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焔は静かに。3

 その後、水野から連絡が入って色々これからの遥冬の事の相談をベッドに横になっている遥冬と一緒に電話で話した。

 マンションは遥冬名義になっているとのことでそのほかにも遥冬の母親の財産を水野が管理していて当分生活も大学も何も遥冬に支障はないという。
 警察に垂れ込んだのは水野らしい。
 はっきりとそうは言わなかったがそう匂わせた言い方をした。
 しかし電話を切ってからもどうも尚はすっきりしない。

 「遥冬…あの水野ってヤツはいったいなんなんだ?」
 尚はアイツも遥冬の異母兄にあたると本人に聞いたけど、どうも水野はそこには何もこだわっていないらしい。
 「何、って…?」
 「なんかイマイチ分かんねぇんだよな…。遥冬の事が大事…ってのもまた違うし」
 「水野が大事なのは兄さんだよ」
 「はい?」
 「もうずっと兄さんのお相手だから…」
 「……………はい?」
 「兄さんも水野は特別で水野も兄さんが一番大事だって言ってる。…でもちょっと歪んでるけど。兄さんは他の男としてるとこ見せたりしてたし。それでも兄さんは水野は自分のだって言ってた」
 「………それを…遥冬も見てたって事か?」
 「そう」
 くるくると尚の思考が回る。

 遥冬の異母兄同士でくっついてるってこと?
 あ、でも異母兄は遥冬も遥冬の兄貴も知らねぇ事だって言ってたけど…。
 「それ…お前何歳位から…」
 「小学校」
 そりゃまた…。
 「あ、の……」
 遥冬が心配そうな目で尚を見ていた。
 「ああ?何?」
 「………いや、になる…か?」
 「何を?」
 「だから…変…だろ」

 「あのね。何回言えばいいんだ?だからってなんで遥冬を嫌になるんだよ。ワケワカンネ。むしろお礼を言った方がいいかも。だから遥冬は俺を誘惑してきたんだし、エロくなったんだ」
 遥冬がベッドの端に座っていた尚の背中を横になったまま足で蹴飛ばした。
 「いてぇな。足はねぇだろ足は」
 つん、と遥冬は顔を取り繕っているけれど、態度に安心が見える。
 「そんなの些細な事だ」
 そう。水野と遥冬の兄貴がなんだって、尚にはどうだっていいんだ。

 尚は遥冬がいればいい。
 色々これから裁判とかでうるさそうな気配ではあるが、なによりも遥冬が自由でいられればそれが一番いい事だ。
 「エロいのも可愛いのもなんでもいいって言ってるだろ」
 「……盲目じゃない?……なに?尚はそんなに僕の事が大事?」
 遥冬が挑戦的に尚を睨んで言ってきた。その瞳の奥に蒼い焔が見える。
 もし答えを違(たが)えたら燃やされてしまいそうな炎だ。

 「そうだけど?」
 尚が当然の様に頷くと瞬時に遥冬が真っ赤になった。
 「な、な、何…そんな…簡単に…頷いてんだ!?」
 「大事だ。他なんかどうでもいい位な。だから言っただろ?覚悟しろって?俺はもう覚悟を決めたって。遥冬は?」

 「…………尚に電話した時…最後にしようと思ったんだ。尚の家にも迷惑がかかると思って…でも声聞いて…ダメだった…尚が僕には…必要、だ…」
 遥冬が布団に包まりながらぼそぼそと小さい声で呟くように言った。
 そしてふいと窓の方に身体の向きを変えて尚に背中を向け丸まった。
 …照れてるんだ。可愛いなぁ、と思うと尚の顔は崩れてしまう。
 「遥冬さーん?」
 布団の上から遥冬に覆いかぶさり抱きしめる。

 「……重い」
 全然そんな事思ってもないのは分かっている。
 「早く元気になってね~。じゃないと思いっきりエッチ出来ないから」
 「おも…いっき……っ!」
 布団の中から咎めるような目を尚に向けるけれどその遥冬の耳は仄かに赤くなっている。
 「ダメ?いっぱい遥冬を感じさせて乱れさせて滅茶苦茶にしてやりたいと思ってんだけど?」

 「………別に」
 その遥冬の返事に尚は相好を崩した。
 「………なんだ?その顔は?」
 「え?だって遥冬も滅茶苦茶にされたいんだ~、と思って」
 「誰も!そんな事は言ってないっ」
 「え?だって今お前別にって言ったでしょ?遥冬の別に、はいいよ、って事だから~」
 「…そんな事言ってないッ」
 「はいはい。言ってませんね~。なんだ…俺の勘違いか…」
 わざと尚が気落ちした声を作る。

 「……………でも、ない…」
 するとすぐに遥冬が否定を入れてくるのが可愛い。
 「だよね…遥冬サンえっち大好きだもんね?」
 「人聞きの悪い事言うなっ!……尚だから、だ…」
 「……お前ヤバイって…ホント…そんなに俺煽ってどうすんの?」
 遥冬の布団からちょっとはみ出てる耳にキスしてそして耳朶を甘く噛む。
 「煽ってないっ」
 「煽ってる」
 尚がくすくす笑いながら遥冬にキスを落とせば遥冬もすぐに応えてくれるんだ。
 その遥冬の息にも目にも肌にも冷たいところなんて一つもない。
 何度も何度も確かめるようにキスを交わした。

 
--------------
続きに拍手コメお返事です^^ 
YN様
 お返事いいとありましたが…^^;
 変なのは結局分からずでした(笑)
 王子はどうしてもね~…^^;
 だからつい(笑)を入れたくなるのですよ^^;
 今回短めですからね(私にしては 笑)
 次もその次も短めです~。
 1ヶ月位ずつ。
 いつもありがとうございます~^^

S様
 どっからどう突っ込んだらいいのか…^^;
 尚かっこいい!尚家族かっこいいありがとうございます^^
 それなのに…です^^;
 嫁決定?…かな?(笑)
 いいけどなんも出来ないよね…。あ、でも
 きっと教えられれば出来るか^^
 ありがとうございます~^^

AHN様
 このままです~^^
 このままなんですけどね~^^;
 尚なんです~(笑)
 おかしいな~^^;
 ありがとうございます~^^

nkmm様
 かっこいいですね~!
 こんなお父さんなら大好きでしょうね~!
 尚んち男の子二人だったけど、
 女の子いたらきっとベタ甘でしょうね^^
 ありがとうございます~^^

MR様
 昨日の分もありがとうございます~^^
 尚庶民派ですね(笑)
 そして確かに軽い!なんででしょうね~(笑)
 ちゃんとしてるしかっこいいし、イイコなのに…
 やはりそこが尚なのですよ~^^;
 遥冬はきっと尚の家族に癒してもらえるでしょう~(^m^)
 ありがとうございます~^^

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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