39 敦(ATSUSHI)
如がとんでもない事聞いてくるのに敦の頭の中がぐるぐる回ってる。
雑誌はクラスのヤツが押し付けてきたものでそこはまぁ、見たは見たけど。
目を潤ませてる如の顔はまじでヤバイ。
どんだけ理性保たれるか、なんてもう無理だ。
さっきだってキスして理性が飛びかかってたのに。
それが無防備で人のベッドに横になって、エロ本見て、怒って、目潤ませて、抱きついてきて、どうやったって理性保てるはずあるか!
さらにヌいてる、なんて如の口からそんなエロワードが出てくるなんて。
「……悪いけど、もう無理」
「あ、つし…?」
「煽った如が悪い。さんざん俺、言ったよね?好きだって。ゆきは?」
「し、らない…」
「なんで?じゃ、どうして怒ってンのさ?」
「しらねぇ、ってば…」
「ヌくの…?あれで?ヌくのはいっつも如のエロい顔浮べてだよ」
「そっ……」
敦が如の顔を見ながらそう言えば如が火を出しそうなほど真っ赤になってる。
眼鏡に手をかけて外してやる。
「ゆき……」
嫌か?と聞こうとしたけれど聞いたってもう止まれそうにない。
「もうダメだ。如、嫌だったら蹴ったぐってでも張り倒してでも逃げろ」
自分からはもう離してやれそうもない。
「そん、な……」
「ゆき…好きだ…」
如の頬を手で挟んで唇を重ねた。
如は逃げない。
「あ、つ、し……ぁ……」
うわ…そんな声…。
「ゆき……」
止まんねぇよ。
何度か交わしたキスでもう如の中に拒絶はないらしい。
小さく開いた口の中に舌をねじ込んで絡めると如の息が短く切れている。
「如だけなんだけど…?俺……欲しいの…」
「…うそ、だ……」
如の声が上擦っている。
如がテンバってるのが分かるけどもう止まれるはずない。
「嘘じゃねぇし…」
もう如のエロい顔に敦の勃ち上がったものはすでにはちきれそうになってる。
そういえば、如はどうなんだ…?
もう一度キスしながらそっと如の中心に手を這わせてみたら如のも大きくなっていた。
嫌じゃねぇんだ!
敦は心の中でブラヴォ~~~!!!と叫びたい気分になった。
「あつ、し……んっ……触んな……」
「なんで?いいだろ?如だって感じてんじゃん」
如がもじもじと身体を捩る。
でも上に敦が乗っかってるので勿論意味などないけど。
目を潤ませた真っ赤な顔が可愛くてもっと意地悪したくなる。
けど、ぜってぇ後からへそ曲げられるのも分かる事で、とりあえず意地悪は止めておくことにする。
如のいいようにしてやるのが先決だ。
「ゆき…」
パジャマ代わりのトレパンのウェストをずりさげていく。
「や……め……」
「やめねぇよ。ダメ」
如が敦の首に回していた腕を解いて慌ててウェストを押さえている。
本当なら朝学校であんな事があったんだからこういうことするべきじゃないのかもとも思うけど、だけどもう止まる事なんて出来ない。
「ゆき…」
目に涙を溜めて真っ赤になってる顔が可愛くて。
そして想像してたよりずっとエロい。
「あつしっ…」
女とキスしたことあるのに怒って、エロ本に怒って、こんな事されても嫌じゃないって事はそういう事だよな?
どう見たって嫌悪感は見えないし。本気で嫌がってねぇし。
「如…」
いつから好きの意味が変わったかなんて敦だって知らない。
初めて会った時からずっと如だけ好きだったから。
キスだってなんだって想像の相手は全部如だった。
やっと言えたのにふざけてる、なんて言われる始末だったけど。
泣きそうになってる顔。
でももう離してなんてやれない。
「ごめん、な……?」
そう言って如の唇に舌を這わして舐める。
全身全部嘗め回したい位だ。
「謝る位なら、すんな!……ボケっ!」
「へ?」
敦は思わず目が点になった。
なんとも男前な返事が如から返ってきて思わず固まったけど、すぐにふきだしてしまった。
「ゆきちゃ~ん……うん。謝んねぇよ…。かっけぇ。大好き」
ぶくくくと笑いながら真っ赤になってる如に何度もキスする。
如から好きの返事はないけど、いいって事だよな?
「如、今日部屋、帰んないでね?一緒にいて?」
如はきっと一人になりたくないんだ。朝の事がきっと思い出されて。
「いて、やる…よっ」
如の顔のあちこちに何度もキスを降らせた。
テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学