ウサギ
「何でも…?」
何でも言って、と獅王が雪兎の中に性急に侵入させながら言ってきた。
「うん。我慢してた事でもなんでも」
「足りない。寂しかった…。電話…切れるのやだ。帰ってくると一人で…やだった。獅王に…くっ付いてるって…聞くのも…やだった」
「くっ付いてる?」
「女の子……あぁ…達が…いっつも獅王と一緒にいるって…外人の子が…って…」
「ああ…」
親戚だって聞いてたけど、恋人であるはずの自分が出来ない事を獅王にされるのが嫌だった。
「うん…もっと言って?」
獅王がゆっくりと雪兎の中を擦りながら促す。
獅王が雪兎を俺のなのにって言ったけど、獅王だって雪兎のもののはず。
…でいいんだよな?
「獅王は…俺の?」
雪兎が確認の様に獅王に聞くと獅王は一瞬動きを全部止めると目を見開き、そして声を立てて笑った。
「勿論!俺は雪兎さんのものです」
「ん」
雪兎が頷くと獅王がくすくす笑いながら雪兎の背中に腕を回し、ぎゅっと抱きしめキスする。
「可愛い!好き…俺のウサギさん」
「…それ…絶対変だ…」
子供じゃないのに…ウサギさんとか。
「だって可愛い俺のウサギさんですもん」
「んっあ…」
ぐっと獅王の怒張が雪兎の奥に入ってくる。
「気持ちいい?」
「ん!」
「痛くない…?」
「いいから…早く…」
痛いか痛くないかよりも早く獅王の全部を感じたかった。ずっと足りなくて寂しかった心と体を満たされたくて雪兎から腰を揺らす。
「あ…やばいですってば!そんな事しちゃ!」
獅王が焦ったような声を出すけど待ってやらない。
「雪兎さん…俺だけでいい…?」
「え…?」
獅王が雪兎の腰に手を添え、ぐっと奥を穿ちながらそう聞いて来た。
「足りなくない?」
「ばかっ…しお…う…だけでいい……んんっ…獅王…だけが…ほし、い…あぁっ」
獅王と電話だけだった時も誰も欲しいとなんて思いもしなかった。だって雪兎の全部を満たしてくれるのは獅王だけなのだ。
「…俺…雪兎さんとこ帰って来ていい?」
「あ、たりまえ…っだっ…」
もう待たなくていい?
帰ってきて、という獅王の言葉にぎゅっと雪兎が獅王の首にしがみついた。
「雪兎さん」
そんな雪兎の心情を感じたのか獅王がさらに腰の律動を早めてくる。
「はぁんっ…やっ…」
「いやじゃないでしょ?いいんでしょう?」
「んん!いい…もっと!獅王っ…」
「うん…いっぱい雪兎さんの中に出しますね!ずっと溜まりっぱなしだったから…」
さっき出したばっかりなのにそんな事言う。
「無駄な我慢を強いちゃってごめんね?」
獅王が苦笑しながら雪兎の体を揺さぶり激しく衝いてくる。
そんな事ない、と今なら思える。こうして獅王がちゃんと戻ってきてくれたなら…不安がなかったとは言えないけれど、それでも信じて待つ事が出来たということは雪兎にとっては大きな進歩だ。
「いい…から…はや、く…」
「ん…雪兎さんの中がよくて…もうイきそ……雪兎さんは?」
「んっ!いっぱい…して…」
雪兎の内壁をいっぱいに拡げ獅王の抽挿が擦り衝いてくるのに雪兎の声も我慢できない。とにかく獅王を感じたくてしかたがない。はやく熱い飛沫を中に欲しくてきゅっと後ろを締めれば獅王が短く声を上げる。
「ああ…っ…雪兎さんっ……やばいって!そんな締めちゃ!」
獅王の感じてる官能に掠れた声が雪兎をも刺激する。獅王が自分で感じてくれるのが嬉しい。雪兎も獅王を感じられるのが嬉しい。
与えられるだけのセックスじゃなくて与える事も出来る、互いを感じられるセックスが気持ちいい。言葉も態度も気持ちも体も全部が獅王は雪兎を満たしてくれるのだ。
今までどんなに片寄ったセックスをしてきたかがよく分かってしまう。自分だけが好きだったという気持ちのセックスと体だけが欲しがったセックスと何もかもが違うんだ。
「獅王っ」
「んっ」
獅王が汗を滲ませながらさらに雪兎の中をかき乱し中を穿ち欲望も気持ちも満たしてくれる。
「い、く…っ」
「ん!…お、れも……」
獅王の手が雪兎の小さな乳首を抓り、刺激をさらに加え、キスで舌を深く絡めながらぐっと奥を衝かれ雪兎はびくびくと体を震わせると獅王もまた雪兎の中で欲を迸らせた。
びくびくと雪兎の中で獅王が震えきゅっとそれを搾り取るように雪兎の後ろが反応すればさらに獅王がびくびくと連鎖する。
荒い息を漏らしながら二人で苦笑してそしてキスを何度も何度も交わした。
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