ミューを孝明が捕まえて爪きり。
「根元のピンクになってるとこまで切ってダメです。血だらけになりますからね」
「え!」
おっかなびっくり、孝明に抱っこされてるミューの小さな手を持って細い爪の先を切っていく。
尻尾がぺたっとお腹に張り付いていて、ミューも怖いらしい。
ぷにぷにのピンクの肉球の感触が可愛いし、怖がってるのも可愛い。
千波の顔はずっと笑みが浮かびっぱなしだ。
切り終えると逃げるようにミューは孝明の手から飛びのいて走って行ってしまう。
切ったミューの細かい爪が孝明の服についていて、それを千波が取っていく。
「…千波さん」
声が近くて、そしてただ呼ぶより熱を伴っている気がする。
ぐいと千波の肩に孝明の手がかかると引き寄せられた。
「あ…」
「…期待してた?」
「そんな事!」
「別に隠さなくていいのに…俺にされるの、嫌じゃない、でしょう?」
唇を噛み締めて千波は顔を俯けた。
そう、嫌じゃない。
期待してた。
だって…学校でさえ抱きしめられたのに、こうして欲しいと思っているんだ。
だからってそれを孝明に見せられない。
「今日のあのバカ女を睨んだ時の千波さんにはゾクりときましたよ。外ではいつも怜悧ではありますけど、びしっと言い放った千波さんが素敵すぎて、どうしようかと思いました」
そう囁きながら孝明が千波の耳の後ろを啄ばんでくるのに千波の背中がざわついてくる。
「や、め…」
「やめてほしくない、でしょう…?感じやすいくせに…」
「んっ!ゃ…っ……」
耳を嬲られ、孝明の手が千波のワイシャツのボタンを外していくけれどそれどころじゃない。
「千波さん…」
孝明の唇が千波の唇に重なると口腔にすぐ孝明の舌が忍び込み、千波の舌を捕らえると絡め、吸い上げられる。
「ぁ、…う、んっ」
それだけでもう声は漏れるし身体は待ち構えていたように反応してしまう。
違う!
待っているんじゃない!そう思ったって身体が反応するのに信憑性は薄い。
いや、待っていたんだ、本当は。
ただ、孝明にそうは思われたくはない。まるで誰でもいいように反応していると思われたくなどない。
「我慢しないでいいです。もっと感じたいでしょう?」
唇を軽く触れたまま孝明が囁く。
そしてシャツのボタンを外し終えた孝明の手が千波の肌を滑っていくのにぞくぞくと身体が震えてしまう。
「ほら…こんなに感じてるのに…。もう勃ってるんでしょう?」
「や、め…ホントに…っ!」
カチャカチャとベルトを外される音がいたたまれない。だって、本当にもうすでに反応してしまっているのは自分でも分かっている。
「こんなに感じやすい身体なのに誰も知らなかった…?ずっと自分で?」
「こんなん!なった事…ないっ!」
そんな事言われるのが嫌なのに!ちょっと抗ったせいで眼鏡が傾き、それもまた情けない気がしてくる。いくら違うと言った所で今こうして反応してるのは本当なのだから。
「…眼鏡、外しますね…。別に恥かしがる事ないでしょう…。それじゃあ俺に反応してるって事ですか?」
「違うっ!」
「じゃあ、どうして…?好きでもない男に触られてあなたは反応するんですか?」
「違うっ!」
「じゃあどうして…?」
孝明が何度もキスして、そしてベルトを外した中に手を差し入れてくると半分勃ちあがっている千波のものに触れた。
「あ、ぁ…っ!…し、しら、ない……っ」
何が聞きたいんだ!
「俺が帰るというとあなたは寂しいと顔に出ます」
「出ないっ!」
分かられてた!
かぁっと千波の体温が上がっていく。顔が熱い。
「……そんな真っ赤な顔で否定しなくても…」
「違うんだから違う!」
「…身体は素直に反応するのに…」
はぁ、と孝明が小さく溜息を漏らしてそして千波の首に唇を落とすときゅっと吸い上げた。
「あ、ああっ!」
びくびくっと身体が震える。
「ほら…こんなに感じてる…」
ぐいと孝明の手が千波のスラックスをずり下げた。
勢いよく飛び出す千波を孝明の手がすぐに捕まえると刺激を加え始める。
これじゃ何を言ったって嘘だ。
孝明の手を覚えた身体はもう千波のいう事なんてきかないんだ。
さらに乳首を摘まれ捏ねられるのに、なんでそんな事で反応するのかという位に快感が走る。
「や、…それ…」
「ん?ああ、女みたいで嫌ですか?女みたいなんて思っていませんから、全然。女よりずっと綺麗でエロいです…千波さん…イってください。イくところを見せて?」
「や、あぁ…っ!」
耳元に囁かれ追い上げられ、待っていたといっていい素直な千波の身体は誘導されるまま孝明の手の中に白濁を放っていた。
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おきわさんにいただいた尚×遥冬を
ギャラリーに追加しました~^^
すっかり追加してた気になってて^^;
遅くなってすみません(><)
ありがとうございます~m(__)m
テーマ : 自作BL小説
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