千尋先輩のさっきまでベースを操っていた指が岳斗の中に埋め込まれる。
「やっ…そ、んな……」
「や、じゃないだろ…?ちゃんと歌聴いてた、か…?」
「聴いて、た…っ……」
「お前、あん時顔、真っ赤んなってただろ…?」
千尋先輩、見てたんだ…?
「…何思い出してた…?」
「ちが……ああぅっ!」
くいと中で指を折り曲げられ刺激されれば岳斗の腰が跳ねる。
「俺の指?」
くっと千尋先輩が笑って指の抽送を激しくする。
「や、ああっ!」
な、んで…分かる、の…?
声に出していなかったはずなのに千尋先輩は言葉を続けた。
「俺もお前を抱くの考えてたから…岳斗…」
「はっ…あ……ぅんんっ!…ち、ひ…ろ、…せん、…ぱ、い…大、す、き…っ!…かっけ、かった…よぉ…っあ!ああぁ…っ…!」
大きな圧迫感が岳斗の後ろに感じる。
そしてこれからもっと強烈な快感が身を包むんだ。
千尋先輩の大きく膨張したものが岳斗の中にじわじわと入ってくる。
内壁を擦られ穿たれれば嬌声はどうしても上がってしまう。
だって千尋先輩が岳斗の中にいるんだから…。
「岳斗…イイ…」
ズン、と奥を突かれて顎が仰け反る。
もう、すっかり岳斗のこそは千尋先輩を受け入れるように変わっているみたいだ。
甘い疼きがそこから身体中に走っていく。
それに千尋先輩の掠れた声と熱い甘い声でもう岳斗はおかしくなってしまいそうだ。
だって千尋先輩が…。
「ち、ひろ…せんぱ、い…」
「ん?」
千尋先輩が腰を打ちつけ、律動を激しく繰り返す。
「お、れ…で…いい、の…?」
「あぁ?」
「だ、って…俺…」
普通なのに…。男なのに…。
「バーカ…。…岳斗…お前しかこんな気にしたことねぇよ。俺が欲しいと思ったのはお前だけだ。カワイイ、と思うのもお前だけだ…」
嘘でも、嬉しい…。
「ちひろ、せんぱぁ、い…ああっ」
岳斗の声が高く甘く漏れてしまうと岳斗の中の千尋先輩がさらに質感を増した。
「や……お、きぃ…」
「こ、の……」
千尋先輩が呻いてさらに抽送を激しく繰り返す。岳斗の身体が揺さぶられて千尋先輩の身体と自分の勃ち上がったものが擦れてさらに刺激が増す。
「イっちゃう、よぉ…」
「いい。岳斗…イくぞ…」
さらに千尋先輩が腰をグラインドして奥を衝かれた時、岳斗は身体を小さく痙攣させるようにして達した。
そして岳斗の収縮した中でまた千尋先輩も精を吐き出した。
どくんどくんと千尋先輩のものが震えるのに、それだけでも達したばかりの敏感な身体の岳斗はまた感じてしまう。
「や、ぁ……」
「や、じゃなくて足りない、だろ」
く、っと千尋先輩が笑う。
「お前、来年したくなっても誰にも抱かせるなよ?」
「な、に…それ…?」
「お前を抱いていいのは俺だけだ」
「…たり、まえ…だも、ん…ちひ、ろ…先輩…だけ…あ、あああっ!また…っ!」
岳斗の中ですぐに千尋先輩がまた滾ってくる。
「俺も、もう…お前だけだ…」
嘘……!?
ホント…?
ぐちゅぐちゅと千尋先輩の放った白濁が岳斗の中で擦られていやらしい音を奏でる。
「あ、ああっ!…ち、ひろ…せんぱ、い…好き」
「岳斗…俺もお前が好きだ…。1年だけだ…待つのは…」
「うんっ…ぁっ!……」
すぐにまた達してしまう。
何度も、何度も…。
…恥ずかしい…。
くったりとして動けなくなった身体は千尋先輩に綺麗にしてもらった後に綺麗な方のベッドで布団に包まれていた。
隣の乱れたベッドが見られない。
「ルームサービスで何か頼むか?腹減っただろ?」
ベッドの端に千尋先輩が腰かけて岳斗の頭を撫でた。
「…うん」
安いのでいい、と言ったのに、結局何処も行かないでホテルに直行してきたから食べるものが何もない。
それ位千尋先輩も岳斗が欲しかったって事…?
もう岳斗も千尋先輩のステージを見た後は何も考えられなくて…。
「俺、自分の分出すっ」
「これ位いいから。今日はクリスマスなんだし…いつもお前を放っておきっぱなんだから今日位は俺にいいとこ見させろ」
千尋先輩が岳斗のこめかみにキスを落とす。
ホテルでクリスマス。
すごい特別だ…。
それに千尋先輩のベースを弾いている所が見られた。
「…連れて来てくれてありがとう…。すごい嬉しい…」
千尋先輩が岳斗を見てやんわりと口元を緩めた。
テーマ : 自作BL小説
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