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桜誘う桜守 67

 「おかえりぃ」
 「………ダルそうだな…」
 迎えに桜がよろよろしながら廊下を歩いていくと理人が困った様に苦笑した。
 「ちょっとだけ…。でもいい…んだ」
 嬉しいから。
 へへ、と桜がはにかんで理人に抱きついた。
 理人が足りなかった。
 ほんの隣の部屋なのに、理人は仕事で、そこに桜は入ってはいけないんだ。

 …仕事。

 そういえば進路を決めないといけないんだ。
 なにがしたい、と桜は明確に将来の事を考えた事がなかった。
 理人が歯科医になるのを決めたのは小さい桜と会って、と言っていた。
 桜はどうしたらいいだろう…?

 「どうした?」
 考え込んだ桜に理人が桜の身体を支えながら声をかけた。
 「ううん。なんでもない。別に身体は…平気だよ?」
 理人の手が桜をぐいと抱き寄せている。
 抱きついたのはただ桜がくっ付いていたかったからで、身体が酷いからじゃないんだけど。
 でも理人に気にしてもらえるのは嬉しいから黙っておく。

 「午後は大人しくしてないとな」
 「え~…別にそこまでいいけど…」
 「いいから」
 理人が桜の頭を軽くぽんと叩いた。
 もう何されても理人にされれば嬉しくて仕方ない。
 重症かも、と自分でも思ってしまう位だ。
 
 お昼を終えるとソファに桜は転がる。
 やっぱり横になってたほうが楽は楽だ。
 理人は床に座ってテーブルでカルテの整理。その広い背中をソファから眺めてた。
 「桜…」
 「なぁにぃ?」
 「……もうしたくない?」
 「え!?な、何がっ!?」
 桜が慌てて起き上がった。
 えっちの事か?

 「……理人は…もう…俺、いんない…?」
 「俺じゃなくて、桜が、だ。そんなひどそうなら…」
 「ひどくないっ!!俺…うれし、か、た…のに…もっと、もっと理人好き、…になってる、のに…」
 理人は違う…?
 「…ならいいけど…。桜に嫌だ、って言われたらどうしようかと思ったんだ」
 「言わねぇよっ!」
 「今度潤滑剤買っておく」
 いや、だから、そんな事わざわざ言わなくていいと思うんだけど。
 でもまた、があるって事だ…。

 桜は返事できなくて顔をただ真っ赤にしていたら理人がくるりと顔を桜の方に向けた。
 「…いいか?」
 確認すんのかよっ!
 「いい、に…決まって、るっ!」
 「そうか」
 理人が桜の返事に満足そうににやっと笑みを浮べたのに桜は脱力する。

 「そういやもうそろそろ夏休みだな」
 「うん…。あ、俺、夏休みにバイトしようかな、と思って!」
 「ああ!?バイト!?」
 理人が顔を顰めて桜を見た。
 「……どこで?」
 「いや、まだ決めてねぇけど。ほら、理人にプレゼントも買えないのヤだから!自分でちゃんと働いて、と思って」
 「……そう考えるのはいい、と思うけど…」
 ちろりと理人が桜を眺めて溜息を吐き出す。

 「人前出るとこはダメ」
 「え?なんで?だってそしたらなくない?高校生がバイトできるようなトコって少ねぇよ?コンビニとか」
 「ダメ!絶対ストーカーとかされそうだ!」
 「え~~…ないでしょ」
 「だめ!」
 理人のダメ出しに桜が唇を尖らせた。

 「………俺が桜を心配で仕事になんねぇ」
 え?
 桜はきょとんとして理人を見た。
 「だってプールの短い時間でもアレだぞ?そんなんダメに決まってる!」
 「じゃあどんなとこならいいんだよ?どうせ夏休みだけしかしないのに!」
 「……夏休みだけ……?」
 理人がんん?と考え始めた。

 「…お前子供嫌いじゃないか?」
 「え?うん。別に嫌いじゃないよ。黒田んち兄弟多くて下なんかちっさいけど遊んでやるし」
 「バイト、毎日じゃなくていいよな?」
 「え、そりゃ勿論」
 「じゃ、俺んとこにしろ」
 「はぁ!?」
 理人がぽんと手を叩いた。

