ウサギ
獅王が有無を言わさず雪兎を寝室まで抱いてベッドに横にされた。
初めての日に横抱きにされたのを雪兎が喜んだからか獅王はまたもお姫様抱っこだ。
別にそんなにして欲しいと思ってるわけじゃないけど、まぁいいかと獅王のされるがままに任せる。
ベッドに横にされればすぐに獅王はキスしながら雪兎の服を剥いでいく。そして自分のもだ。
見かけよりもしっかりした身体を目にすればそれだけで前のセックスを思い出し身体が疼きそうになる。
それ位獅王とは身体の相性もいいのか感じまくるのだ。
「雪兎さん…寒くない?」
「平気だ。あと汗かくだろう?」
「でもお風呂入ってまたしますよ?」
「……また…?」
「そう。もう無理って位。いい?ウサギさんの性欲に負けないようにしないとね。満足させられなかったら捨てられちゃうかもしれないし?」
「……別に満足してる…けど」
「ホント?いつももっともっとってねだるから足りないのかと」
「…そんな事はない」
獅王が舌なめずりしてちらと赤い舌を覗かせると肉食獣に狙われた獲物みたいにどくどくと鼓動がしてくる。
ずっと年下なのにやっぱりどう見たって獅王はライオンで雪兎はウサギなのだろう。
敵いっこないと思う。
「…食べたい位可愛い」
獅王が肌を合わせ軽いキスを繰り返す。
雪兎が獲物と感じたのは間違いなかったらしい。すでに互いは一糸纏わず裸体を晒し、獅王は自分の屹立を雪兎のそれに擦りつけてきた。
「んっ」
半分勃ちあがってたものがそれとキスだけで完全に屹立してしまう。獅王とのセックスは気持ちがよくてどこも痺れそうになってしまう。こんなになるのも初めてだった。
どうしてだろう…?
そう思っても口にはせずに獅王の熱を追う。キスも手も熱も肌も全部が獅王に敏感に反応してしまう。
「ん…ふ…ぅ……」
自分からも腰を揺らし前を擦り合わせると獅王のキスを交わす息がますます熱くなっていく。
かっこいい顔だよなぁ…と見惚れる。精悍というよりは秀麗な顔だろうか。目元は切れ長で少しつり上がって、でもキツいイメージはない。
肩幅も胸板も広くて雪兎がすっぽり入る位で、手足が長くて腰が高い。外国人体型といえばそうなんだろう。同じ男のはずなのにどうしてこんなにも違うのか…?
でも雪兎が同じような背格好だったらきっと獅王は抱く気にもならないだろうからいいか、と苦笑する。
「ん?何?」
「え?ああ…俺が獅王みたいな身体してたらきっと獅王は抱く気にならなかったんだろうなと思って」
「え?…うーん……どうだろう…?断然雪兎さんには今の身体の方が似合うと思うけど…雪兎さんだったら…関係ないかも…」
「…え?」
「だってどこもかしこも可愛くて食べちゃいたい…。ホント。言ったでしょ?知れば知るほどって。今は雪兎さんの中身に夢中ですから。外見も好きですけど。だから思ってる事ちゃんと言って?何か言ったからって怒る事もないし、一緒に考えてクリアしてけばいいでしょ?一人で考えないで?」
「………」
雪兎に覆いかぶさったまま獅王は雪兎の頬を手で挟み笑みを浮べながら優しい声でそう言った。
「雪兎さん…好き」
ぎゅっと心臓を掴まれたように苦しくなる。
「今日も好きで、明日も好き」
雪兎は泣きたい気分になって顔を手で覆うと身体を捩って横を向いた。
「…雪兎さん…?」
今日も明日も好きを続けていけばずっと続くなんて絵空事だ。
でも獅王は今まで誰も与えてくれなかったこれからを与えてくれるのだろうか…?
「…泣いてるの?」
「泣いてない」
ぱっと手を離すとなんだ、と獅王ががっかりしたように呟いて雪兎の頬や瞼にキスしてくる。
「感動してくれたのかと思ったら…」
「そんな簡単に信用ならない」
「ひどいなぁ…こんなに好き好きが溢れてるのに」
獅王がくすくすと笑ってじゃらける。それに雪兎も自分から獅王の首に手を回した。
「まだ一週間にも満たないのに…」
「そうなんですよねぇ。それでこんなに好きが増えちゃってどうしようって感じなんですけど?」
「じゃあ後は減っていくんじゃないのか?」
「うーん…それはなさそうだと思うけどなぁ…そんな強がり言う雪兎さんも可愛いとか思っちゃうし」
「……バカ?」
「あ、ひどい…」
そんな事思ってなくて照れ隠しだ。そしてそれを獅王も分かってるんだからかえって恥かしくなってくる。
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