はのんのBL部屋

　「ん、ぁっ…」
　遥冬の腰が妖しく揺れて声が上がっているのに尚のものははち切れそうになっていた。
　早く入れたい…。
　尚の指を咥え、ぐちぐちと湿った音をならしているそこに突っ込み、そして衝きたいという騒動を尚は抑えていた。
　「遥冬…何人知っているんだ？」
　「なん、にん…？…ああ……さぁ？…ん、はっ…」
　ぐっと遥冬のいいところらしい箇所を攻めれば遥冬は顎を仰け反らせた。

　さぁ？
　何人も…？
　いや、違う。
　「そこ…いや…だ…」
　「嫌じゃないだろう…？指増やすぞ」
　「ん！あ、ああっ！」
　さらに指を増やせば遥冬の声は苦しそうだ。
　身体は強張っている。

　「力抜け…遥冬…深く息を吐き出して…」
　後ろから覆いかぶさるようにして遥冬の耳に囁くと遥冬が尚の言う通りに深く息を吸い吐き出すのを繰り返す。
　…コイツ、初めてじゃないのか？
　尚に疑問が湧いてくる。
　「遥冬…」

　少しして尚が指を抜くとはぁ、と遥冬が息を吐き出し、身体から力を抜いた。
　尚は黙って遥冬の身体の向きを変え、仰向けにするともう一度深くキスを重ねた。
　そして再び後ろに指を這わせる。
　大分さっきよりは指を楽に飲み込むようになったのにほっとした。
　「…入れていいか…？」
　こくりと遥冬が尚にしがみついたまま首を縦に振ったので尚は自分の猛ったものを宛がうと少しずつ身体を進めた。
　「んぁ……ッ！」

　遥冬が息を止めるのに尚はキスを繰り返した。
　「ゆっくり息して…遥冬」
　…やっぱりこいつ初めてだろ！
　初めてじゃなかったらたらどうやったらいいかなんて分かってるはずだ。何人も知っているようなら自分のいいとこだって知っているはず。
　自分から誘ってきたくせに初めてって…。
　尚の言葉の通りに遥冬は声を抑えながら息を整える。
　そのタイミングと合わせ尚はゆっくりと遥冬の奥に自身を挿していく。
　何が何人って聞いたときにさぁ？だ！

　「…な…お……いい、から」
　「よくねぇだろ。ばか」
　遥冬の前が萎えているのに尚は手を添えた。
　「いい！…」
　「よくねぇ…遥冬…」
　馬鹿だ。初めてなのに、知った振りして…。
　遥冬にキスを繰り返す。
　人形の顔なんかどこにもない。

　苦しそうに顔を歪める遥冬の額に張り付いた髪を撫で額にもキスを落とす。
　もう片方の手は萎えた遥冬に添え、刺激を与えた。
　「や、尚…っ…いい、って…」
　「いいから。俺だけよくてもしかたねぇだろ」

　なんで遥冬は自分から？
　昼に起きた時に自分から尚に手を添えたのもわざとか？
　いかにも平然とした顔を作っていたのも？
　遥冬の中に埋まっている自身は早く熱を放出したいと訴えている。
　でもまだ、だ。

　「んっ！や……な、ぉ……あぁ…」
　尚が遥冬の前に刺激を加えると遥冬は身体を捩って声を上げ、遥冬が少しずつ力を取り戻してくるのに尚はゆっくりと腰を動かし始めた。
　「あ、…それ…や……」
　「や、じゃなくて…分かるか？中にいるの？」
　遥冬の頬にかっとさらに朱が走る。
　「いいから！」
　まだそんな強がりを言うのか。
　なんでそんな風に…？

　「…遥冬」
　「んんぁっ！」
　耳元で名前を呼べば遥冬は甘く声を漏らし身体を震わせる。
　…可愛い。
　尚の声に反応しているんだ。
　半開きになった唇に誘われてまたキスを交わす。
　すっかり遥冬に夢中になってるじゃないか。
　いつまでもキスしていたい。

　「…動くぞ？」
　「んっ！…」
　遥冬が頷くのに尚は腰をさらに大きく動かしていく。
　遥冬も屹立を取り戻し、さらに声が甘く響いてくる。
　感じているのか？
　遥冬の先から透明な液体が零れ始めるのに尚はさらに腰を激しく突く。
　「あ、あああっ……な、おっ…！」
　ぎっと遥冬が尚の背に爪をたてた。
　傷つけてもいい。いくらでも。

　「しがみついていろ」
　激しい律動に遥冬の身体が揺れる。
　「感じていい…」
　「あ、あ…っ！い…ぃ……」
　尚が遥冬の前にも刺激を加えると遥冬の先走りでいやらしい音を放っている。
　「イイ…遥冬…俺もイきそうだ…」
　遥冬のあられもない姿にすっかりともう尚はやられていた。
　それでなくとも一日中ずっと遥冬の事ばかり考えていたんだ。
　「遥冬」
　「あ、あっ…尚っ……っ」
　ぎっとまた遥冬が尚の背に深く爪をたてながらしがみつき、そして身体を震わせながら尚の手の中に白濁を放てば、尚もまた遥冬の中に迸りを放っていた。
　　

テーマ : ＢＬ小説
ジャンル : 小説・文学