ウサギ
自分が囚われていた事を言葉で解放してしまうともう雪兎の心を止めるものは無くなっていた。
欲しい。全部を。
こんなに貪欲に誰かを欲しいと思える日が来るなんて自分でも思ってもいなかった。
獅王のキスが雪兎の身体中に散って痕を残していく。
もっと…いつまでも、ずっと痕が残ってればいいのに…。
「しお…う…」
キスも欲しい、触って欲しい、抱きしめて、感じさせて…。
どうしよう…貪欲な思いしか出てこなくて自分でも困る。こんなに余裕がないのは初めてで…。
「…怖い…」
小さく声が漏れると獅王にも聞こえたのか獅王が動きを止めた。
「何が怖い?」
そして声を柔らかくさせて聞いてくる。
「…俺の事?」
「ちが…う。自分の中が…」
「雪兎さんの…?」
こんな強い想いが自分の中にまだあったなんて知らなかった。一度獅王に対しての気持ちを認めてしまったら止まらなくなってしまったらしい。
「しお……俺だけ…?」
こんな事自分から確かめるなんて…。
「雪兎さんだけ。だって雪兎さんは俺の獲物ですからね。可愛がって可愛がって離してあげない。…そんな俺でもいい?」
「…いい」
そう…ウサギはライオンの王に捕まってしまったんだ。逃げられるはずない。
くすっと思わず笑いを漏らしたら獅王が何?と聞いて来た。軽いキスをあちこちに繰り返しながらだ。
「くすぐったい…ん……っ……ライオンに捕まっちゃったんだ、と思って…」
「うん。可愛くて寂しんぼのウサギさんですからね。責任持って大事にします」
「ん…獅王…好き」
一度言葉に出したらもう箍が外れたように言葉が雪兎の中を渦巻いて、ぎゅっと獅王の首に抱きつけば獅王がくすぐったそうにして雪兎の耳にキスする。
「ね?…進めていい?もっと色々話もしたいんだけど…我慢できそうにない」
「あ、あ、んっ」
獅王の手が雪兎の勃ちあがってる前に触れた。
「雪兎さんもほら…さっきちょっと触っただけなのにこんなに濡れてる」
「だ、って…」
体が感じすぎる…から。
かっとして体を捩ろうとしたけれど上から獅王に押さえ込まれて自由に動かす事も出来ない。
「ごめん…なんかホントもう我慢出来ない位雪兎さんが欲しいんですけど…?」
「いいって言ってる」
雪兎だって欲しいと思っているのだからお互い様だ。
触って欲しくて出したくている前を獅王は離し、代わりに後ろに指を這わせた。もう片方の手は伸ばされチェストの引き出しからローションを取り出している。
「最初に連れて来られた日はベッドはダブルベッドだし、ローション完備だし、過去に男いた言われるし、どれだけここに連れ込んでたのかと思いましたけど…」
「してない!」
「うん…今はね…分かってる」
くすと獅王は笑いながら後ろにローションを垂らした。
「ねぇ、雪兎さん…」
「んっ…ん?」
ぐちゅぐちゅと後ろをかき回しながら獅王が話しかけてくる。膝を折り曲げられ後ろを獅王に晒しているみっともない姿だ。
「姉に会ってもらえます?」
「え?……はぁ?」
何?どういう事だ?
「紹介したいな、と思って」
驚いて目を見開き獅王を見れば獅王は照れた笑みを浮かべている。
いや!そこは照れるんじゃなくて!
「俺は男だぞ!何言ってる!」
反対されるに決まってるしそれで離されるような事になったらとてもじゃないけど耐えられない。
「あ、大丈夫。もうそこは言ってあるから」
事も無げに簡単に獅王は口にした。
「…え?……ちょ、ちょっと待て!」
獅王の手を止めさせようとして雪兎は獅王の体を引き離そうとしたけれど獅王はいう事をきかなくて後ろを弄る手は休めない。
「んんっ!…は……そこ…だめ」
もっとちゃんと聞きたいのに獅王の手が許してくれない。ぐりと雪兎の感じる敏感な場所を指で刺激されれば腰がもっとと貪欲に誘うようにうごいてしまう。
「ダメじゃなくていい、でしょう?」
くすっと獅王の余裕の声が聞こえる。
「や…も…っと……」
「うん…指じゃ足りない?」
「た…りない…獅王の……」
「俺の…何?」
獅王が意地悪に先を促す。
「獅王の…入れて…ほし……」
奥に、…入れて、衝いて、ぐちゃぐちゃにして欲しい。
「俺のエロウサギさんはほんとエロくて可愛い…」
獅王がくすりと笑いながらさらに指を増やして突いてくる。
「ちが…」
「ダメ。傷ついちゃうから。ちょっと我慢して?」
きゅっと後ろが何度も早くと先に進んで欲しくて窄まるけれど、獅王は決して無理な事はしなくて大事に大事にしてくれるのを感じた。
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