そのまま一緒に寝て、朝も一緒で、行ってらっしゃいと千尋先輩を見送るのに岳斗は悶えそうになる。
そして今日も家に、岳斗の所に帰ってきてくれるのだ。
嬉しすぎる。
頑張って今日もご飯の用意しちゃおう!と千尋先輩が行った後から動き出す事にした。
身体はかなりだるいけど!
そんな事言ってられないし、むしろそれが嬉しい。
そして風呂場の窓を開けようとした時に、その前にと鏡の前でそっとTシャツを捲ってみれば身体の、Tシャツの下で見えない所のあちこちに千尋先輩の残した赤黒い痣がいっぱい残ってて、か~っと岳斗の顔が熱くなってくる。
これを見て、昨夜のされた事を思い出しただけで心がぎゅっと感じてしまうのに頭を横に振って風呂場の窓を開けた。
だるい身体ながら掃除機かけたり、テーブル拭いたり、ゴミまとめたり、と大変だぁ、と思いながら動いて、ちょっと休んで携帯の千尋先輩の声聞いて、を繰り返しながら岳斗は千尋先輩の帰りを待った。
俺って甲斐甲斐しいかも!なんて自分に陶酔しつつ。
洗濯機を回して干す時に千尋先輩のTシャツがあるのが嬉しくて、ホントなんでこんなに好きなんだろ、と自分で突っ込みたくなる。
そういえば全然ベースを弾いている姿を見ていない。
見たいな、聞きたいな、と思うけれどLinxはもうないし、オールディーズとかもいいけれど、やっぱり違う、と思う。
でもそんな簡単にバンド組むなんて出来ないだろうし。
今ここで組んでも千尋先輩は東京に行くんだから意味がない。
やっぱりCDで我慢するしかないんだよな…とそこだけが岳斗はちょっと残念だ。
「岳斗、来週の火曜日バイト休みって言っただろ?どっか行くか?50’sはあるけど昼間のバイトは休んだから」
「行くっ!!!!!」
バイトから帰ってきてキスした後にシャワーを終えた千尋先輩に言われて思いっきり岳斗は頷いた。
「海岸線流してくるか」
「うんっ!」
あ、れ…?もしかして初めて、のデート…ってやつ?
前にバイクで遊びには連れて行ってもらったけど、それはこうなる前だからデートじゃない、はず。
思わず満面の笑みが出てしまうと千尋先輩がくくっと笑ってた。
「その後50’sでベースの助っ人入るから」
「え!?本当っっ!!!?行くっ!行くっ!行くっ!見たいっ!!!」
ベース弾いてるとこ見られるなら、聴けるならそれにこしたことは勿論ない!
岳斗は千尋先輩のTシャツを掴んで思いきり顔を紅潮させながら何回も頷いた。
すると千尋先輩が口端を上げ、岳斗の頭をくしゃっと撫でる。
「ホント…お前…」
「ん?」
「…いや……。明日は親帰ってくるんだろう?」
「………うん」
あっという間だ。
昨日はあんなに待ち遠しかったのに待ちに待った時間は過ぎるのが早い。
思わずしゅんとしてしまうと千尋先輩が屈んで岳斗の耳に口を近づけた。
「じゃあ今日は昨日ほどできないな…」
「なっ…」
また、するのっ!?
あんなに一番初めからは期間空いたのにっ。
昨日、あんなにした、のに!
言ってはなんだが、まだ後ろが千尋先輩にいっぱい擦られた所為でちょっと変な感じがするのに!
顔を真っ赤にしてちょっと抗議するような視線を千尋先輩に向ければ千尋先輩が肩を竦める。
「まだ酷い?」
「ちょ、ちょ、っと…は」
でも確かにあといつ出来るかって言ったら分からないから出来る時にしとかないと、ともちょっと思ってしまう。
「いっぱい舐めてやるから」
「や、…だ、から…なんで、そ、な事……」
ぺろと千尋先輩が岳斗の耳を舐めて食む。
「ぁう……んっ」
思わずぞくんとして声が出てしまい、思わず口を手で押さえた。
「…岳斗だってすぐ感じるし?」
「だ、だ、だ、ってっ!」
千尋先輩にそんな事言われてそんな事されたら…。
思わず上目遣いで睨むとただ笑われただけだった。
「カワイイな、お前…」
ぷっと千尋先輩にふきだされてもう!っと岳斗は耳まで真っ赤になる。
「千尋先輩はもう座って!ご飯っ!」
「はいはい」
片手を上げて大人しく千尋先輩が言う事を聞いたのにほっとした。
けれど千尋先輩の宣言どおりに、やっぱりいっぱい舐められて、喘がさられて、感じさせられて、またも千尋先輩の精を身体の中に注がれて、さらに恥ずかしい思いもまたさせられてしまった。
でも、勿論岳斗にとってはそれは嬉しい!でしかないんだ。
テーマ : 自作BL小説
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