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太陽と月の欠片 夏休み6

 「がっついてる、だろ?」
 「…どこが?」
 杉浦がきょとんとして大海を見た。その真っ黒の瞳が無垢に思える。
 「かっこわりぃ……」
 「そんな事、ない。いつも永瀬は俺にとっては眩しいから…」
 「…そう、か?……なぁ、名前呼んで?悠」
 「……大海……。恥かしいんだけど!」
 仄かに顔を染めながら呼んでくれる杉浦にへへと笑いが零れる。
 「あ~~~…だめだ…。杉浦…」
 大海は杉浦のTシャツに手をかけた。
 するりと肌に手を這わせながら服を剥ぎ取っていく。
 「永瀬も…」
 杉浦の手が大海のTシャツに触れる。
 「…まじで恥かしい」
 こつんと杉浦の額に自分の額をくっ付けた。
 「…ん」
 杉浦も小さく頷く。
 大海の前にいる杉浦はどこにも学校での杉浦はいない。それが無性に嬉しい。
 凛とした杉浦もいいけど、やっぱり可愛いのは特別で、それを見せるのが自分にだけとあれば嬉しいに決まってる。
 どうしようもない位に心が震えてる。
 「あ~……悠」
 「……なに?」
 「ちょうだい?」
 「……いい、って言ってる」
 「その、うまく、出来ないかも…だけど…」
 「…そんなの、関係ない」
 ふいと杉浦が顔を背けるのが可愛い。
 その首に唇を這わせる。
 手は身体の線を辿って。
 その度に杉浦の口から吐息が零れるのにまた煽られる。
 すでに自分自身は我慢の限界。
 「悠…」
 大海が名前を呼ぶと杉浦はぎゅっと大海に抱きついてくる。
 ウェストの短パンのゴムに触れてそれを下ろしていけばすでに杉浦も起ちあがっているのにほっとする。
 「お、れ…も」
 杉浦が小さく呟いて首に巻きついた腕を外そうとしたのにいいから、とそれを止めた。
 「だめだ。今触られたらすぐ出る…」
 「…そんな」
 「いいから」
 そっと杉浦のものに触れればひくんを反応してそれが恥かしいのかさらに顔を大海の首に埋めてくる。
 なんでこんなにやることなすこと可愛く思えてしまうのか。
 「や、俺も…すぐ…出る」
 「いいよ。出して」
 「やだに決まってるだろ!」
 「いいって。ほら」
 「ぁっ…」
 手を動かせば杉浦の息が熱く漏れる。
 「だ、め…って……な、がせ…っ」
 とろとろと杉浦から先走りが零れるのに満足して、それだけで自分もイきそうになってくる。
 光に教えて貰った潤滑剤を手に取って杉浦の後ろにとろりと流し、片方の手の中指を差し込んだ。
 「や、あぁ…」
 杉浦の肌が粟立ったのが分かった。
 前と後ろを同時に攻めれば杉浦の声が止まらない。
 必死に声を押し殺そうとする杉浦に声出していいから、と耳元で囁いてキスした。
 潤滑剤のおかげで痛くはないらしいのに光に感謝する。
 いやらしい音が響き、淫猥なその音に大海の興奮も止まらない。
 「いや、じゃない?」
 「…ないってば…永瀬……や……」
 浅い息が交じり合う。
 「…いいから、俺…だけ、なんて、やだから…」
 「だめ。我慢しなくていいから。……悠」
 「だ……め…っ!」
 耳元に名前を囁けば杉浦が身体を震わせ大海の手に吐露してしまう。
 「いやだ、恥かしい」
 ぎゅっと杉浦が抱きついてくるのが満足だ。
 「可愛い。……悠」
 「………ひ、ろ…うみ…」
 小さく呟く杉浦の声に我慢出来なくなって自分を後ろにあてがった。
 「あ、あぁっ……っ!」
 「わるい……我慢、できねぇ……」
 でも焦っちゃだめだ。
 でも早く中に入りたい。
 男の本能なのか気が急いてしまうがそこはちょっとだけ残ってる理性でどうにかするしかない。
 傷つけたくなんてない。
 でも欲しい。早く。
 「う、あっ……なが、せっ……。ひろ、うみ……っ!…謝ん、なっ」
 苦しそうな杉浦の声。でもそれさえも全部大海にとって煽っているようにしか思えない。
 「ちょっとずつ、する、から…」
 光が無理にすれば流血、と言ってたのを思い出す。
 苦しそうな杉浦の顔に心の中で謝りながらももう止まれない自分がいた。
 キスして口腔を嬲る。
 それで気を紛らわせてくれればいい。キスなんていくらでもする。
 だって大海はいつだってしたいし。
 それでも潤滑剤のおかげでどうにか杉浦の中に入れればあとはもう自分でもおかしくなったように無心で求めて、求めて果てていた。

 
 
 
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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