ライオン
好き、…と耳に雪兎さんの小さな声が響いた。
「好きです…。雪兎さん…好き」
「…ん」
照れたような雪兎さんの声にぐっと心が苦しくなる。
言ってくれた…ちゃんと。
「…雪兎さん…もう雪兎さんの事離しませんけど…いい?」
「…いい」
こくんと雪兎さんが獅王の腕の中で頷いているのが分かる。
「雪兎さんも…今日も明日も好きでいいの?」
「……いい」
小さな声だけどちゃんと返事してくれる。
恥ずかしいのか、顔を隠すようにしていた雪兎さんを離してちゃんと目を合わせれば、雪兎さんは耳や首まで真っ赤になっていた。
「…見るな」
ぷいと獅王から視線を外すのがまた可愛い。
「…なんでもない相手になら…いくらでも言えるのに…」
憮然とした表情でそんな事を言う。
「誰にももうそんな事言わないでください。俺だけにして?」
なんでもない相手って事はそれだけ獅王の事を本気で考えていてくれたって事なのか。
「雪兎さん…」
全身食べてしまいたい。
白い肌が上気してうすピンクに染まり、唇や乳首は紅色に染まっている。
それがまたエロいんだから困ったものだ。
「嬉しい…。…ね…?いつから?」
「…聞くな」
「聞きたい!」
さらに雪兎さんの反応が見たくてせっついてしまう。
すると知らない、と突っぱねられるかと思ったのに意外にも雪兎さんはちゃんと答えてくれるつもりなのか何度か口をぱくぱくさせ躊躇をみせた。
「…初めから…」
「…え?」
小さすぎる呟きに思わず獅王は聞き返す。
「初めから。俺だって獅王の事見てた、し。…じゃなかったら家に連れてこない…」
「……まじ…?」
「だって!獅王はかっこいいし!誰だって惹かれるのは当たりまえだ!」
怒ったように言うのは照れ隠しだろう。
「いや…まさか。誰だってって事はないでしょ」
現にバイトで一緒の子にそんな目で見られた事はない。
「ある!…でも浮気は許さない」
きりっと雪兎さんが獅王を睨んでくるけどそんなの可愛いだけだ。
「しません。誰もこんな欲しいと思わないですもん。雪兎さんだけ。こんなエロくて可愛い人いませんから」
ほんのちょっと何気ない行動や言動や表情だけで獅王を揺さぶるのは雪兎さんだけだ。
「雪兎さんも…俺だけにして…?」
「獅王だけ…だ」
一度言葉を出したら雪兎さんは積極的になったのか獅王の欲しかった言葉を惜しげもなく与えてくれる。
初めからなんて…、見てたなんて…。
「雪兎さん…雪兎さん…」
嬉しいと心が震えている。やっとこの人を手に入れる事が出来た。全部、心も体も。
「大事に食べますね。俺の獲物ですから」
「………そうしろ」
偉そうに雪兎さんが言うけれど態度は反対で物凄く可愛く照れているのが分かる。
「ずっとウサギさんの事手の中に入れてていい?掴まえてていい?」
「……いいって…言った」
キスを貪る。何度も何度も。舌と濃厚に絡ませて吸われて吸って。唾液を交わらせどちらのものかも分からない位に交じり合った唾液を雪兎さんが口端から零して恍惚とした表情を浮かべている。
「エロいなぁ…もっともっとエロい事していい…?」
「いいに決まってる」
決まってるんだ、と獅王はくすりと笑みを浮べながら雪兎さんの体に舌を這わせていった。
「ん…く……」
声を我慢出来ないのか雪兎さんは口を押さえながらも感じる声を漏らしていく。
その声に煽られてますます獅王の中心が滾ってくる。今すぐにでも雪兎さんの中に入りたい。入れて揺さぶって中に出したい。でもそうじゃなくてもう体が溶けそうな位に感じさせたくもある。
「いっぱい感じて…?気持ちいい?」
「ん!…いい…いっぱい…して」
セックスに関してはホント貪欲。今までの過去の男を思えば面白くはないけれど、初めからと言った言葉と家にまで入れてくれたのが特別という事を知っていればそこは我慢できる。
初めから好きだったから毎回感じすぎる位に感じてたのだろうか?獅王と同じように?
そこ等辺もあとで確認しよう、と思いながら今は雪兎さんの全部を味わうのが先だと自分と雪兎さんの欲求を満たすように獅王は舌を這わせ下肢を目指す。
手で紅くそまった乳首を捏ねるだけでも敏感な雪兎さんの体がびくびくと震えるのを見ながら嬉しさで獅王は心を持て余しそうになっていた。
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