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焔が燃え立つ。 6

 遥冬がさわりと尚のモノを服の上から撫でてきた。 
 「…尚、勃ってるよ?」
 そりゃあこんなエロいの見せられたら反応してしまう。
 真っ白な肌に上気した頬。朱い唇に紅い舌。胸の飾りは薄ピンク。
 細いしなやかな肢体に濡れたように見える漆黒の髪。
 肌蹴た着物とか似合いそうだ、なんて場違いな事まで思ってしまう。
 その遥冬の細い腕が尚のTシャツの中にもぐりこんできて肌を撫でられればぞくりと余計に感じてくる。

 「あん?俺がヤられるのか?」
 「え!?…まさか!」
 くすっと遥冬が笑った。
 「…尚が、…してくれる…?」
 遥冬とこんな事を望んだわけではなかったが、ここまでされて断る事もない。
 十分尚自身も感じてしまっていた。

 …遥冬は男が欲しいのか?
 こんな事を仕掛けてくるんじゃ遥冬は初めてではないのだろう。

 「…俺男は初めてだぞ?」
 「そう?」
 尚は遥冬の腰を掴まえるとぐいと身体を反転させ、下に組み敷いた。
 「どうすればいい?」
 顔を遥冬に近付けていく。
 その瞳も真っ黒で無垢な瞳に見えるのにその奥に妖しい青い炎が立ち上っているようだ。
 「…ぁ…っ」
 唇を重ね、舌をねじ込めばすぐに遥冬の舌も絡んでくる。
 そういやキスも岳斗にした時以来だ、なんて余計な事を思い出してしまった。

 …もう1年近く経つ。
 どんだけ飢えてたんだろうか。
 遥冬とのキスは気持ちよかった。
 絡んで舐って、遥冬の歯列をなぞり、口腔全部を舐めまわす。
 「んっ…ぁっ……は…ぁ」

 遥冬の手が尚の身体に回されぎゅっと抱きついてくればさらに尚はキスに熱が籠もってくる。
 遥冬の熱い息が尚を煽ってくる。
 眦の紅色が。
 口端を伝う唾液が。
 どれもが尚の箍を次々に外していった。
 貪るように尚がキスを求め、遥冬が応える。
 その間に遥冬の手は尚の下肢にかかり尚の穿いていた物を脱がしていく。尚もまた遥冬の着ていたものを剥いでいった。

 誰が遥冬をこんな風にしたのか?
 誰が遥冬の身体を味わったのだろうか?
 尚は口づけをずらし鎖骨にむけ、そして胸の飾りへと向けていく。
 綺麗な透明な肌に朱を散らせながら。
 肌の触り心地は滑らかでしっとりしててきめ細かだ。男の肌とは思えないような触り心地。
 「んっ!あ、ぁっ…!」
 胸の薄い桜色の乳首を食めば敏感な遥冬の身体が跳ねた。
 執拗にそこを舐め、甘噛みし、舌で転がす。
 うすかったピンク色が濃いピンクに変化していくのを満足げに眺めた。

 この綺麗な身体は誰に抱かれた?
 あのスーツの男か?
 「……後ろほぐせばいいのか…?」
 「あ、…んっ!」
 こくこくと遥冬は頬を上気させたまま頷くのに尚は自分の指を舐め、唾液で湿らせてから遥冬の後孔につぷりと差し入れた。
 「んっ!あ、やあああっ!」

 ………?

 遥冬がまるで拒否のような声を上げる。
 しかもかなりキツそうだ。
 これ入るまでほぐす?
 …入るのか…?
 ゆっくりと尚が遥冬の中に入れた指を動かすと遥冬は顔を見せないようにぎっちりと尚の身体にしがみついて身体を震わせていた。

 「…きついな…おま…ちょっと後ろ向け」
 「な、なんで!?」
 遥冬の声が硬い。
 「舐めてやる。濡れないからキツイだろ。なんかそういうのあるか?」
 「…そういうの?」
 「ローションとか」
 「…ない」
 ない?自分から誘っておいて?
 どうもちぐはぐな気がする。

 「じゃやっぱ後ろ向け」
 「いいっ!舐め……る、なんて…」
 「絶対濡らさないとキツいって。いいから」
 尚は遥冬の腕を外して遥冬の身体を反転させると指を入れていた場所を舌で舐めほぐしていく。
 「や、ぁ……っ」
 舐められるのに抵抗があるのか、遥冬が枕に顔を埋めて声を上げ、身体を震わせていた。

 ううん…???

 尚はゆっくりと丹念にそこをほぐし、そして指を差し入れた。
 さっきよりも大分いい。
 じっくりと遥冬の後孔が自分の指をのみ込んでいくのを見れば萎えるどころかますますここに己を突っ込みたくなってくるのに自分でもおかしくなっているのかと思ってしまう。
 それでももう止める事などできない所まで来ていた。
 「お前はどこもかしこも綺麗だ。…ここも…」
 ぐいと指を増やして奥まで入れると遥冬がさらに声を高くあげ、背中を仰け反らせた。

 「や、ぁあああっ!な…に…これ…っ!」
 「ああ?ここ?」
 「ああっ!だ、め…だ……そこ……っ…」
 「ダメじゃなくてイイだろ?」
 自分のいい場所知っているんじゃないのか?
 どうもおかしい。
 そう思いながらも尚は指で遥冬の内壁への刺激を続けた。
 
 
 

テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学

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