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会長様は俺様閣下 22

22   翔太(SHOUTA)


 「風呂行くぞ」
 和臣に声をかけられて翔太は自分の着替えを取りに自分の部屋に行く。 
 和臣がいるのが分かっていればほんの少しの間だけなら離れても平気だ。
 走って急いで着替えを手にして戻ってくる。
 その間に和臣もすでに自分の着替えを持っていた。
 なんだかなぁ、とさすがに自分でも思ってしまう。
 恐くて、なんて情けない…。
 「翔太?」
 目の前に和臣の裸。
 もう見慣れたものだけど…。
 さっきセックスなんて言葉を聞かされて、男同士で出来るなんて言われて意識しないほうがおかしい。
 なんか急にとてつもなく恥かしくなってくる。
 なってくるけど、どうしたって一人で風呂入るなんて言葉は恐くて言えない。
 そそくさといつもと同じようにを心がけて風呂場に入った。
 
 いつも背中が恐くて仕方ない。
 でも和臣がいれば平気だ。
 湯船は広くて二人で入っても全然余裕だ。
 ほんと贅沢…。
 和臣は一条の跡取りなんだからまぁアリなんだろうけど…。
 湯船では二人入っても余裕なんだけどいつも和臣が翔太を背中から抱えるようにしてくれる。
 それに思わず翔太はほうっと息を吐き出した。
 この体勢が一番安心出来るからだ。
 「翔太、さっきのマワす、だが…」
 「あ、うん…」
 和臣の声が耳に響く。なんといっても和臣の顔は翔太のすぐ後ろにあるから。そしてお風呂場で声は小さくとも余計に響く。
 「輪姦の事だ」
 「…リンカン?………あっ…輪姦す…?」
 最初うまく漢字に変換出来なかったけどそれが分かった。
 分かったけど…その相手、が自分?
 「で、男のセックスはここを使う」
 そう言って翔太の腹に回されていた和臣の手が下に下りてきてどこに行くのかと思ったら翔太の股の間から後ろに指を伸ばされた。
 「え゛っっっ!!!」
 思わず驚いて腰を浮かした。
 「無理無理無理無理!!!」
 「……………無理じゃないだろう。世の中の男同士はそうしてんだろうから。女でだってするヤツだっている」
 「ええっ!マジで!?」
 嘘だ!と和臣の顔を振り返って見た。
 「ホント」
 つうか、何で和臣はそんな事知ってるんだ!?
 いいけど!和臣の手はまだ翔太のそこにいる。
 「…あ、の…和臣……その、手……が……」
 しかも前から手を後ろに伸ばしてるから微妙に翔太のモノに和臣の手が当たってくる。
 ヤバイ!ヤバイ!コレ絶対ヤバイ!!!
 「翔太」
 和臣の声のトーンが低くなった。
 「ちょ…和臣っ!」
 和臣の左腕は翔太の腹に回って抱きしめていて離れられない。
 そして和臣が翔太の後ろに当てた指がソコに触れた。
 「あっ!…」
 つぷりと和臣が指を入れてきた。
 「や…和臣…」
 しがみつくものが何もなくて思わず腹を押さえている和臣の腕に縋る。
 「ほら、入るだろ?まだ指一本だけどな。これでほぐしていって柔らかくすれば入る」
 「やぁっ…!」
 さらに中に入ってこようとする和臣の指に、身体が違和感を覚える。
 気持ち悪い。
 「やだ!やだ!なんか…出そう…な気が…やだって!」
 「大丈夫だ」
 何の自信があって和臣は大丈夫なんて言うんだ!?
 「翔太」
 きゅっと首の後ろに痛みを感じた。
 そしてそこを舐められてるのも分かった。
 なんでこんな事すんの?
 いや、翔太が分からなかったからだろうけど、別に口で教えてくれれば済む事だ。
 「和臣ぃ…」
 「ほら…もう指1本入った」
 「あっ!」
 くいっと中に刺激を感じて背中が仰け反った。
 「前も反応してるぞ?」
 くくっと和臣が笑った。
 だって和臣が触ってるから。
 腹を押さえていた腕が動いて翔太の半分勃ちあがったものに触れてくる。
 「出していいぞ?してやるから」
 「やだ!やだ!」
 そう言いながら翔太のモノは和臣の手に触れられて完全に勃ち上がってしまった。
 それを和臣の大きな手が包んでいる。
 こんなの初めてだ。
 こんなの…。
 「あ、あ……」
 「翔太。イっていいぞ?」
 「や、…」
 やなのに和臣に後ろも前も触れてもう何がなんだか分からなくなって。
 お湯がちゃぷちゃぷと音を出すのが妙に恥かしかった。
 「なんで…こんな……」
 「考えなくていいから…。気持ちいいだろ?出していい」
 「お湯……汚れる……」
 「いいから、気にするな…翔太」
 和臣が後ろから首にキスしてる。
 だからなんで?今までこんな事した事なかったのに…。
 そう思いながらも快感に身を任せて和臣の手にいいように操られて翔太はすぐに欲望を吐き出してしまった。

 
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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