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2012.08.30(木)
何度も何度も明羅を追い上げて欲望のまま明羅の中に精を放ち、細い身体の明羅は気を失うように眠ってしまった。
それなのにまだ足りないような気がして、こんなのは初めてだと苦笑がもれそうになった。
互いの汗と精液で身体もベッドもぐちゃぐちゃだ。明羅の中も綺麗にしてやらないと、と怜は眠っている明羅の身体を抱き上げた。
明羅の顔が歪んだ。
痛いのか…?
本来男を受け入れる器官ではないわけで。それでも丁寧にほぐしたつもりなのだが…。
明羅の白い肌にちらほらとうっ血の痕が見えて、勿論自分がつけたのだが、また熱を持ちそうになるのに首を振った。
風呂場で明羅を抱きかかえながら後孔に指を入れて丁寧に己の放ったそれを掻きだす。
赤く腫れてはいたが傷にはなっていないようで怜はほっと安心した。
安心はしたが、指を動かすと明羅が小さく甘い息を漏らすのにまたヤバくなってくる。
どうにか己の貪欲な欲望に打ち勝って明羅を再び寝室に連れて行くが、シーツが、これはまずい。
ベッドに足をかけて明羅の身体を支え、片手でシーツを剥ぎ取る。
明羅の身体を横たえてから新しいシーツを用意して、明羅を寝かせ、タオルケットをかけてやり、汚れたシーツを洗濯機に突っ込む。
我ながらマメだと思う。
どうやら明羅が生活能力がないらしいので丁度いいだろう。
それでも一緒に住んで洗い物は出来るようになったし、洗濯機も回せるようになった。いくらかは成長したのか?
しかし、音楽センスには怜はやはり怖さを感じる。
ジュ・トゥ・ヴ。
あんなに弾くのを嫌がっていたのは何が不満足なのか!?
音が怜に話しかけてくるように伝わってきた。
欲しい、欲しい。
あれでピアニストを諦めた?
呆れてしまう。
世のピアニストが恥ずかしくて仕方なくなるだろう演奏なのに。
「天才は分からん」
すやすやと安心したように眠る明羅の頬を撫でた。白くて肌理の細やかな肌。こいつは性別を間違って生まれてきたんだ、きっと…。
いや、今となっては男だろうが女だろうが桐生 明羅を放すつもりはないのだからどうでもいいことだ。
さて問題はどうやって明羅をここに連れ帰るか、だ。
真面目な明羅は学校があれば自分の家に帰っていく。
こっちは来るか来るかと待っているのにいつも肩透かしだ。
あの日、嘘、までではないがちょっとくそ面倒な女に苛立ってつい明羅にまで取り繕ったのが裏目に出て、あれはかなり焦った。
まさかあの場にいたとは。後ろめたい事は一つもなかったし、明羅も見ていたから分かってる、と言った。
ただ隠されたりとか、嘘が嫌だったのだ。
…可愛い。
思わず口角が緩む。
10も年下の恋人に自分で自分がおかしくなる。
この真面目で我慢強い子をどうやって怜の手の中にいれるか。
親もほぼいないんだから入りびたりになるだろうと思っていたのに来るのは週末だけ。下手すりゃ電話まで我慢するのだ。
これじゃどっちが年上か分からないくらいだろう。
だが放してやる気なんて毛頭なかった。
明羅を抱きしめたまま目覚めた。
まだ明羅はぐっすりと眠ったままでその唇にキスをして怜は起き上がり服を身に着けた。
歯磨きしながら洗濯機を回す。
時間はもう10時過ぎてた。
明羅を起こした方がいいのか逡巡してるとインターホンが鳴った。
土曜日に誰だ?と怪訝に思いながら門扉の映像をみると宗だった。
ボタンを押して門扉を開けてやる。
宗がここに来たのは初めてで、多分明羅のせいなのだろう。
何故か知らないがずっと明羅につきまとっているらしい。
いや、付きまとうまででもなさそうなのだが。
ナイトのような感じか?
だがそれだって怜は面白くはない。
明羅が再々言うように、宗と明羅は苦労しなくてもウィークデイのほとんどは学校があるために会うのだ。こちとら会えなくているのに。
心がせまいのは自覚してるがムカつくんだから仕方ない。
「なんか用か?」
玄関を開けて宗を迎えた。
「桐生、来てる?」
「いるが?」
分かっていて来ているだろうに。
「話がある。兄貴にも」
自分にも?怜は珍しい事だと片眉を上げた。
「まだ明羅が寝てる。入れ。起こすから」
怜は顎をくいと上げ、宗を中に入れた。