理人がゆっくり中に入ってくるのを感じた。
もう何されても感じすぎている桜の身体は理人に触れられているだけでぞくぞくしてしまう。
男にされてこんなになるなんて…。
いや、理人だからだ。
自分から誘うように腰がうねってしまう。
だってして欲しかった。
ずっと理人が欲しかった。
入ったと思ったら理人がゆっくりと律動を始める。
「あ…っぁ……っ」
「悪い…もう我慢できない」
「いいっ…り、ひと…っ……」
理人が桜を欲しいと言ってくれている。
ゆっくりはじまった律動が激しくなってきて桜の身体を揺さぶってくる。
衝かれ、奥に穿たれる度に声が出てしまう。
理人の首にしがみつき、その合間にも理人のキスが繰り返される。
好きっ。
何しても何されてもいい。
苦しくたってなんだって、理人を感じられるなら。
理人が与えてくれるなら。
ぐちぐちと理人と繋がっているところからいやらしい音が漏れている。
自分がこんなヤラシイなんて。
でもだって、欲しくて仕方ないんだ。
苦しいけど、いっぱいいっぱいだけど、でもいい。
違和感だってある。
でも違和感と一緒に何かが桜の背中を駆け上がってくる。
「やっ…な、にっ……か…ぁっあ!」
「桜…?」
強烈な快感がせり上がってきた。
「………ここ…か?」
ぐっと理人が一箇所を衝く。
「やぁっ!」
びくびくと桜は身体を震わせ、理人にしがみついた。
すると理人は何度も何度もその感じすぎる所を衝いて刺激してきた。
「変…なる…っ!…あ、ぅ…」
「いい。桜…いっぱい感じて」
理人の背中も汗ばんでいて、そしてさらに律動を激しく繰り返してきた。
「理人…も……イ、く…?」
「ああ」
理人の腕が桜を抱きしめている。
荒い息が交じり合って、キスが、唾液が交じり合う。
身体全部が理人を感じていた。
「り、ひ…とっあ、ああぁ……っ!」
「さくらっ」
理人が短く声を上げると桜の中でさらに膨張してそして熱を吐き出した。
そして桜もまたびくびくと精を吐き出した。
なんか…すごく…。
顔を真っ赤にしながら桜は荒い息で理人に抱きついた。
「…気持ちよかった?」
耳元にキスしながら理人が囁いた。
「そ、そんな…聞くな、よっ」
なんでいちいち理人は確認するのか。
「聞く。桜がよくなきゃダメだろ」
「………もち…いいっ」
くっと理人が笑って桜の耳に首にキスする。
「ぁ、…んっ」
それだけで感じてまた肌がざわついてしまう。
「夜もしていい?」
「………」
だからなんでイチイチ聞くかな!
「ぃぃ…」
桜が小さな声で返すと理人がさらに抱きしめてくれる。
「わりぃな…我慢きかなくて」
「悪くないっ!」
桜だってしてほしいって思ってるのに!
「うん。でも止められねぇんだから…。桜にやっぱ責任とってもらわねぇとな」
「…とる」
ぶっと理人がふき出し、くっくっと肩を震わせて笑っている。
「ホント桜って男前だよな…」
誉められてるのか違うのか…。微妙だ。
そしてそのまま理人に抱きついたまま、理人にからかわれて甘い時間を過ごし、簡単にご飯の用意をして一緒に食べて、また夜に約束通りに理人は桜を貪った。
夜はローションをつけられて…。
昼間のしまった、はローションが自分の部屋にあったから、だったらしい。
今度はリビングにも用意しておこう、という理人の言葉に桜は理人の割れた腹筋に拳を入れる。
ローションはいい、んだけど…。
音がやらしくて、自分だけがされてる時のヤラシイ音にいたたまれなくて恥かしかった。
いや、それ言ったらどれもどこも恥ずかしいけど。
でもいいんだ。
全部理人だから。
終わった後でも理人の手が優しく桜を包んでくれる。
これに安心するんだ。
理人の前では泣いてもいいし、甘えてもいい。
それがさらに桜を甘えたにしている気がする。
だって離れるのが嫌になるんだから。
べったりと理人の首に腕をまわしてくっ付いている。
クーラーつけてなきゃ絶対暑くて出来ない事だけど。
「……冬の方いいかなぁ?」
「ん?」
「冬だったら寒いからくっ付いててもいいし。夏は暑いよな?」
「当たり前だ」
何当然の事、と理人がまた笑う。
「クーラーつけときゃいいだろ」
「まぁ、そうだけど」
そんなバカな話でも理人は笑ってくれる。
テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学