないな」
「全然違う。ちょっとまだ俺浮かれ中なんだよね。ずっと片思いしてたから」
「あんたが片思い!!!アワネェ!」
「………」
げらげら笑われて一緒にいたスタッフさんは苦笑だ。
「レオくん、じゃあ明日はスタジオ入りが10時でお願いします」
「分かりました」
「あ、ネームレオでいいんでしょ?」
「ああ。そっちの方がいい」
獅王と呼ぶのは雪兎さんだけだ。
昨夜も可愛く雪兎さんは獅王の腕の中で眠って、朝目覚めた時も雪兎さんがすりよってきた。
朝方寒くなって無意識に熱を探して寄って来たんだろうけど。
可愛くて顔や頭にキスしてたら雪兎さんの目を覚まさせてしまった。
怒りもしなかったけど眠そうな顔でちょっとだけ不機嫌になった。人に起こされるのはどうやら嫌いらしい。
思い出しただけで顔が弛んでくる。一つ一つ知る事が増えていくだけで楽しい。
「わぁ~!やだやだ!やに下がった顔!」
「…ほっとけ」
「あんた社長に向かってそんな口きかないでよ?」
「今のは姉に向かってるんです。社長の時なら言いませんよ」
「あっそ」
姉はユニセックスのブランドのLASA-RUIの社長だ。元々は義兄がアパレル会社の経営をしてるんだけど、その系列に自分のデザインのブランド会社を立ち上げて今かなり名前が売れてきている。
いいけど、自分の名前の沙羅をラサにして子供の名前の類をそのまま使うってね…。人の事だからいいけど。
今までモデルをしろと言われてたのを断っていたのだが金になる短期バイトのつもりで引き受ける事にした。
「ウチの専属でいいのね?」
「いい。別に将来モデルになるわけじゃないし。それなりの金額もらえるなら文句ない。あと条件飲んでもらえれば」
「ああ、変則の休みね?基本は月曜入れないのと、月曜が祝日の時はその翌日だっけ?」
「そう」
「ははん。ユキトって子の休みと合わせてか」
「そうですけど?日曜が休みじゃないからろくにデートも出来なくて。あ、たまに日曜も休めるみたいだけど、そん時は俺も入れないから」
「…我が儘。ま、先にスケジュール組めば問題ないでしょう。毎日撮影あるわけじゃないし」
「よろしく。じゃ、まずは明日」
獅王が立ち上がると姉に手を振って送り出された。
姉の会社を出ると時間はまだ夕方4時過ぎだった。雪兎さんは仕事中だし…。
今日は行かないといったので仕方なく家に帰るか。
合鍵もらえないかと思ったんだけど、残念だがまだだ。さすがにそこまでは早いか、と獅王も苦笑を漏らし、足を駅に向けた。
※ コピ本に予約と何人かの方からメールいただいたのですが…
けどまだ、記事出してないので^^;
もう少しお待ち下さい~(><)ありがとうございます^^
今度の日曜(3/8)に記事出す予定です。またここにお知らせで書きますので^^;
ちょっとまた体調崩してて…こちらからまとめてお返事です(><)すみません…
たくさんのポチいつもありがとうございますm(__)m
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