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2012.08.25(土)
「んん~、やっぱ無理、かなぁ…」
怜が呟いてベッドから立ち上がった。その怜さんの前もその…。
「あの…怜さん…」
「ん?ああ、俺?いいよ。自分でするから」
自分でする、って…。
さらりと何でもない事のように言われて。
でも明羅はしてもらったわけで…。
「俺…」
「却下」
…がする、と言おうとしたら言い終える前に即却下された。
「絶対止まれなくなるからダメ」
「止まれない…?」
「そ」
怜はそのまま部屋を出て行ってしまった。
止まれないって事は…。
かぁっと明羅は顔が真っ赤になった。
全然考えてなかった。
自分があんまりそういう欲がなくて、全然思い当たっていなかった。
という事は怜さんは明羅をちゃんとそういう対象で見てたって事?
でも男同士ってどうするの?
明羅は首を捻った。
こんなの誰にも聞けないじゃないか!
怜さんは知ってる、のかな…?
オトナだから、知ってる…よね。きっと。
でも、だかっらて聞けるはずない。
まだ身体に怜の手の感触が残ってて自分では絶対味わえない感覚が残っている。
それにキス、した。
ジュ・トゥ・ヴはやっぱりそういう意味?
明羅の頭の中がぐるぐると回っている。
ベッドに座り込んで悩んでいると怜が戻ってきた。
「お前もシャワーしてくる?」
「い、行く…」
声が上擦ってしまう。
怜が笑ってた。
「明羅く~ん?」
怜がふざけて呼んだ。
「可愛かったよ?」
ベッドに座ってた明羅の耳元に怜が顔を近づけてきて囁き、そしてまたキスした。
「ん~~…やばいな…」
怜はクローゼットからTシャツを出して着るとそういいながら部屋を出て行こうとした。
一体どうしちゃったの…?
「おい、シャワーするなら早くいってきたら」
「あ、うん…」
なんか、恥かしいも何も考えられないんですけど…。
明羅は起き上がって浴室に行った。
シャワーしてると怜の手が思い出された。
「ぅわ…」
また熱がもってきそうになって慌ててシャワーを冷たくして身体を冷やす。
だって怜の手が…。
考えるとまた体が熱くなってきそうでふるふると頭を振った。
「あのさ…」
怜の声にひくっとソファに座っている明羅の身体が揺れる。
はぁ、と怜が嘆息した。
怜が動く度、声を出す度に明羅が反応する。
「……嫌だった?」
や、じゃない。
ぶんぶんと頭を振って否定する。
「…ならいいけど」
結局明羅は落ち着かなくて何も手がつかず、明羅はただ怜のピアノを聴いて時間を過ごして日曜日が終わってしまった。
ピアノが終わる頃にやっといつも通りに戻れたけど、それはもう帰る時間が近づいていて。
「…飯食ってからでいいだろ?送ってくの」
「…うん」
だって少しでも長くいたい。
「……一週間、長すぎる、よ」
明羅は顔を俯けた。
「お前と家の方がいいならいつでも来ていいぞ?」
「え?」
明羅は思わず怜の言葉に顔を上げた。
「電車、学校から一本だろ?もしくは連絡入れれば迎えに行ってやるし」
「迎えはいい…だって怜さん練習する、でしょ?」
「まぁな。音録らなきゃないからな。でも迎えくらいたいした時間じゃないだろ。」
「……ほんとに、いいの…?」
「当たり前だろ」
来ていいなんて、嬉しい。
「別に連絡わざわざ入れなくて来てもいいから。誰も来ないし、俺も多分用事がないかぎりは出かけない」
「……うん」
ソファに並んで座って話してたんだけど、腕にくっ付いていい、かな…?
明羅がそろりと怜の腕に抱きついたけど怜は何も言わないし、頭を撫でてくれた。
嬉しい…。
朝はびっくりしたけど。
ご飯を食べて帰る時間。
寂しいは寂しいけど先週と心情は全然違った。
「明羅」
玄関で靴を履き終えると立っていた怜に名前を呼ばれた。
「ん?なぁに?」
なんでこんなに怜さんにだけ甘ったれた口調なんだろう…?
怜さんが顔を近づけて軽くキスしてくれた。
かっと頬が熱くなる。
「電話も遠慮しなくていい」
「あ…」
明羅が迷っていたのを知っている…?
「メール入れれば俺からかけるから」
「……うん」
「遠慮しすぎだ。バカ」
「……うん。怜さんも、かけてくれる…?」
声聞きたいと思ってくれる?会いたいと思ってくれる?
本当はそう聞きたい。
「かけてただろ」
「…うん」
でも、もっともっとって思ってしまうんだ…。