 「夏休みって子連れで歯医者来る患者さんが増えるんだよ。その子供の相手しといて?…保育士の免状ないとダメなのかな?ま、ここいらは皆ご近所さんばっかだからいいよな?」
 「まぁ、田舎だしね。そんなうるさく言う人いないと思うけど。だいたい顔見知りだし」
 「よし!それならいいだろ?1週間に何回か、午前とか、午後時間限定とか」
 「………なんか…違う気がするけど…」
 「なら俺の世話係でバイト代出す?」
 「いらない!」

 「だろ?そうすると俺は安心!子守もついて子連れの患者さんも安心。桜はバイトも出来て!ほらいい事ばっかだろ?」
 「……いいのそれで?」
 「いや、冗談じゃなくて。ホント欲しい位なんだ。お母さんが治療中に子供泣いたりすると治療中断したりとかがけっこうあって進まなかったりすんだよな」
 そうなんだ…ふぅん…。
 かなり桜に都合よすぎでおいしすぎる話だとは思うけど…ホントにいいのかな?
  
 
 
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続きに昨日の呟き記事の拍手コメントとメールフォームから
メールいただいた方にお返事入れました。
お心当たりの方は続きから見てください~^^
拍手鍵コメTNK様

ありがとうございます。
そう言っていただけると私も嬉しいです^^
お金をいただいているプロではありませんから…^^;

あちらからいらしていただけたのですね^^
ありがとうございますm(__)m
放置になっておりますけど、
あちらだって本当は大事な作品です…
でもちょっとあちらはまだ無理かと…(T-T)
放置してても凹みコメントが入ってるので
ちょっとキツイです…

そのうち復活するとは思いますので…^^;
嬉しいお言葉ありがとうございますm(__)m


鍵拍手コメMG様

初コメントありがとうございます^^
そしていつも拍手、ありがとうございます!嬉しいです^^
どこでも凹むコメントは来るみたいですけれど…
なぜそうなんでしょうね…↓
私は昨日はそこまで凹むというほどでも
なかったのですが…^^;
でもがんばりますね^^
応援もコメントもありがとうございます~^^

鍵拍手コメTK様

確かに気にしないというのは難しいです↓
でも大好き、ありがとうございます/////
一番は怜と明羅ですか?^^
なんか最近怜と明羅が人気な気がするなぁ~^^;
父の日話も気に入っていただけたみたいでよかったです^^
コメントありがとうございます~


JY様

そうですね。私も鍵コメで意見を言うのはちょっと、と思います。
あ、それとも気付いていない私が恥ずかしい思いをするから、と
思ったからでしょうか…?
それだったら分かりますが…^^;
不快というほどではありませんので大丈夫です。
ちょっとぐるぐるする位です(笑)

クラシックは何の曲をお聞きなのでしょうか?(^m^)
桜誘う…はもう書き終えているので大丈夫ですよ~^^b
問題はその先です~(汗)
早く書かないといけないのに…昨日も結局一行も書けませんでしたから…
コメントにかかりきりになって…^^;
お気遣いもありがとうございます~^^


MSM様

初めまして。ちゃんとメール読まさせていただきました~^^

ブログで批判を受けた事がおありでしたか…(--;)
これは受けた人しか分からない気持ちですよね…↓
…見てくれるな(前半端折ってます 笑)はい、それ位の気持ちですよ~^^
ブログしてる人なら皆思いますね^^b

私、全然ステキじゃないです(笑)
リア放棄してBL腐れ書きまくり~ですよ?(爆)
女子放棄してますから~^^;

誰でもリアの生活はうまくいかない事ばかりだと思います。
だからこそ笑えるような、幸せを感じられるようなお話が書きたいと
いつも思っています^^

辛いことがあった時でもちょっとだけでも忘れて
笑顔が出るような、そんな話が書きたいと思っています^^
実際はギャグっぽかったりしてますけど(--;)
でもそれで笑っていただければいいや~!と^^b

応援もありがとうございます~^^
コメント怖くないですから(笑)
怖いと思うのは私の方ですよ(--;)
是非コメント欄にも遊びにきてくださいね~^^/



テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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