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焔が燻る。 5

 「おつかれっした~」
 「はい、ご苦労様」
 挨拶してバイト終了。
 ステージにも大分慣れた。
 まぁ、元々神経は図太かったから全然平気だったけど、セミプロのバンドに混じるのには尚だって一応緊張はしていた。
 それが最近は大分取れ自分でもギターの音がよくなったな、と思っていたら今日はそれをバンドの人たちにも言われて尚はご機嫌だ。

 そして帰り道、隣を歩く遥冬を見ればもう欲しくて身体が疼いてくる。
 夜の暗い中で遥冬の白い項が尚を誘っているように見えて仕方ない。
 すぐにイタしたい気もするけど、腹も減っていた。
 これはやはり食欲を満たしてからゆっくりと、の方がいい。
 そういや明日昼位に迎えに誰かが来てそのまま実家、と言ってたな。
 迎えもあのスーツの男か?
 ……だろうとは思うが、やはりちょっと、…いやかなり面白くはない。
 付き合っている、というわけでもない今の状態では尚に何も言う権利はないのだが…。

 好きなのは、遥冬だ。
 それを遥冬に告げたら何か変わるのだろうか? 
 好きだ、と?
 遥冬は答えてくれるのだろうか?
 どうも微妙な気がしてならない。
 岳斗の事も遥冬は尚が岳斗の事を好きなのだと思っていたと言った位で、それでも岳斗の事で連絡をよこした事が引っかかって仕方ない。
 自分だったら好きなヤツの相手の事を知らせる電話なんか絶対しないだろう。
 
 遥冬のマンションに帰ってきて、冷蔵庫を開けると尚が来るときに買ってきた以外の食材もいくらか入っていたのに尚はくすりと笑った。ご飯も炊かれている。きちんと遥冬が飯を食っていたらしいのに少々安心した。
 GW中に簡単に出来る料理を教えたらちゃんとそれからいくらかはしているらしい。
 尚だって料理と言ったって焼くだけとか簡単なものしかできないけど。
 何しろ本当なら尚は実家暮らしだから基本する必要はないんだ。
 それでもいくらかは出来たほうがモテるか、とかその位の軽い気持ちでちょこちょこイタズラしてたのが遥冬の役に立ったらしい。
 「ちゃんと食ってたか?」
 「……一応」
 土曜に来た時はいつも確認する。最初は少しは、とか位の返事が一応に変わったのでそれなりに食ってはいるのだろう。
 全然食わないでいるよりずっとマシだ。
 一緒にキッチンに立って簡単に肉炒めて買ってきたサラダ食ってご飯を終わりにする。

 「尚、先風呂行っていい。お湯さっき張った」
 「………遥冬サン?」
 洗い物をしている遥冬の隣で食器を拭こうと尚が立ったら遥冬がそう言ったのに時間がもったいねぇな、と思ってしまう。
 「何?」
 遥冬の身体に後ろから抱きついて耳を食んだ。
 「一緒入んね?」
 「はっ!?」
 「だってその方がほら時間短縮だし~」
 「…………」
 遥冬が耳を熱くさせてきたのに尚は気をよくしてしまう。
 別に、は出てこないけど嫌だも出てこないから葛藤してるのだろう。
 「決まり~」
 「………いくらなんでも…」
 「いいじゃん。………遥冬が欲しい。お前が出てくるまでなんか待ってられねぇよ…」
 「…………」

 遥冬は顔を俯けたまま洗い物を続け、尚は遥冬を離して洗い終わった食器を片付けていった。
 それを終え、尚は遥冬の手を引いて脱衣場に連れて行き、遥冬の衣類を剥ぎとっていくが、拒絶はなく、されるがままにしているのに尚の顔が緩んでくる。
 綺麗な身体にいつも残すキスマークがもうなくなっているのに、尚は白い身体に顔を近づけ胸の突起の近くに口をつけきゅっと吸い上げた。
 「な、に…っ!?」
 「だって消えてるんだもんよ…」
 「そんなの…」
 「うん…後でいっぱいつけるけど。とりあえず、な」
 「……」
 遥冬が顔を俯け口元を隠しているのは照れ隠しだろう。

 「あ、いいっ!し、下は自分で…」
 尚がベルトに手をかけようとしたら遥冬が尚の手を押さえて押し戻し、くるりと尚に背を向けてベルトをゆっくり外し始めたのに尚はさっと自分も脱いだ。
 「な、尚…」
 「あん?」
 「な、なんで…もう…」
 「勃ってるかって?だから言っただろ。お前が欲しくて我慢できないって」
 「い、言ってた…けど…」
 「なんだ…お前はそれほど欲しくないのか…?遥冬」
 遥冬の耳元で名前を呼べば遥冬が身体を縮こませ顔を隠した。
 「名前…あんまり…呼ぶな」
 「なんで?感じすぎるから?そんなのいいに決まってるだろ」
 恥かしいのを押し隠そうとするのが見える遥冬に尚はくすと笑いながら遥冬の手を引き風呂場の戸を開けた。
 

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拍手コメお返事です^^ 
KH様
 お名前訓読みでいいのかしら…?^^;
 遥冬可愛いありがとうございます^^
 ときめきも…(^m^)
 なかなか不器用な子なんです~^^
 コメントありがとうございます~^^

TM様
 お久しぶりです^^
 尚優しいですね~。翼の時もやさしい…くは
 ないか…?岳斗と漫才コンビしてただけか^^;
 バレバレなのですけどね~(笑)
 でももう自覚します~(^m^)
 ありがとうございます~^^

S様
 正体…ってほどじゃないのですが^^;
 岳斗よりももっと特別かも、ですね~^^
 そうそう!千尋先輩も使った死角です(大笑)
 岳斗ちゃんのその台詞…確か言ってます^^b
 や~だ~も~~~(笑)
 というか岳斗はそれ以外言わないと思うよね^^;
 ありがとうございます~^^

KRB様
 乙女心(笑)
 そうね~!遥冬は複雑かな?^^;
 押して押して…結構イってるけどね~(笑)
 
 後で行ってみますね~^^
 ありがとうございます~^^/

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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