木曜日の午後は理人と一緒に買い物。
もうそれが普通になっていた。
そして理人の誕生日から1週間が経つ。
土曜日は一緒にプールの予定。やっぱり泳ぎたくなりたいから、先週は行けなかったけど今週は行く!
…その後、土曜日は泊まってもいいかなぁ、なんて桜は一人で勝手に計画してしまう。
そしたら…理人…また…。
理人の肌を思い出してしまえば悶えてしまう。
荒い息遣いも桜の名前を呼ぶ声も手も熱も次々思い出してしまうと身体が疼いてくる。
恥ずかしいは恥ずかしいけど、やっぱしたい、と思ってしまう。
だって理人が桜を欲しいと思ってくれているのがダイレクトに分かるから。
いつもはそんな風に見えないのに、えっちの時の理人は熱い。
桜は自分の部屋のベッドでごろごろと枕を抱きかかえてあっち向いたりこっち向いたりと転がる。
だめだ。理人の事を考えると止まらなくなってしまう。
はぁ、と落ち着かせる為に桜は深呼吸した。
なんでこんなに…。
好きが溢れて困ってしまう。
こんなに桜は好きが溢れてるのに、理人は相変わらず桜を毎日家まで送ってくるんだ。
…土曜日、泊まっちゃダメ、なんてまさか言わねぇよな…?
一瞬桜は不安を覚えるけれど頭を横に振った。
「なぁ…今日、泊まって…いい?」
プールを終わって買い物。
何気ないように、と装いながら買い物の最中に理人に聞いてみた。
本当は心臓がうるさい。だって…どうしちゃったって期待してしまう。
「いいけど。……桜、もうただ泊まるだけですまねぇぞ?」
理人が低い声で桜の耳元に顔を近づけて囁いた言葉にどかんと桜は顔が真っ赤になる。
「い、い、いいよっ」
だって、桜だってしてほしい、と思ってるんだから。
だめだ、早く理人とくっ付きたい。抱きつきたい。
「理人……早く帰ろ?」
「………」
桜が理人のシャツの裾を引っ張ると、理人が無言で頷き、その理人の目に桜も顔を赤くしながらささっといるものをかごに入れて買い物を慌しく済ませた。
なんか何作るかなんて全然メニューも考えないで適当に使えそうなものをかごに入れていった気がするけど…。
だって頭の中が理人ばっかなんだもん!
なんでこんなんなるかなぁ…。
自分でも止められなくてほんと困っちゃう。
隣にいるのに、それでも理人が欲しくて仕方ない。
上の空のまま買い物をすませて理人の家に帰る。
そして車から理人が買い物袋を持って玄関に入って鍵を締めた瞬間に桜は理人の首に抱きついた。
「理人ぉ」
理人は何も言わないで買い物袋を投げ出して桜の身体を抱きしめた。
家の中はクーラーが効いていて涼しくなっている。
汗ばんだ身体だけど、もうそんな事なんか気にしない。
理人もすぐに桜にキスしてきた。
理人も欲しいって思ってくれた?
桜は自分から誘うように舌を突き出すと理人がそれにすぐに絡んでくる。
「ん…ぁ……」
もう身体が感じすぎてどうにかなってしまいそうだ。
「困ったヤツだな…」
理人が桜の唇を啄ばみながら桜を抱き上げた。
理人にずっとこうして欲しかった。
「り、ひと…」
桜もぎゅっと理人の首に巻きつけた腕に力を入れた。
そのままリビングのソファに運ばれる。
その間もずっとキスはしたままだ。
理人の舌が桜の口腔を嬲っている。
「ベッドに行きたいとこだが、二階クーラーつけてないから…」
「いいっ…」
「夜、はな…」
夜も、って事…?
理人が桜の耳を食みながら囁く。
それにぞくぞくと桜の肌が感じてしまう。
「あ、しまった……」
「?」
理人が舌打ちするのに桜が首を傾げた。
「……ま、いっか」
なにがだろう?
「……待てねぇから舐めてやる」
何を?
理人が何を言いたいのかが分からないまま桜は理人の手によって服を剥ぎ取られていく。
「理人も…」
「ああ」
桜が理人のTシャツに手をかけると理人が勢いよく自分も脱いでいく。
プールで見た身体が桜の目の前にある。
プールではちょっと恥ずかしい位で全然平気なのに、なんで今はこんなに恥ずかしいのだろう。
でも恥ずかしいより理人を感じたくてもどかしい。
桜は理人の顔を触って、首を辿り、肩から胴へと手を這わせる。
「…おまえ…エロい…」
「え?」
色気ないって言ってたのに?
「もう煽られっぱなしなんだけど?責任取れ」
ぐいと理人が腰を押し付けてくればもう理人のそこが大きく勃ちあがっていた。
「毎日毎日、抱きついてくるわキスするわ。ほんと困ったヤツ」
「だ、って…したい、んだもん…理人…やだ?」
「やだじゃないから困るんだ」
理人が噛み付くようにキスしてきたのに桜も応える。
好き。
濃厚なキスが交わされる水音が部屋に響くのが恥ずかしい。でもやっぱり理人が欲しかった。
テーマ : 自作BL小説
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