「理人ぉ…」
ねだるように、甘えるように声を桜が上げれば理人が体勢を変えた。
「先にイくか?」
「やだっ」
一人はやだ。理人と一緒にいるんだから一緒がいい。
「いいから!…早く…」
身体が疼く。
理人が欲しくて。
「う~~~ん…桜がこんなエロとは…」
「やなの!?」
「勿論嫌なはずあるか。いいに決まってる」
決まってる、のか?
「桜…」
理人が桜の中にゆっくりと腰を進めてくる。
「んっ…ん……」
入ってくる時の圧迫感は強烈だ。でもその後に快感が来るのも分かっている。
はぁ、と息を吐き出して力を抜くようにすると理人がますます奥へと入ってくる。
「…ゴム、…つけてないんだ…。あとでちゃんと全部綺麗にしてやるから」
「なん、でも…いい……」
ぎゅうっと理人の首に抱きついた。
理人の身体も汗ばんで熱い。
長めの前髪をかき上げると精悍な顔。
かっこいい、なぁ…。
こんな人が桜だけ、って言ってくれるなんて。
オヤジなんてふざけて言うけど全然違う。
「理人…好きだよ…ぁっ…」
ぐんと桜の中で理人が脈打ったのに思わず声が出てしまう。
「ああ…桜。離してやんねぇぞ?」
「いい…よ。ああっ!」
ぐいと腰を引かれて桜は身体を震わせた。
そしてすぐに穿たれる。
ゆっくりとした律動に桜は感覚がそこに集中する。
じらすようにゆっくりと…。
もっとして欲しくて誘うように腰が揺れてしまう。
それに理人はくっと少し笑みを浮べたのに桜はむっと口を尖らせた。
理人は分かっているはずなのにゆっくりと浅く抽送する。
足らない…。
桜が不満そうにすればまたくすと笑う。
「桜?どうしてほしい?」
「……言わないっ!」
「言われないとわかんねぇなぁ…」
嘘ばっかり!
理人も額が汗ばんでいる。そのくせ意地悪でそんな事言うんだから!
ゆるゆるとゆっくり、に身体がもっとと訴えて震える。
もう気持ちイイのを知ってる身体が理人をきゅっと締め付けた。
すると理人が桜の腰を掴み浮かすように持ち上げて奥までぐっと入ってきた。
「や、ああぁっ…」
ぞくぞくと快感が走る。
「や、じゃないだろ?」
そう、や、じゃない…。
「んっ!…も…っと…ぉ……」
「ああ」
今までのゆっくりが嘘のように激しい動きに変わる。
理人のものが桜の内壁を奥を刺激する。
もっと、もっと欲しい。
自分が男としてこんな風になるなんて思ってもなかった。
だって理人だから…。
「全部…」
「うん…?」
「俺、の…全部…初めて……を…理人、に……」
「……くれる、って?」
「んっ!そ…う…っ…あ、ぁんっ!」
また中で理人が膨張する。
「煽ってどうすんだよっ…ったく…」
理人が荒々しくキスしてきた。
「責任とるから…。ってもう親に紹介してるしな」
くくっと笑いながら理人が腰の動きを大きくさせる。
「あ、あぁ…んっ……ぁ…」
激しく桜の身体を揺さぶりながら理人が桜の奥を衝く。
前にも触れられるともう神経がどこ向いていいかわからなくなってくる。キスも、後ろも前も…。
気持ちよすぎる…。
「んっんっ!」
イきそう……!
「理人…っ…イ…く……い、しょ…ぁあっんッ!」
「んっ…桜、中に出す、ぞ…?」
「う、んっ……っ!」
湿った水音が桜を刺激し、そして腰も快感を追って揺れてしまう。
こんなの全然知らなかったのにっ。
でも責任取るって…。理人だけにならいいんだ。
恥ずかしいより欲しいの方が大きくて…。
理人だけにだから…。
「ほし…っい」
「ああ…桜…イく…」
「んッ!……あ…っ!」
ふるふると身体を震わせ、どくりと桜が精を放つと理人も短く声を上げ、そして身体の中にも熱いものが打ち付けられたのが分かった。
搾り出すように桜は中を収縮させると理人も身体を震わせた。
理人も感じてるんだ。
「…おま…え、やばいって…」
「え…?」
汗を滲ませ、荒い息で理人は桜の身体に倒れこみながら苦笑していた。
「……妊娠しそう…」
「はっ!?何バカな事言ってんのっ!」
「だって…桜の中が逃さないって言わんばかりに離さねぇんだもん」
かぁ、っと桜は真っ赤になる。
「生んでね?」
「……おかしくなった?病院行ったら?」
理人が桜の上でくっくっと笑ってる。
「桜…」
そして何度もキスした。
テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学