「何?気になる?」
「……出す…?」
ちらちらと尚の臨戦態勢になってるモノに遥冬が視線を彷徨わせ、そして聞いて来た。
尚は頭洗い中。
「いいや~いい。遥冬の中で出すから」
「……なんなんだ?今日は…一体…」
「何が?」
「その…だから…ほし、い…とか…我慢、できない…とかっ」
「え?ああ、今まで言わなかっただけでずっとそう思ってたけど?我慢してたのに学校で煽られてついイタしてしまったのは反省して、それなら我慢してます、欲しいです、って言っちゃった方いいかなと思ったので」
「……別に」
んん?今の別ににはどこに対しての別に、だ?
学校か?言葉か?
「…我慢、なんて」
湯船に膝を抱えて沈みながら遥冬が小さく言った。
おや?我慢する必要ないって事?
髪を流し終え、湯船に入り遥冬の身体を引っ張って後ろから抱える。
勃っていモノが遥冬に当たっているはずだ。
しかしヤロー二人でも入れる位に湯船が広いのにどんだけだ、とも思ってしまう。
「光熱費、高くなってるんじゃないか?」
「え?ああ、尚の分?ほんの少しだけだ。別に気にしなくていい。僕が払ってるんでもないし、口座には十分入ってるから」
「…それなのにバイト?」
「……ああ…。矛盾してるけど。いくら使ってるなんて気にする親なんかじゃないんだけどね」
「……仲よくねぇの?」
「仲いいも悪いも、僕になんか興味ないから。ただ利用できるコマだろうから金は与えられてるだけ」
「コマ!?」
「そう…。父親が…中央を狙ってる政治家なんだ…。だから…」
初めて詳しく遥冬の事情を遥冬の口から聞き出せた。
「田舎では名前を知らない人はいないくらい有名。でもそれだけじゃ弱いから…僕も兄さんもコマだよ」
「…兄貴いるのか?」
「一応。半分しか血つながってないけど」
どうやら色々事情があるらしい。だから遥冬は無表情なのか。
よしよしと遥冬の頭を撫でる。
金は与えられても愛情はなし、か。
でも母親は?
そういえば母親の単語は一度も出てきていない。
……出てこないという事はそういう事なのだろう。
そりゃ色々と何も知らないわけだ。
「遥冬」
尚は遥冬の顔を捕まえ唇を重ねた。
好きだ、と自然に思いが湧いた。
欲しい。
自分をコマ、と言い切る遥冬に、抱えているのはそれか?と問いただしたい。
解放してやれればいいのに…。
自分を押さえ込んできた結果が人形のような、と評される事に繋がっているんじゃないのか?
「遥冬」
「んっ…ぁ……っ」
遥冬の口から甘く声が漏れたすきに舌を口腔に滑り込ませ絡めた。
「ん……ふ……」
遥冬の手が尚の首にかかってきてぎゅっと抱きついてきたのに尚もさらに抱き返す。
コマってことは政治の為に利用されるって事か?つまり結婚とか?
それで人脈広げていずれ中央にって魂胆か…。
それが父親?
息子達を人身御供にして自分がのし上がるね…。
そりゃどうやったって親子で仲良くなれっこないな。
そういやウチの父親も一応社長業しててそれなりに顔は広いな、と遥冬とのキスを貪りながら頭で考える。
「遥冬」
名前を呼んで何度も尚はキスを繰り返した。
そしてそっと手を遥冬の前に伸ばせば遥冬のものも勃ちあがっている。
「ん、ぁっ!…だ、め……」
「ダメじゃねぇよ…な?していい?……遥冬の中に入れたい…」
「ああ……尚…」
遥冬の前も触り、そして後ろも探る。
「や!お湯…」
「ああ、じゃ立って?壁に手ついて…舐めてやる」
遥冬は言われた通りにして白い尻を尚に向けると尚はそれをそっと割り、ひくつくいつも尚を受け入れる場所を露わにしてそこに口をつけた。
「ああっ!」
舌を差し込むと待っていたかのように遥冬のそこは収縮を繰り返す。
いつも遥冬はどこもかしこも綺麗だ。
「な、お…いい、から……っ」
丹念に舐めて解していると遥冬が声をあげる。
「だ、って…早く…って…」
ああ、尚が早く入れたいって言ったからか…?
「早くとは言ったけど自分だけよくたってつまんねぇよ?遥冬が感じてるのが見たい…」
「そん、なの…」
「だめ~」
遥冬のイく時の顔がイイんだから。
いっぱい感じて無表情じゃなくなればいいんだ。
自分といる時位は。
さっきだって淡々と告げる遥冬に複雑な心情になった。
甘えればいいのに。
自分だけに頼ればいいのに。
そのまま家なんて出ればいいのに。
自分にだけ全部見せてくれればいいのに。
……独占度合いがますます激しくなってきそうだ。
自分は博愛主義者だと思っていたのにどうやら違ったらしい。
いや、遥冬限定か…。
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くりぼさんからトイレえちいただきました^^;
背後要注意です~
くりぼの庭 ありがとうございます~m(__)m
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