はのんのBL部屋

60　　　敦(ATSUSHI)


　「ゆ、ゆ、ゆき、ちゃんっ！……も、一回…言って？ね！お願い！ちゃんと聞いてなかったし」
　「………何を？知らねぇよ」
　「そんな事言わないでっ！……つうか、我慢もしなくていいっても言ったよね！？」
　「……そんな事言ったか？」
　知んねぇ、と如が空っとぼける。
　「ゆきっ！」
　今度は敦が如の上に乗って如を見下ろした。
　薄暗いので細かな表情までなんて見えない。けれどきっと如の顔は真っ赤になっているんだろう。
　「敦は言わなくたって俺の事なんて分かってるだろ」
　「分かんねぇよ！だって我慢しなくていいなんて、知らなかったし…。ねぇ、如……ホントに…？」
　「………確認なんかすんじゃねぇよ！バカッ」
　小さく如が囁いた。
　「如…。好きだよ…」
　軽く唇を重ねた。
　「…知ってる」
　「ホントにいいの？」
　「この…まだ言うのか！？」
　「だって俺、約束守れてねぇし」
　「別に俺がいいんだからいいんだよ！」
　「如！…やっぱカッケェ！」
　敦は如の上でくくっと笑った。
　「我慢してた俺、やっぱバカ？」
　「…バカだろ。……でも分かってる、から」
　「うん…。俺…如に拒否られんのヤダから…。一番怖ぇんだ」
　如が敦の頬に手をかけてそのまま髪まで撫ぜる。
　「…拒否、なんて、しねぇ、から」
　「ゆきっ」
　敦は急いたように如のＴシャツを捲くり、脱がせると首筋に舌を這わせる。
　「…っく……」　
　小さく如の声が漏れるともう敦は夢中になって如の身体中に手を這わせ舌を這わせる。
　「あ、つし……ゃ……」
　「ごめ……もう我慢が……だって毎日キスばっかで…いや、キスも好きだけど…」
　「バ、カ……」
　「うん…。ね、明日休みだしいっぱいしていい…？」
　「…ふ、ざけるなっ！いい気になんじゃねぇよ！動けなかったらマズイだろぅが！…前ん時だって結構ダルかったのに」
　「今度はちゃんと焦んないから！…1回じゃ足んねぇもん」
　喋りながらも敦の手は如の身体の上を動いていく。
　「あっ！敦…ダメだ…」
　「え？なんで？」
　敦の手がちゃんと如も感じているかと確認の為に如自身に触れると如が敦の手を押さえた。
　「だって……すぐ…」
　ふいと如が顔を背けたのが分かった。けど、暗くて全然見えない。
　絶対真っ赤になってて可愛いはずなのに！
　「すぐイっちゃいそう？」
　こくこくと頷いているのが分かる。
　「いいよ…俺も絶対そうだし…」
　ウェストから手を突っ込み、如の勃ちあがったものをさわりと触れ、動かすと如の身体がびくんと跳ねる。
　「あ…つし……」
　もうこの態度と上擦った如の声だけで敦なんてイきそうだ。
　「如…」
　キスして如を扱くとすぐに如が達った。それを手で受け止める。
　「如も溜まってたんだ…？」
　そう呟いたら腹にパンチを食らった。
　「くっ……ゆきちゃん…痛いっすけど…？」
　「そ、そんな事口に出すんじゃない！」
　「だってほんとの事でしょ。もう…え？…ちょ……あの、ゆきさん？？」
　如の手が敦の大きく勃ち上がってるモノに触れてきたのに敦がうろたえた。
　「お前だってもう先濡れてんじゃん」
　ぐぅ、っと敦は息を飲んだ。
　そんなエロい言葉が出てきたらもうそれだけで我慢出来なさそうになる。
　「あ、あつ、しっ」
　如が敦を触ってる間に敦は如のズボンをずりさげて、如の後ろに手を這わせた。
　受け止めた如のものを後ろに塗りながら指を埋めていく。
　「ちゃんとほぐさないと、ね……ゆき…いいけど、マジでもうイきそうなんですけど…」
　「いいよ…」
　そう言いながら如も浅く息が漏れている。
　「ぁ……」
　如が声を我慢しているのにキスしてさらに指を増やしていく。
　もう前から1月以上も経ってるけど如の身体は拒絶もしていないのにほっとする。
　それどころかまた勃ちあがってきてるんだからイイってことだ。
　「如……好きだよ。ああ…言うの恥ずかしいなら俺も、でいいよ返事」
　「う、るさいっ！」
　まだ憎まれ口叩く余裕があるらしい。
　このあと敦は何度も何度も確かめるように如に好きだって言って、俺も、と言わせてやろうと誓った。
　
　
　

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学