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桜誘う桜守 終

 「ただいまぁ」
 「おう、おかえり」
 迎えに出てきたのは黒田だ。
 は!?
 なんで桜の家に黒田がいるんだ?
 「すみません、桜お借りしてしまって」
 理人が桜の後ろから玄関に出てきた母親に挨拶してる。
 「なんでお前いんの?帰ってねぇの?」
 「まさか!んなわけねぇだろ!さすがに!」
 ならいいけど。

 「先生、どうぞ?それで…?」
 スリッパ出されて理人も家に上がった。
 どうも桜の家に理人がいるのが違和感で仕方ないと思ってしまう。
 いや、なんとなく照れくさい、恥ずかしいが正解か?
 それにしてもなんで黒田がいるんだ?
 思わず桜が睨むと黒田はにっと笑っている。
 「桜ちゃん完璧?」
 撫子もいつになく笑顔だ。

 「ええ。誰も疑いもしないし、可愛いって見惚れるくらいでしたよ。ああ、でもウチの妹には前に桜の事話してて分かられて反対に桜くれ、って言われましたけど…」
 「理人んちみんなカッコいいよ?お父さんも渋い!」
 「大先生もロマンスグレーな感じで素敵だったからそれ、分かる」
 母親がコーヒー出しながら頷いている。
 だからどうして黒田が当然のようにいるんだ?
 しかも撫子となんか仲良さそうだ。

 「黒田?なんなの?お前?」
 「あ?何が?」
 「なんで当然のようにいんだよ?俺いる時ならわかっけど」
 「え?ああ。撫子ちゃんとお付き合いする事にしたから」
 「………は?」
 ね~、と撫子と顔を合わせている黒田に桜はわなわなと震えた。
 「ダメにきまってんだろっ!!!」
 「なんでぇ?別に桜の許可いらねぇし」
 「ふざけんな!撫子をお前なんかにあげられっか!」

 「なんかだって!ひど~い!自分は先生んちに泊まったり遊び行ったりしてるくせに!」
 「ダメったらダメ!」
 「だって黒田くん、桜ちゃんより私の方可愛いって言ってくれるんだもん」
 「当たり前!桜はヤローだもん。撫子ちゃんの方が可愛いに決まってる」
 ほらね?と撫子がぽっと顔を赤らめているのに桜は顔が真っ赤になってくる。
 「黒田くんなら小学校から桜ちゃんといるし、今更桜ちゃんのほう可愛いって絶対なんないもん!」
 「なるわけないな」
 黒田が頷く。
 それは桜も頷けるけど。

 「でもダメ!撫子まだ中学生だろっ!」
 「……桜ちゃん何言ってんの?私と黒田くんは3歳差。桜ちゃん先生といったいいくつ違うの?」
 うっと、思わず桜が詰まってしまう。
 「そっちのが犯罪よねぇ」
 「……すみません」
 理人が苦笑して謝っているのに桜が切れる。

 「理人が謝る事ないだろっ!俺が好きなんだから!」
 「私だって好きだよっ!」
 「ぜってぇちげぇ!」
 「桜ちゃんうるさぁい!」
 黒田が撫子の頭をよしよしと撫でる。
 「触るなっ!穢れるっ!」

 「やだぁ~!桜くんに穢れる言われたくない~~。桜の方が爛れてるのにぃ」
 黒田がニヤニヤしながら言うのに桜はうっっとまた詰まってしまう。
 なにしろ黒田は桜の事はほとんど全部知っているんだ。
 「先生?桜のプレゼント考えたの俺っすよ?滾ったでしょ?」
 「………まぁ」
 「理人っ!」
 何認めてんだよっ!
 なんともいたたまれない。

 「あんた達ねぇ?親の前で言うことじゃないでしょ…」
 はぁ、と母親に溜息を吐かれる。
 そういう母親にも避妊言われた事実があるんだから桜は頭がおかしくなってきそうだ。
 「桜ちゃん先生んち行っていいよぉ?」
 「行くか!行ったら危険だろう!」
 「え~。撫子ちゃんが高校生なるまでは俺も我慢するさ」
 「嘘だ!」

 「桜…頑固親父みたい」
 ぽそりと理人が呟く。
 「別に桜ちゃんに何言われる筋合いもないけど?でも黒田くんってそんなダメなの?」
 「う…いや…」
 黒田は短気でもないし、柔道だってやってるし、撫子を守ってくれるだろう、けど…。
 何気に面倒見もいいし下の奴らにだって好かれてる。
 じとりと黒田を睨んだ。
 「別にいいかげんで言ってねぇぞ?ダチの妹だし?」
 確かにいいかげんな気持ちで撫子にって事はないかもしれない。

 「昔っから桜にくっ付いてくる撫子ちゃん可愛いと思ってたぞ?」
 思い出してみれば確かに桜よりも黒田の方が一緒にくっついてきた撫子に優しかった気はする。
 黙った桜にくくっと理人が笑っていた。
 「何笑うんだよ?」
 「いや…わるい。じゃあ桜貰ってもいいかなぁって?」
 「は?」
 「だって桜は撫子ちゃん心配で仕方ないから。それ任せられる彼氏出来たら桜は俺貰っちゃっていいでしょ?」
 「な、な…」

 何言ってんだよ!こんな人の前で!
 真っ赤になった桜を黒田がにやにやと見ていた。
 「理人っ!いこ!」
 恥ずかしくていたたまれない!
 「帰ってこなくていいよ~」
 「もう帰ってこねぇ!」
 撫子に軽く言われて桜は理人の腕を引っ張って家を出ていった。
 母親が呆れて笑っている。
 しかしほんと何事にも動じない太っ腹で豪快な母親だ。
  
  
 
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これで本編終了です。
お昼の分であとがきとおまけうpします~

それとまたくりぼさんからイラスト描きましたと
連絡がきましたので紹介します^^

くれぐれも背後注意でお願い致します(><)
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