ウサギ
獅王のキスも手も気持ちいい。
言葉も好きを繰り返して言ってくれるのもこそばゆいけれど信じきられない雪兎にとっては正直嬉しい。
獅王の言う今日も明日もが続けば、は理想論だとは思うけれど、でも本当にそうして年月が過ぎて重なっていければ…そうなるのだろうか?
…終わりは来ない?
でも獅王は元々女の子が好きなのだろうし、結局男である自分とこの先もずっと一緒にいたって何も生産性はないし公に出来るわけでもないしで去っていくはずだ。
そこを割り切れればいいのに…。
割り切って今まで何人かと付き合ったけれどやっぱりそんな事を考えながらでは長く続くはずもないのだろう。
最初から期待もしなければいいんだ。
だけど…獅王がそんな事言うから…。
今までの相手は別に別れてもやっぱりそんなもんだ、と思えたが、獅王がもし女の子の方がいいとか、結婚するのに男じゃ、とかそれで去られたら…。
だから全部を信じちゃいけない。
「…獅王は…」
唇が離れてつっと細い糸が伝ったのが恥ずかしい。
そんなに夢中にキスを貪ったのだろうか。
「ん?」
「…あ、いや…なんでもない…」
何を言うつもりだったのだろう?捨てない?嫌いにならない?別れない?
…今そんな事を聞いて確認しても無意味だ。分かっていても確認したくなる位弱っているのだろうか…?
確かに…疲れているのかもしれない。
付き合った相手は何人もいたけど、ほとんどが身体だけが、欲望を吐き出すだけが目的みたいな感じだった。
自分も、相手も。
それでよかったはずなのに…。
獅王に告られた時だって獅王はかっこいいし、付き合ってる相手もちょうど切れてたしいいやと思って速攻でOKしたけれど、それがなんでこんなに雪兎の中に入ってきているのだろう?
誰にも言わなかった母親の事とかもいつの間にかさらりと口にしていたし、雪兎を抱えたまま寝るし。
なによりそれを許してる自分が信じられない。
「どうかした?」
獅王が雪兎の顔を覗きこんでくる。
「いや…自分でも分からない」
雪兎が小さく首を横に振った。
「いい。それよりも…何も考えられない位…ぐちゃぐちゃにしてくれるんだろう…?」
今は何も考えたくない。
自分から誘うようにそう口にして獅王に舌を突き出せば獅王はまたキスをしかけてくる。
それに獅王が応え舌を絡めると、雪兎は自分から腰を揺らし早く、と誘う。
後でまた後悔することになってもいい。今は獅王を早く感じたかった。獅王が飽きないうちに、いいと思っているうちに、今はまだ雪兎のものだ。
獅王が捨てないかぎりは…。
「早く…しろ」
「はいっ」
雪兎が煽れば獅王はさっきまで色々と話す余裕があったのが消えたのか、荒い息遣いで雪兎の身体を弄っていく。
それでいい…いまは、今日はまだ獅王は自分を欲しいと思っているから…。
大きく屹立している獅王のものに雪兎も手で触れる。触れるとさらにどくりと獅王のが脈打った。
「や…雪兎さん…出ちゃうって…」
「いい。出して」
「やです。中で出したい…」
「じゃあ早く…中にくれ」
「あああぁ…もう!…止まらないですからね!」
切羽詰ったような獅王の声にくすりと笑ってしまう。
「いいよ…明日は俺は休みだし…」
少々動けないような事になっても大丈夫だろう。
それよりも疼いているこのどうしようもない身体を鎮めて欲しい。獅王が欲しいと、雪兎の身体ももう訴えている。
それから獅王は宣言どおりに何度も雪兎を抱いた。風呂でぐちゃぐちゃになった力の抜けた体を洗いながらもまた抱きかかえてと、何度も。
雪兎の思考ももう何も考えられない位に、だ。
最後はもう堕ちるように意識を失い獅王に全部を預けるように眠りについた。
朝方近くになっていたのかもしれないけれど、それすらも雪兎は分からないまま意識を手放していた。
その方がいい。余計な事を何も考えなくていいから。
ただ獅王に包まれる温かな体温だけを感じて、今は眠りにつけるから。
先の事も不安も何も考える事も感じる事もなく、目の前の熱だけが本当の事だと思えるから。
一緒に眠るのはまだ三回なのに、確実にその温もりに慣れてきている。慣れちゃいけないと思いつつもその誘惑に勝てるはずもなく、自分から無意識に温かさを求めて体を摺り寄せれば獅王は必ず雪兎を腕に抱いてくれる。
それに安心してすっかり意識は手放してしまった。
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