がちゃ、っとドアが開いた音にびくりと遥冬は身体を竦ませた。
「次誰先生だっけ~?」
「伊藤先生だ」
「たりぃな~」
声が聞こえる。
どうしようと遥冬が身体を固くすると尚が下から衝いてきた。
「……………っっ!!」
びくりとその官能に身体が反応して声が出そうになるのに必死に我慢する。
やめろ、動くな、と抗議の目を振り返って尚に向けると尚はしいっと人差し指を口にかざした。
…と思ったら遥冬の身体を揺さぶってくる。
「……ぅ……っ!」
さらに遥冬の前にも手をのばして刺激を加えてくるのに遥冬はやめろ、と声を出す事も出来ない。
「しぃ。声我慢…」
本当に小さく、会話してる人の声に合わせて尚が遥冬の耳に囁く。
「早く夏休みこねぇかな~」
「合コンしまくろうぜ」
「いいね~!」
閉まってるドアに不審がないのか会話は続いたまま、そして少ししてまたドアの開く音に出て行くのか、と遥冬はほっとした。
「ぁっ………!」
安堵して力が抜けた瞬間に尚のモノがさらにぐっと遥冬の奥に入ってきて遥冬は思わず小さく引き攣るような声が出てしまう。
「しぃ。声ダメ」
そんな事言ったって!
「遥冬…動くぞ」
人の声が去っていって尚の動きが激しくなり、下から腰を突き上げられるのに遥冬も身体を震わせる。
「感じたんだろう…?」
「そ、じゃ…ないっ」
「そう…?俺は半分エロい遥冬を見せ付けてやりたい気もするけどな…」
はっはっと互いの短い息が交じり合う。
「う~ん…後ろ向きだとキスできねぇな」
「ぁ…ぅ……」
尚の息が遥冬の項にかかり舐められたのにまた声が漏れる。
「声ダメだって。ほら、誰か入ってきたらどうすんだよ?」
「だ…って………ぁ…もう…」
「イきたい?」
「…き…たい…は、やく…」
「しょうがねぇな…」
尚が遥冬の腰を支え、さらに揺さぶり衝き動かされるのに遥冬の尚をのみ込んでいる後孔が収縮を繰り返す。
「イイ…遥冬」
耳を食まれながら尚の熱い声が聞こえるのに遥冬は背中を仰け反らせぶるぶると身体を震わせて達し、その拍子に後ろも締め付けると尚も短く声を上げ動きを止めた。
どくどくと遥冬の中で尚が白濁を放っているのが感じられるのにまた遥冬はきゅっと締め付けると尚が苦笑を漏らした。
「……だからよすぎだって…ホント…」
はぁ、と溜息を吐き出すのに遥冬はかっと耳まで熱くなった。
「こんなっ!」
「しぃ!まだ誰来るかわかんねぇぞ?」
あわ、と遥冬は口を押さえた。
「ごめんねぇ…だって遥冬サンってば煽ってくるんだもん…。俺我慢出来ないでしょ」
「……しるかッ」
朝は遥冬だって我慢したのに!
「遥冬」
「ん…ぁッ」
ズル、と尚が抜けるのにも声が漏れる。
「ああ…もうホントに…」
ホントに、なんだ…?
尚が遥冬の身体の向きを変え、横向きにすると抱きしめてキスしてきた。
学校のトイレで、なんて…。
そう思いながらも尚とのキスに夢中になってしまう。
「いや、ダメだって…」
尚がキスをやめて遥冬から顔を離した。
「またしたくなっちゃうぞ?」
むっと遥冬は尚から顔を背け、そして尚の首筋に頭をつけると尚の手が優しく遥冬の身体を撫でる。
こういう所が好きなんだ。
遥冬は尚の首に腕を回した。
「あら…珍しい…甘えたさんになってる」
くすと尚が笑った。
「……ダメなのか?」
「全然。いくらでも。……いいけどガッコのトイレだからなぁ」
「お前がしたんだ」
「そうだけどぉ」
くすと笑って尚が遥冬の耳に軽くキスする。
「我慢出来なかったんだもんよ…遥冬が悪い」
「悪くない」
「…そうですね。俺が悪いんだよね~。でも遥冬もイく位感じたわけだし?」
そうだけどっ。
「ちょっとドキドキでいいな…。またする?」
遥冬は尚の腹に拳を突き刺した。
「って!」
「しないっ」
「うん…だよね。やっぱ遥冬のベッドがいいな。色んなコト出来るし。ここじゃ舐めるのもままならねぇから…」
もう一度遥冬は尚の腹に拳を入れた。
「はいはい。もう言わないから。……遥冬」
尚に名前を呼ばれれば呪文のようで自然にキスを交わす。
お互いの舌が絡まり唾液が滴ってくる。
何されたっていい位もう完全に尚に堕ちているんだ。
何度も何度もキスを交わした。
それでも足りないと思ってくるんだからどれだけ貪欲になっているのだろうか。
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