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熱視線 1st Anniversary 5

 「出来たよ?」
 誰の前でも弾く気はない曲だけど、それでもかなり明羅の気持ちは入れ込んだと思う。
 怜さんは黙って楽譜を手に明羅が音を入れたPC上での機械音を聴いていた。

 ……どうかな?

 いつもこの瞬間が明羅の一番緊張する時間だ。
 怜さんが楽譜を睨み、流れる音を追う。
 いつも怜さんは明羅の意図している事を楽譜から読み取ってくれるけれど…。今回もちゃんと伝わっているだろうか…?
 「…プリモは俺だ…。明羅が見てる…俺…」
 「……うん」
 曲が終わって怜さんの視線が明羅に向けられた。

 …やっぱり分かってくれるんだ。

 「セコンドは明羅だ」
 「…うん」
 「ただピアノを弾く役目がじゃなくて、…ちゃんと分かっている。…俺をずっと追いかけてきた明羅だ」
 「うん」
 明羅は笑みを作った。
 「……お前の曲はいつも気持ちが全部曲に出る」
 「…でもそれ分かるの怜さんだけだよ?」
 「そうだ。俺だけだ」
 怜さんも力強く頷いてそして明羅を抱きしめた。
 「…早く弾きたい」
 「……うん」
 嬉しい。やっぱり怜さんは全部分かってくれるんだ。

 それから4日まで鬼気せまる感じで怜さんに2台ピアノに付き合わされた。
 毎日毎日。
 そして曲がさらに仕上がって行くのが楽しかった。
 さすがに毎日何時間も弾いていて明羅も自分の中でもまぁまぁ満足する位の弾き方になってくる。
 怜さんとのピアノはいつでもわりとぴったりとタイミングなんか合うんだけど、さらに目を閉じていてさえも分かるようになってくる。
 ちょっともう少しゆったりがいいな、と思えば怜さんもそう弾く。同じ事を感じ、思って弾けているんだと分かればそれは歓喜でしかないんだ。

 これは一人じゃ味わえない事。
 互いの息遣いが、気持ちが、思いが重なってないと出来ない事だ。
 それにしても…。
 「なんか怜さんピアノマジモードだね?」
 「ああ?……そりゃ勿論。大事な明羅の曲だ」
 明羅の曲だけでなくマジだと思うんだけど。

 明日は4日。怜さんに一日捧げる日だ。
 今は明羅の家からの帰りの車の中。
 ふっと怜さんが明羅を見て笑いを漏らした。
 「明日は分かってる?文句言うの禁止。明羅の全部が俺のものだから」
 「そんなのいっつもなのに」
 「そう?」
 ふっふっふ、と怜さんが意味深な笑いを立てている。
 「………なんか怖いな…」
 「今更だめ~。却下は受け付けません」
 「言わないけど」

 何を計画立ててるんだろ?
 怖いような、わくわくするような…。
 「……忘れられない一日にしてやるよ?」
 怜さんがくすりと笑った。
 「俺が?怜さんの誕生日なのに?」
 「そ!明羅だけでなく俺も絶対忘れられなくなるだろうから」
 「……何?」
 「内緒に決まってるでしょ。明日ね」

 なんだろう?????

 でも怜さんがかなり上機嫌な事は分かる。
 それならなんでもいいや。


 翌日、朝から今日は何言われるんだろうと明羅はドキドキして構えていたけれど特にいつもと変わりはない朝で、一緒のベッドで怜さんの腕の中で目覚め、怜さんの用意してくれたご飯食べて、といつも通りだ。
 「今日はちょっと早めに明羅の家行こう?」
 「別にいいけど」
 いつもは午後に行っていたのが午前中から。
 そこでここ最近ずっと弾いてきたショパンのピアノ協奏曲を合わせて、指輪を合わせて、2台ピアノで作った曲を通して弾いていく。

 うん…。怜さんのピアノはすっかりもうコンサート用といっていい音になってる。
 それに明羅も満足した。
 やっぱり今日できっと怜さんは通常に戻るつもりなんだ。
 それ位の仕上がりだった。
 そしてちょっと中途半端な4時過ぎにランチ。
 4時にお昼ってかなり変だけど、ピアノに夢中になってて遅くなってしまったんだ。

 …いいけどあとは?
 4時にランチって…?
 そして採寸してもらった店に怜さんが寄って荷物を受け取りまた車。
 なんだろう?
 一日怜さんにって言ったのに結局別に何も特別な事ってない。
 これで忘れられない一日になるの?
 これからディナー?でも食べたばっかりでとてもじゃないけど今は何もいらないんだけど。
 でも文句も言わない、と約束してたし、と明羅は黙って怜さんの運転する車に乗っていた。


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お返事です~^^
 
HRN様
 お気持ちだけでも嬉しいですよ~^^
 ありがとうございますm(__)m
 HRNさんもお仕事頑張ってくださいね^^b
 応援してます
 ありがとうございます~^^

名無し様
 スミマセン…違いました^^;
 全然考えてませんでした~(笑)
 でもそれだったらドレスもありでしょうか?(^m^)
 ありがとうございます~^^

KRB様
 そうなんですね~^^;
 曲は全部ラブレターです(大笑)
 千尋先輩もですが…(笑)
 イラストもありがとうございます~
 次の記事下にうpさせていただきました~!

okw様
 ありがとうございます~^^
 そうなんですよ~!まだ1周年でした^^;
 熱視線、喜んでいただけて嬉しいです~♪
 激しく妄想…(笑)
 嬉しいです(^m^)
 凝りはね~なかなか…余計な事して遊んでいるからですけど^^;
 何もしなければよくなるのでしょうが…
 ありがとうございます~^^

MNK様
 次のページで詳細が…(^m^)
 明羅くんは普通に地方ピアニストならなれるでしょう~
 でも親が親なのでそこに妥協はできない、という事で^^
 今朝ふと思ったのですが、音大受験考えてるなら高校も
 音楽科だよな…と^^;
 今更なのでもういいですけどね(笑)
 ありがとうございます~^^

テーマ : 自作BL小説
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