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翼を休めて。(前) 6

 「岳斗」
 千尋先輩の部屋に入り、エアコンを入れてすぐに岳斗は千尋先輩に抱きしめられた。
 「千尋、先輩……」
 煙草の仄かな香り。汗ばんだTシャツ。
 千尋先輩が岳斗を離すと岳斗のTシャツに手をかけた。
 「え?…あ、の…?」
 万歳して脱がせられる。
 そして千尋先輩は屈むと岳斗の胸の辺りに口を寄せた。
 「や!汗で…きたない、よ…」
 「きたなくねぇ」
 身体を押さえられながら強く吸われた。
 「や、ぁっ!」
 「岳斗は俺のモンだ。だろ?」
 「そ、…だよ…!」
 少しずつ部屋が冷えてきて汗が引いてくるけれど身体の熱はさらに熱くなっていく。
 「千尋先輩っ…」

 して、くれる…の?
 そのまま千尋先輩のベッドに倒され、千尋先輩が上に乗ると岳斗を見下ろした。
 「や…だって…明るい、よ!ま、だ…」
 時間はまだ3時頃のはず。
 「関係ねぇ。夜もする」
 「え?」
 「我慢してたんだから…1回でなんか済まねぇ。すぐにでも突っ込みてぇけど…それじゃ岳斗が動けなくなるだろうしな…」
 千尋先輩がかちゃっと岳斗のベルトを外してジーパンのジッパーを下げる。
 エアコンが効いてきて、汗の引いた身体からするりと脱がされた。
 「ち、ひろ…せん、ぱい……っ!」
 キスしながら千尋先輩も脱ぎ始める。

 Tシャツを脱げば平たい岳斗の身体と違う腕も胸も筋肉がついた身体。
 胸の二つの十字架が重なって小さくかしゃりと音を鳴らしている。
 キスされながら千尋先輩の指が岳斗の胸を弄くる。
 「あぁっ!んっ!」
 ぞくぞくと期待に敏感になった身体が快感を訴えた。
 「…いい声だ」
 乳首を摘まれ捏ねられれば、なんでそれだけなのに、オンナのように膨らみもないのにこんなに感じてしまうのか。
 「は、ずかしい…よッ!」
 岳斗の顔が真っ赤になると千尋先輩は満足そうな顔。
 「…カワイイ、な」

 は?誰が…?オレ…?
 くりくりとさらに弄くられて身体を捩るけれど千尋先輩の手はさらに摘んだり弾いたりを繰り返す。
 そして唇を寄せて突起を口に含まれ舌で転がされる。
 「やぁあ、んっ!」
 「や、じゃねぇ、だろ…?ほら…気持ちイイって言ってる」
 千尋先輩の手が岳斗の下半身に伸びてきて、すでに勃ちあがっている岳斗のモノに触れた。
 「千尋、先輩、は…?」
 勃って、る…?
 思わず心配になる。男のこんな身体に千尋先輩は欲情するんだろう、か…?

 「触ってみろ」
 千尋先輩の顔を見ながらそっと岳斗が手を伸ばすとはち切れんほどに大きく膨張していた。
 「お…きぃ…よ…」
 「ったりまえだ。……いいけど、煽るな」
 煽ってなんかないと思うけど…。
 千尋先輩の…。
 さわりと岳斗が手を動かすとびくんと千尋先輩の勃ちあがったそれが震えた。
 もっと…。
 手を動かすとさらに大きくなっていく。
 どうしよう、舐めたい、とか…。
 思わず思ってしまって顔が上気したのが自分でも分かった。

 「エロい顔になってる」
 千尋先輩が岳斗の顔を見てくっと笑った。
 「……な、……めて、いい…?」 
 恥ずかしい!!!と思いながらも小さく消えそうな声で聞いてみた。
 聞こえた、かな…?
 すると千尋先輩が岳斗の身体を起こしてくれた。
 …聞こえてたらしい。
 膝をついて千尋先輩のモノにそっと手で触れてから顔を近づけた。
 舌を出して先をちょっと舐めただけでふるっと震えたのが可愛くて。
 そっと口に含むとさらにびくんと反応したのに、もっと感じて欲しくて夢中になって岳斗が舐め始めた。

 だって、千尋先輩がオレで感じてる、なんて…。
 手で根元を動かし、口に深く含んで、舌で先を刺激して…。
 そして自分がそんな事をしているっていうだけでも岳斗も感じてしまう。
 その岳斗のモノを千尋先輩が触れるとくっと笑った。
 「先走りが出てる。舐めてるだけで感じるんだ?エロいな…」
 そんな、事…。
 「ぁ……ん、む……っ!」
 千尋先輩のものを頬張っているのでくぐもった声しか出ないけれど、千尋先輩が腕を伸ばして岳斗の後孔に指を侵入させてくる。
 「んっんんっ!」
 後ろに冷たいものを感じてびくんとお尻が揺れた。
 「ゼリーだ。大丈夫だから」
 千尋先輩がくすっと笑いながらそしてさらに指を深く入れてきた。
 ゼリーのおかげか全然痛くはない。痛くはない、けど…。
 ぐちゅぐちゅと音が聞こえるのに恥かしくて仕方ない。
 「エロい音する…」
 身体を捩って抗議するけれどますます千尋先輩の指は岳斗の中に深く入っていった。
  
 
 
  
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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