ライオン
駅から雪兎さんの部屋までがすごく長く感じられた。
早く着いてほしくて無言で雪兎さんの腕を掴みながら早歩きで買い物もせずにマンションに真っ直ぐに向かう。
「獅王…」
雪兎さんは息をちょっと乱しながらも獅王のされるがままにしている。
こんな事して嫌われたりしたら、と思わないわけでもないが、何しろ我慢できそうにないんだ。
「雪兎さんっ」
「んんっ」
雪兎さんのマンションに着いて、雪兎さんが玄関の鍵を開け、そして足を入れた瞬間にはもう雪兎さんの体を抱きしめ、強引にキスしていた。
「ぁ…ぅんっ…」
舌を交わらせれば雪兎さんもすぐに絡ませてきて声を漏らし始める。
雪兎さんも待ってた…?
体を弄りながら抱きしめ、その抱き心地を味わう。
昨日抱きしめられなかった分が絶対的に足りないんだ。
「し、お…急ぎすぎ…」
唇をずらし雪兎さんが潤んだ瞳で目元のホクロを上気させ熱い息遣いで声を漏らせばもう獅王の体は素直に反応してしまう。
「ダメ。我慢できない…雪兎さんは…?」
外から帰って来て手が冷たくなっているけど雪兎さんのシャツを強引にスラックスから抜き、肌に直接触れる。
「あ!冷たいっ」
「すみません。雪兎さんも…手、俺の体であっためて?」
雪兎さんの手を着ていたパーカーの下に潜りこませると確かにひやりとして声が出そうになったが、それを我慢するとさわりと雪兎さんも獅王の体を撫で始める。
「雪兎さん…」
お互いの体を弄りながらまた獅王は雪兎の唇を塞いだ。
ダメ、もう…欲しい。
そう思いながら何度もキスして舌を絡め、そして熱くなってすでに勃ちあがった前を雪兎さんの体にこすりつけるようにするともじもじと雪兎さんも体を捩る。
「…雪兎さんは?…感じない…?」
すでに雪兎さんも勃っているのを知りながらわざと聞いてみれば雪兎さんが小さく意地悪だ、と呟きそれがまた獅王に火をつける。
「俺、もう…雪兎さんが欲しい…雪兎さんは?」
上目遣いで雪兎さんが獅王を見る。
「……して」
小さく可愛く雪兎さんに懇願されれば獅王はもう遠慮なんてしない。荒々しく唇を貪りながら雪兎さんのベルトを緩め手を雪兎さんの後ろに伸ばす。
「ここに…?」
濡れない場所だけれどそこを指でつつけば雪兎さんがびくんと体を震わせた。
「ん……ほし…」
「俺も…入れたい…雪兎さんがほしくてたまらない…好きなんです、ほんと…」
耳元に囁きながら耳を食めば雪兎さんが体をふるっとまた震わせた。
「もう…雪兎さんも感じてる…?」
「んん…」
ちがうと言わんばかりに雪兎さんが小さく首を振るけどもう片方の手でそっと前に手を伸ばせばもう前もしっかり勃ち上がっている。
「嘘つき。もう勃ってるでしょ」
「あ、んっ」
悩ましげな声を漏らし腰を揺らし始める雪兎さんはエロウサギさんに変身だ。
「雪兎さん…やらしい…」
雪兎さんは唇を紅くしてキスをねだってくる。その唇を啄ばみながら手で雪兎さんの小さな尻を揉み指で獅王を受け入れる場所をかすめ、その度に雪兎さんの体が感じて震えている。
「雪兎さん…感じてる」
「んっ…あ……」
唇を離さないまま囁きキスを何度も繰り返す。唾液が混じりあい雪兎さんの唇も濡れてくる。
そして早くと言わんばかりに雪兎さんの手も獅王の体を這い、服を脱がせようとしている。
「雪兎さん…こんなとこでするの…?」
意地悪く獅王が問えば雪兎さんがふるふると首を横に振った。
「や…外…聞こえる」
「俺はいいんだけど…」
やだ、と雪兎さんが首をふるので雪兎さんの体を抱き上げそのまま寝室に連れて行く。
「いつも…がっついててすみませんけど…」
「いい…早く…」
「欲しい?」
「ほし…い…」
雪兎さんもから言って欲しい。求めて欲しい。
キスを交わしながら言葉を誘導する。いつも雪兎さんはこうなっちゃえばいくらでも言ってくれるけど、それでも好きは言ってくれない。
それがもどかしいというのと、本当に好きではなく体だけなのだろうか?とも思ってしまう。
違う、と思いたいけれど…。
「しお…う…」
ベッドに寝かせ性急に雪兎さんの衣類を剥ぎ取っていくともう雪兎さんの息もあがっている。早くと視線が獅王を誘っていた。
「…だめ…」
やっぱ我慢なんて無理。
こんなに煽られちゃ獅王にだって余裕なくなるのは当たり前だ。
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